お久しぶりです.長らく更新していませんでした.
今回は,僕が小学生時代に千葉県銚子市で採集した思い出深い化石を紹介します.
なお,この地域は現在ではジオパークに指定されており,ハンマーなどを用いた採集は厳禁となっていますのでご注意ください.浜辺でビーチコーミングという形で楽しみましょう!
だいぶ長い記事になってしまいましたがお付き合いください!
【ホオジロザメの歯化石】
Carcharodon carcharias Linnaeus, 1758 ホオジロザメ
層準:犬吠層群名洗層 (鮮新世,約500万年前?)
いわゆる人食いサメのホオジロザメの歯化石です.歯冠の鋸歯が特徴的ですね.
この産地はかつてはホオジロザメの歯が産出することで有名でした.
これらの化石は海岸に漂着しているものを拾ったり,あるいは篩がけで見つけたものです.
篩の中に黒光りする鋸歯のある歯を最初に見つけたときは本当に感動しました.
生きているときのサメの歯は純白ですが,化石化するとこのように灰色~黄褐色に変色します.
この産地のサメの歯化石は摩耗が激しく,歯根がなくなっているものも多いですが,左上のものなどは非常に良好な保存状態といえるのではないでしょうか.
【メジロザメ類の歯化石】
Carcharhinus sp. メジロザメ
層準:犬吠層群名洗層 (鮮新世,約500万年前?)
メジロザメの歯化石です.だいぶ摩耗してしまっています.
他の産地ではメジロザメは割とよく見かけるのですが,銚子では心なしか少ないような気がします.(探し方が悪いだけかも)
歯根も歯冠も黒光りしていて個人的にはとても好きな標本です.
【ブダイ類の咽頭歯】
Scaridae ブダイ科魚類の咽頭歯
層準:犬吠層群名洗層 (鮮新世,約500万年前?)
このイクラやカズノコみたいな見た目をした化石は,ブダイの仲間の喉の歯(咽頭歯)です.
現生では,ブダイの仲間はサンゴを齧りとり,その中の藻類を食料としているそうです.
そのときにこの咽頭歯でサンゴをゴリゴリすり潰すようです.
どうりでゴツい見た目をしていますよね(笑)
この化石も破片で出ることが多いそうですが,右側2つはほぼ完品です.
いい標本を拾いました(笑)
【クジラ類の耳骨】
Cetacea クジラ類の耳骨(鼓室胞)
層準:犬吠層群名洗層 (鮮新世,約500万年前?)
これらの化石は一見ただの石のようにも見えますが,クジラの耳骨,特に鼓室胞と呼ばれる部分の化石です.
通常,骨の化石というと多孔質なものが多いですが,耳骨は大変緻密で丈夫な組織です.
なので,骨の化石が粉々になる一方,耳骨はある程度原型をとどめたまま,礫として地層中に取り込まれたものと思われます.
上の標本は完品に近いもので,ゲンコツに近い形をしています.
持ち上げると非常にずっしりと感じます.おそらくヒゲクジラのものかと思われます.
パッと見ではそこら辺の石かな,とも思ったのですが,よく見ると耳骨であったことに気づいた時の興奮は忘れられません.
下の標本は耳骨の破片です.
茶褐色で非常に緻密な組織でできているのがよくわかるかと思います.
【クジラ類の前上顎骨】
Cetacea クジラ類の前上顎骨
層準:犬吠層群名洗層 (鮮新世,約500万年前?)
この化石はクジラの前上顎骨の一部です.
10cm近くもある大きな骨のブロックです.拾った時には本当にびっくりしました.
県立博物館の学芸員の方にお見せしたところ.特に「アカボウクジラ」とよばれるグループの骨である可能性があるとのことです.
先ほどの耳骨とはことなり,多孔質であるのがよくわかるかと思います(特に上の写真).
【腕足類の化石】
層準:犬吠層群名洗層 (鮮新世,約500万年前?)
これらの丸い小石のようなものはすべて腕足類の化石です.
この産地では非常に大量の腕足類の化石が礫とともに産出します.
何種類か報告されており,上の写真には4種ほどいると思われます.
左上: タテスジホオズキガイ・・・横幅が広く,円形に近い見た目をしています.輪肋に加え,放射肋が強いのが特徴です.
中上,右上: タテスジチョウチンガイ・・・やや殻頂にかけてとがった形状をしており,放射肋が明瞭に見えます.
左下: カクホオズキガイ・・・放射肋はほぼ見られず,五角形に近い形状をしています.なお,近縁のブラウンフォードホオズキチョウチンは開口部が大きく湾曲しますが,本標本は真っすぐなので,カクホオズキガイとしました.
中下: ミウラチョウチンガイ?・・・カクホオズキガイの角がとれたような形をしています.同定に自信はありません.
右下: チョウチンホオズキの一種・・・このタイプの腕足類が一番多かったような気がします.細かい種名はわかりません...(笑)
【琥珀】
Amber 琥珀
層準:銚子層群海鹿島層(左),酉明浦層(右) (白亜紀,約1億年前)
銚子は日本最古の,白亜紀前期の琥珀が見つかることで有名です.岩手県の久慈市でも白亜紀の琥珀が採掘されていますが,こちらは白亜紀後期のものです.
銚子では海が荒れた日の翌日などに,砂浜を歩くと運が良ければ琥珀が拾えるとのことです.
ただ,僕は今までに2個しか拾ったことがありませんorz
やはり毎日浜に行かれているような地元の方々にはかないませんね.
右の標本はきれいなオレンジ色をしていてとても好きな標本です.
【クルミガイ類】
Nuculopsis (Palaeonucula) ishidoensis (Yabe & Nagao) ヌクロプシス・イシドエンシス
層準:銚子層群酉明浦層 (白亜紀,約1億年前)
これらは琥珀を拾った海岸の転石に張り付いていたものです.
現在のクルミガイの仲間に近い,丸っこい殻の形をしています.
いわゆる「パレオヌクラ」といわれるものです.
銚子層群の貝化石はトリゴニアが有名ですが,こうした小さな二枚貝類もいたんですね~!
以上,僕が小学生~中学生時代に銚子市で採集した標本をご紹介しました.
銚子は化石だけでなく,灯台があったり,ローカル線(銚子電鉄)があったりなど,本当に魅力がたくさんの町だと感じました.
また夏休みにビーチコーミングしつつ鮨を食べに行ってこようかな...














