【文芸同人誌】TEN No.126感想　Vol.3　～1%から始めるポモドーロ　他～

前回・前々回の記事からの続きです。

同人誌TENについては、こちらの記事をご覧ください。

『文芸同人誌TEN【No.126】感想 Vol.1』今号も届いたので、順を追って感想を書いていきます。まず、恒例の説明から。 ◆◇＝文芸同人誌『TEN』について＝◇◆ 平成4年に設立された同人誌グループ。小…

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というわけで、今回は残りの作品に向けた感想記となります。

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1%から始めるポモドーロ（評論）

もはやYouTubeでもおなじみになっている勉強法、ポモドーロ。

私も雨の音や波の音などをテーマにしたポモドーロで、よくお世話になっています。あまりにシーンとしていると、とつい気が散ってよそ事をしてしまうんですよね…(;^ω^)

大体のポモドーロだと1コマ25分ぐらいで区切っているのですが、この評論文では15分で区切る方法が提唱されています。なぜなら、15分という時間が1日のおよそ1%に相当するからとのこと。確かに、集中するぞ！と意気込むとストレスになりがちですが、

「1日のうち1%ぐらいなら、集中してもいっか」

と思えば、多少気が楽かもしれませんね。例えるなら甘いモノを辞めると考えるとストレスになるから、「今日だけ甘いモノを食べないでおこう」と考えるようなイメージでしょうか。

合評会～おちこちアラカルト（詩集　画家と動物より）～

全部で6篇の詩と、2編の短い詩が掲載されています。

どれも面白いのですが、私が一番印象に残ったのが「ルノワール」をテーマにした詩です。

夫婦でギターやピアノを弾いていたエピソードが登場するのですが、

自分の分を知り才能を知り限界を知っていたからこそ、ステージに立つのではなく家庭での音楽会に満足していたということ。

“ないものねだり”こそが進化や発明の源でもありますが、時には身の程を知ることも必要なのかな？

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文芸同人誌TEN【No.126】感想 Vol.2

前回の続きです。

ちなみにスマホでTENの写真を撮影→PCへ送信→ダウンロードした時はちゃんと縦向きだったのに、Amebloに載せた途端になぜか写真が横向きになってしまいました。なんでだろう？

フィリピン・ルバング島からの帰還兵（評論）

太平洋戦争終結後、30年近くフィリピン・ルバング島のジャングルに潜伏し続けた旧日本陸軍の少尉、小野田寛郎さんの話題を中心に日本ーフィリピンの政府間で取り交わされた見舞金や、ロシアのウクライナ侵攻の話などが展開されていきます。

私もTVでこの方をテーマにしたドキュメンタリー番組、むか～し見たことがあったんだけど…30年近くもずっとジャングルの中で1人きりだなんて、気が狂いそうだなと思いましたね。たぶん物凄く孤独だろうし、いつになったら安心できるんだろう？という気持ちでいっぱいになりそうだし…

それでも帰国後にブラジルに渡って牧場を経営したり、良縁に恵まれたりしたのは、良かったのかな。何をもって幸せと感じるのかは、その人によるのだろうけど。

別件になりますがこの方の話を見ると、同じく戦争の犠牲者である劉連仁（りゅうりえんれん）事件を思い出します。ありきたりな言葉になってしまいますが、戦争がいかに人の人生を奪ってしまうのか？ということを、考えさせられますね。戦争がなければ、この人たちの人生は一体どうなっていたのでしょう？

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文芸同人誌TEN【No.126】感想 Vol.1

今号も届いたので、順を追って感想を書いていきます。

まず、恒例の説明から。

◆◇＝文芸同人誌『TEN』について＝◇◆

平成4年に設立された同人誌グループ。小説、エッセイ、詩、俳句、評論などを掲載。愛知県名古屋市を拠点として活動しており、合評会も開いているそうです。なお、バックナンバーは300円、最新号のみ1,000円(共に送料別)で配布しているとのこと。

※バックナンバーが欲しい方は、天宮までメッセください。私から「編集部と連絡のとれる方」に相談してみます。

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もしくはメール、またはアメブロのメッセージでお願いします。

食虫植物と蝶と（小説）

リモートワークに励む新人の河合に勧められ、ウツボカズラにそっくりな寝袋を購入したサラリーマンの「僕」。デザインが悪趣味だと妻のひんしゅくを買いながらも、寝心地を試してみるが……？

【感想】

コロナ禍によるソロキャンプの流行やTwitterの話題などが取り上げられていて、まさに現代社会がテーマにされた作品だなと思いました。誰にも邪魔はされたくないけれど、気軽に関われるやり方でみんな誰かと繋がっていたい。

また、自分とは何の関係もないと思ったところで見知った誰かが同じ宝くじの話題を口にしていたり、自分が見た夢が誰かの夢とつながっていたり…。なんだかユングの唱えた「集合的無意識」を連想しました。

次回はフィリピン・ルバング島からの帰還兵について書く予定です。

更新時期？うーん…いつだろう。時間ある時に載せます

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【同人誌TEN No.125】感想

今号も届いたので、さっそく感想を書いていきたいと思います！

毎度のことですが、説明を……。

◆◇＝文芸同人誌『TEN』について＝◇◆

平成4年に設立された同人誌グループ。小説、エッセイ、詩、俳句、評論などを掲載。愛知県名古屋市を拠点として活動中で、合評会も開いているそうです。なお、バックナンバーは300円、最新号のみ1,000円(共に送料別)で配布しているとのこと。

※バックナンバーが欲しい方は、天宮までメッセください。私から「編集部と連絡のとれる方」に相談してみます。

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レベル０(小説)

No.118 【2019年5月1日】にも出てきた？謎の2人組が今回も登場。

ある日、出勤前に旅行代理店のアンケートへ回答したサラリーマンは、職場の最寄り駅で奇妙な光景に遭遇する。

宇宙服を着てガスマスクを装着した人々、重く垂れこめた灰色の空に紫色に変色した街路樹の葉、巨大な毒虫。

この日は確かにいつもと同じ朝で、会社に行こうとして地下鉄に乗ったはずなのに。

ふと気になって覗いたスマホには、「令和7151年9月21日」とあり得ない数字が表示されていて…？

【感想】

手塚治虫の『火の鳥(異形編)』を思い出した作品。

タイムトラベルものですが実業家など成功者たちはすでに未来へ行った経験があり、「将来何が起こるのか」を書き起こしたメモを見ながら荒稼ぎしている……というエピソードが面白いと思いました。ところで、『火の鳥』では主人公が永遠に“時の環”に閉じ込められてしまいましたが、この話の主人公の未来はどうなるのでしょうか？

『呂氏春秋』と呂不韋についての覚え書き(評論)

中国で制作されたTVドラマ『李コウラン伝(始皇帝の母)』の話題を皮切りに、秦の歴史や呂不韋を含む人々の人生、H・G・ウェールズの『宇宙戦争』など、全5編の評論となっています。アニメ『キングダム』を彷彿とさせられる中国史のエピソードから、「宇宙」という言葉の概念における歴史、『論語』で有名な一文「四十にして不惑(まどわず)」など、興味深い話題が盛りだくさん。歴史に興味がある方は、必読をおすすめします。

ニーチェと仏陀(評論)