ちょっと気になってた本があって、mixiのコミュニティに感想書いてる人がいて面白そうだから、借りてみた!

 

お伽噺が、ミステリーになってるなんて斬新・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ネタバレ有り

 

 

 

 

 

 

 

「むかしむかしあるところに、死体がありました。」 青柳碧人

 

 

 

一寸法師の不在証明

 

ある村に鬼が現れ、一寸法師は鬼に食べられたが、鬼の体の中を針で刺し鬼が降参する。

打ち出の小槌を上げるから、許してくと。

一寸法師は、鬼の体の中から出るのに長時間かかり、やっと出ることが出来た。

鬼から打ち出の小槌を貰い、城に帰った。

一寸法師が鬼をやつけたと言うことで、殿に何が欲しいか聞かれた一寸法師は、姫が欲しいと言った。

姫も喜び、2人は結婚することになった。

そんな時、1人の兵士に怪しい人物が近寄ってきた。

とある村で男性が殺されたのだが、その男性は殿の隠し子だと言う。

殿がもうすぐ病気で亡くなるので、そのタイミングで自分が殿の隠し子だと打ち明けてその男性は殿になろうとしていた。

それを知った一寸法師は、その男性を殺したと話したのだ。

しかし、時刻を聞いてみるとその時間帯は一寸法師は鬼の腹の中にいた。

一寸法師がその人物を殺すのは、不可能だと話した。

怪しい人物は少し考えた後、その兵士に一緒に現場検証に行こうと誘った。

果たして、アリバイのある一寸法師は男性を殺した犯人なのか・・・?

 

 

 

 

花咲か死者伝言

 

花咲か爺さんは愛犬のシロのおかげでお金持ちになったが、自分は当分食べられるだけのお金があれば良いからと、ほとんどのお金をお寺に寄付していた。

シロが掘った穴から金銀財宝が出てきたので、意地悪なお爺さんが自分にもシロを寄越せと言ってシロに穴を掘らせたが、出てきたのは虫ばかり。

意地悪なお爺さんは怒って、シロを焼いた。

花咲か爺さんは悲しくなり、せめてシロを焼いた灰をくれと言った。

そして、その灰が花を咲かすことが出来た。

花咲か爺さんが花を咲かせていると殿が通り、こんな凄い物を見せてくれたお礼に、金銀財宝を渡すと言った。

そして、意地悪なお爺さんは、次は花咲か爺さんの灰を奪った。

その灰を、殿に見せようと思ったのだ。

数日後、朝起きると花咲か爺さんがいなかった。

花咲か爺さんは、山の上の方で頭を殴られて死んでいた。

村人が集まって、誰の仕業だと犯人探しが始まった。

一番最初に疑われたのは、あの意地悪なお爺さんだったが、意地悪爺さんは花咲か爺さんから奪った灰を殿の目の前でまいたら、殿の孫の目に入って痛くて慌てた孫は柱にぶつかりたんこぶが出来、殿が怒って牢屋に入れたそうだ。

なので、花咲か爺さんを殺したのは、意地悪爺さんではないということになった。

花咲か爺さんは、手にぺんぺん草(ナズナ)を持っていた。

これは、花咲か爺さんの大イミングメッセージじゃないか・・・!?

村人達は頭を捻って、お爺さんのダイイングメッセージを考えたが・・・

 

 

 

 

鶴の倒叙がえし

 

親の借金を抱えていた青年は、庄屋に早く借金を返せと言われた。

両親が亡くなり母親が織る反物で少しずつお金を返していたが、青年は反物が織れず薪を売っていたが、反物に比べ大したお金にならない。

借金を払わなければ酷い目に合わせると庄屋に言われ、ならばこちらから殺すしかないと、青年は庄屋を殺した。

そんな時、ある女性が現れた。

それは、以前青年が助けた鶴だった。

鶴は青年に恩返しをするために人間の女性に変身し、宿に泊めてもらう代わりに機を織るので、それを売ってお金にして下さいと言う。

青年は、死体を機織り部屋の隣の部屋に隠していた。

鶴は、機を折ってる部屋には絶対に入らないように言う。

青年は、その隣の部屋に絶対入らないように言う。

鶴の折った反物は、見事な物で殿の城に売りに行ったら婦人達に気に入られた。

婦人の友達からもその反物が欲しいと言われ、青年は鶴にもっと反物を織ってくれと言われる。

鶴は青年の気持ちに答えようと自分の羽を犠牲にして一生懸命折り続けるが、次第に青年の態度が酷くなって行き・・・

 

 

 

 

 

密室竜宮城

 

浦島太郎は、子供達が亀をイジメていたので助けた。

亀は、お礼に龍宮城に連れて行くと行った。

亀の甲羅にトトキ貝と言うのをはめると、海の中にいても呼吸が出来た。

竜宮城に着くと、亀は女性の姿になった。

竜宮城の中央にも、同じトトキ貝がはめられていた。

これは「止時貝」で、時を止める貝のようだ。

亀を助けたと言うことで、乙姫は太郎を気に入り宴会を開いて太郎を歓迎した。

宴会が終わると乙姫は太郎を自分の部屋に招き、太郎に膝枕をした。

太郎はそのまま眠ってしまったが、その時竜宮城で殺人事件が置きた。

冬の間で、ある魚が殺されていたのだ。

海の者である自分達は知恵がないので、知恵のある人間の太郎に犯人を突き止めて欲しいと頼まれる。

冬の間には扉が中から仕舞っていて、窓はあるが珊瑚で覆われて出入りが出来なくなっている。

中から「助けて・・・」と言う声が聞こえたので、自殺ではなく殺人だと言うこと。

みんなから事情聴取をするが、太郎は密室殺人事件の謎を解くことが出来るのか・・・!?

 

 

 

 

絶海の鬼ヶ島

 

鬼ヶ島は、飢餓に襲われていた。

もうダメだと思った鬼達だったが、鬼叙と言う鬼が人間達から食料を分けてもらってくると言い、子分の鬼を従えて人間の島に行った。

すると、食料や酒や金銀財宝を持って帰って来た。

これからは人間から食料を分けてもらうから、自分達で農作業をしなくて良いと鬼叙は言ったが、長老の鬼が自分達の食料は自分達で作らねばいけないと反対した。

そんな長老の考えが気に食わず、鬼叙は長老を洞窟に閉じ込めた。

ある日、桃太郎と猿、犬、雉が船でやって来た。

鬼は、いつも食料を分けてくれている人間だ!

と思い、喜んでもてなそうとしたところを桃太郎や動物達により殺された。

他の鬼達もどんどん桃太郎や動物達に殺されていき、次第にみんな鬼叙が嘘をついていたんだと言うことに気付いた。

そして、この島の長である長老も、今まで奪った物は全部返すと言って宝の在処を案内し、殺された。

が、実は洞窟の奥に家族がいた。

この実話を知っているのは、当時洞窟の奥に隠れていた少女だけだった。

が、今では一番長生きしている鬼婆となった。

鬼婆は、この話を自分の子孫に語り継いでいった。

ある日子鬼が喧嘩をし、罰として洞窟に閉じ込められた。

次の日、喧嘩した相手が殺されているのを発見し、もう片方の鬼が疑われた。

子鬼は縄で吊るされ無実の罪を着せられたが、その間に他の鬼が殺され子鬼の無実が晴れた。

しかし、今までみんなで仲良くやって来たのに、なぜ鬼殺しが始まったのか?

犯人は、一体誰で何が目的なのか・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ、面白かったです!

 

日本昔話ってうろ覚えなんだけど、昔話って結構辻褄合わないことあるよね!

 

でもこう言う小説にすると、その辻褄が合わない部分がちゃんと辻褄合うようになってて、むしろこっちが本当の話なんじゃないかと錯覚しちゃうね!

 

いや、昔話にミステリーはないけどさ!

 

 

花咲か死者伝言の話は、最後ゾクッとしましたね!

 

絶海の鬼ヶ島も、鬼がなんか人間らしい感情持っててなんかリアルさを感じた!

 

 

そして、ミステリーとは関係ないけど、昔ってシンプルな生活で白いご飯が食べれるだけでもありがたい時代だったんだなと思った!

 

そう思うと、こうやっておかずやサラダを食べれてる自分って、今凄い幸せじゃない?

 

と、本の内容とは関係ないけど、その時代のことを考えると良い物食べれて幸せだなと思った!

 

でも、無駄のないシンプルな生活も良いなと思った。

 

貧しくても、心が豊かな時代だったのかなと思った!

 

でも、鶴の倒叙がえしでは、青年が大金を得る度に性格が歪んで行ったけどね!

 

 

いやぁ、どの話も、まさか結末がこんな感じに終わるのか!?

 

と、意外な展開にどれもドキドキしながら読みました!

 

表紙が笑える感じなのに、中身はわりとドロっとしたミステリー小説でした!