とあるローカル線の列車に乗っていた。
無性に鉄道旅行がしたくなった。
適当に列車に乗り何本か乗り継ぎ
このローカル線の終点を目的地にした。
何本かビールを飲んでいた俺は
いつの間にか眠ってしまっていた。
クスクス…
小さな笑い声で目が覚めた。
隣によく知った顔があった。
「おはよ」
「あっちゃん!いつからいた?」
「○○駅、過ぎたくらいからかな」
○○駅を出発した記憶はかすかにあった。
とすると、俺が寝入ってすぐか?
「どこいくの?」
「終点まで」
「んじゃ、一緒だね」
と、にっこり。
会わなくなってどれくらいたつだろうか。
あっちゃんは高校で出会い
いつも一緒にいた。
大好きだった。
高校卒業後、あっちゃんは専門学校で1年間勉強し社会人になった。
その間、俺は貧乏大学生を5年間やっていた。
食事代も払えない身に引け目を感じていた。
電話料金を滞納し、しばしば連絡がつかなくなってもいた。
自然と会えなくなっていった。
「○○町のおじさんのところに行くんだ」
「ふーん。俺は特に目的はない。」
「えっ!何それ~」
笑ってやがる… ま、当然か…
「それじゃあ、一緒に行こう!」
「!」
そんな訳いくかよ!
…結局、ついていく事にした。
○○駅に着いた。
おじさんの家は海のそばらしい。
いろいろ話をしながら歩いた。
歩きながら左手を彼女に向かって差し出した。
「えっ、手をつなぐの~?高校時代みたいだね」
「いいじゃん」
笑いながら手をつないでくれる。
手をつないだ。相変わらず小さな手だ。
・・・あっちゃん、大好きだったな・・・
いや・・・
今でも大好きだな・・・
ん~
変なことに気づいてしまった
おじさん宅が近づく。
・・・手を離したくないな。
大学時代に、手を離すべきじゃなかったな・・・
悔やんでも、もちろん、もう遅い。
おじさん宅では、付録の俺も歓迎してくれた。
なぜか気に入られ、俺も泊まっていくことになった。
まだ一緒にいられるという喜びで、飯と酒のうまさが増す。
宴もたけなわという時
携帯が鳴った。
アラームだった。
夢だった。
・・・起きて仕事に行かなきゃ
もっと続きを見たかったけど
十分、幸せな気持ちになったな。
これが、今年の初夢だ。
正夢にはならんだろうな~
あっちゃんと再会したローカル線は
とうの昔に廃止になっているし
猟師のおじさんがいるという話を聞いたこともない。
しかも…
あっちゃんは今
2児の母親だしな…。
でも、今でも大好きだってのは
やっぱ本当だな…w