② Dizzee Rascal(ディジーラスカル)
この人は早熟タイプ!18、19歳の若さでセルフプロデュースしたデビューアルバムを発表するんですけど、
何とイギリスの年間最高アルバムに選ばれ、プラチナ認定を受けます。
その後に続くアルバムも2004年、2007年に出したんですけどどっちもゴールド認定されてます。
グライムで初めて商業的に成功したのは間違いなく彼なのです。
ただし、そんな彼もキャリア的に成功したとは言い難い。
長らく、アンダーグラウンドのグライムをメインストリームに持ち込むことは、ラッパー達にとって一つのチャレンジでした。
彼らの音楽に「汚れ、すす」を指すgrimeという単語をメディアが与え、広く定着したように、世間においてグライムミュージックはナイフ、ギャング、喧嘩など泥臭いイメージを内包するものなのです。
そして、大衆に売り出すためにはそれを「脱臭」する必要がありました。
ラスカル達は「パーティー・チューン」を出してヒットを狙い、ストリートの物語を捨てて「アメリカのセレブのように」気取らねばなりませんでした。
上に挙げた楽曲はラスカルがグライムからよりポップ志向のサウンドに転向した後のものです。彼のすごいところはグライムから離れてもやっぱりカッコいいことですね。依然変わりない独特な発声とラップの上手さが彼の魅力です。
じゃ、今日はここまで。