「でも、これまでも家事はみんなで分担してきていたし、弟も最近じゃ手伝ってくれたりもしてくれるようになったから、うちら３人だと、意外と普通に暮らせると思うんだけどね」

彼女が苦笑いしてくるから、
私が首を傾げていると、

「…だってさ。そう考えたら、結局、今となってはお母さんの存在ってなんだったんだろう？って思ってさ。産んでくれたり、ここまで育ててくれた恩はあるけれど、今からってなると、いなくても私は平気かなってね。弟にはちょっと酷だけど、３人家族でもいいじゃないって…今、話をしててマジでそう思ったわ…」

話しながら頭の中がまとまってきたのか、
彼女が笑った理由はそれだったらしい。

「それは悲しいけど、真実だね…」

私も頷くと、

「真実なんて、そんなものなのかもしれないですね」

彼女も微妙な表情のまま頷いてきていたが、
もうそこには、
さっきみたいな迷いは見られなかった。

続きはまた後で～☆

father【その５４】