『お人よしなんじゃないんですよ。このところ、あなたを越えて、それでも僕を見てくれるように色々と努力しましたが、それでも彼女が弱っていくのは止められなかった。だとしたら、もう僕ではだめってことなんだろうな…と。だからこれは、お人よしじゃなくて、敗北なんです。お手上げなんです。家長がこんなんじゃだめなんですよ。苦肉の策なんです…僕で助けられなかったことがあなたにできるなら、彼女の幸せと健康を考えると、あなたに託すしかないんじゃないか?って…』


そこまで言って、
彼が思わず涙を流すと、
2人も泣いていたらしい。


「そこから3人での話し合いが、何度かあってね。やっぱり、この2人は本当は好き合っていて、別れちゃだめだったんだなって思ったし、分かったんだよ。それからも、いろんな人を巻き込んで、それで両親たちにも怒られたり、それぞれがそれぞれに詰られたり、いろいろとあったけど、でも、僕は離婚して、彼女はその元彼と結婚することになったんだ」


かなり複雑な人間模様だ。


「それでよかったの?」


彼女が彼の決断を聞きながらたずねると、


「それでよかったんだと思うよ。始まりはどうであれ、一時的にでも家族だった人たちだからね。本当に幸せになってほしいじゃないか」


彼が笑顔で答えてきたようだ。


続きはまた後で~☆

つづく