それから彼とは

定期的に会うように


「私さんといると楽しいです」

「私もです」


相変わらず手もつながず
ただデートを重ねるだけの関係

でも

私にはそれこそが求めていたもの


楽しくて浮かれまくっていた

 

 

 

日中は
彼からのメッセージが待ち遠しくて

アプリを開いては
”メッセージ来てないかな”
と確認するのがクセになった


メッセージが来れば
 

”来た!”と大喜び


なんて返事しようかと
 

考えてる時間がとても楽しい

 

 

 

会っているときは

彼との穏やかな時間が
とても居心地いい

いつも1~2時間でお別れするから
別れ際は寂しい

だけど

帰りの電車の中で
彼のことを思い出す時間が
一番楽しかった

 

 

 

 

まるで中学生のような恋愛

ただ相手と一緒にいるだけで満足できた

あの甘酸っぱい感覚


私はそれに酔いしれていた

 

 

 

 

ところが

しばらくすると
彼は私が聞きたくない言葉を口にした


「…できれば今度は2人っきりで
 いられるところに行きたいな」


言われた瞬間に
背筋が凍って

一気に現実に引き戻された

 

 

「ごめんなさい…
 それはちょっと…」


私がやんわりと断ると
彼は悲しそうな顔をして

「そうですか…」

とその場は引き下がってくれて
 

その日は

そのままお別れしたんだけど


ここから

彼のメッセージがひどくなった


言い回しは丁寧なんだけど
内容が怖かった

 

 

「今日はいきなりで
 心の準備が無かったんだよね」


から始まり


「あなたは運命の人だ」


「早くあなたと結ばれたい」
 

「もうあなた無しでは生きられない」


やがて


「あなたと私は
 出会うために生まれてきたんだ」
 

「あなたを絶対に離さない」

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっと…

 

 これは…

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず

無難な返事してたけど


なんか危なくなってきたのを感じ

ブロックしようかと思っていたところに



最悪の展開が待っていた

 

 

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