私は放心状態のまま
終わったと同室の彼女に伝えたら

 

彼女もパニックになった

 


「ウソ! どうして?

 

 何でアイツと?」

 


経緯を聞いた彼女が激怒し
彼女の彼氏に電話した


「ちょっと!アイツ何考えてんのよ!

 

 嫌だって言ってるのに
 無理矢理なんてひどいじゃない!」

 

 

ところが彼氏は

予想外のことを言ってきた

 


「いやいや何言ってんの(笑)

 

 自分の男を見せつけときながら
 あんだけ酔っぱらって正体不明になって
 どうぞ召し上がれ状態じゃん。

 

 それで無理矢理って(笑)」

 


どうやら彼氏も経緯は知っていたみたい

 


「あの子には悪いけどさ

 

 自業自得ってやつじゃないの(笑)」

 

 

 

クズの友達は

やっぱり同じ種類のクズだった

 

 

 

彼女はさらに激怒したけど
私が「もういいよ」って止めた

アイツを責めても仕方ない

 

もう自分のしたことは無くならないし

 


彼くんが戻ってくるわけじゃない

 

 


そうだ

 

言う通りだ

 


私の自業自得なんだ…

 

 

 

彼女は泣きながら私を抱きしめて

 

何度も何度も謝ってくれたけど

 

彼女のせいじゃない

 


全部 私のせいなんだ

 


今までの私のせい

 

過去の自分は変えられないし
それを消すこともできない

そんな私が
調子に乗ったせいなんだ…

 

 

 

彼女と2人
ずっと抱き合って泣いていたけど
やがて落ち着いた私たち

すると彼女が彼氏に再び電話

 


「私の友達を傷つけた人と
 アンタは同類だったんだね。

 

 もう私も無理。

 

 地獄に落ちろ!!!」

 


そう言って電話を切ったあと私を見て

「ホントにゴメン…」

 

 

「アンタのせいじゃないよ…

 

 ぜ~んぶ私のせい…

 

 でもありがとう。
 私のために怒ってくれて」

 


そう言うと私は立ち上がった

 


「…どこ行くの?」

 


「ありがとう。


 ちょっと1人にさせて…」

 

 

「え? ダメだよ!

 こんな寒い夜中に1人で外に行くなんて…

 私が他の部屋に行くから
 落ち着いたら教えて?

 ね?

 お願いだから外に行かないで…」

 


必死に私の外出を止める彼女

 

その声も
なんだかすごく遠くで話してるようで

 

私の耳に入ってこなかった

 


「お願いだから…


 外には行かないで…」

 

 

彼女が力強く私の両腕を掴んでた

その震える手の力で
ようやく私は戻ってきた

 


「あ… ありがとう

 

 分かったよ。どこにも行かない」



…彼女が友達で

 

本当に良かった

 

あのまま外出してたら…

 

 

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