その日は合同練習で
別の大学に来ていた

実はこの大学に同室の彼女の彼がいて
練習後に一緒に遊ぶことになっていた

「あ、久しぶり~!」

待ち合わせ場所に彼女の彼
一緒にいたのは…

 

以前何度かお相手した男


黒歴史なんだけどな…
まぁしょうがないか

 

 

「え?私ちゃん彼氏できたの?
 よかったね~!」

彼女の彼氏は祝福してくれたけど
横の男は複雑そうな顔

…そうだよね
こいつ私を抱くつもりで来たんだよね

そう思っていると男が

 


「よかったね~
 で、どんな人なの?興味あるな(笑)」

 

 

意外と祝福ムード出してきたので
私も警戒心を解いて


「ありがとう!
 よく行くお店の店員さんなんだけど
 頑張ってお付き合い出来ました(笑)」


「そうだよ~
 この子頑張ったんだから!
 すっごくいい人だよ」


 彼女も一緒になって自慢してたら

 


「へ~ 見たいな~その彼氏」

 

「お、いぃね~
 今日はその彼氏さんのお店に連れてってよ」

 


男たちが興味津々で言ってきたので
なんだか私も彼くんを自慢したくなって

 

4人で彼くんのお店に行くことに

 


「お店で私の彼って言っちゃダメだよ!
 彼くん、バイトをクビになっちゃうから」

「分かってるって(笑)
 お前が好きになった男って
 どんなんか興味あるから見たいだけだよ」

 

 

 

完全に浮かれてた私


こんなことしたらどうなるかって
分かりそうなもんなのに…



なんで

なんでこんなことしちゃったんだろう…

 

 

 

 

4人でお店に入ると
ちょうど彼くんがテーブルに来てくれた

「常連さん、いらっしゃ~い(笑)
 あ、お連れさんは初めましてかな?
 楽しんでいってくださいね!」

いつも通りの満点接客

 


でもその時

 

彼くんの目が一瞬曇ったことに

 

 

私は気付かなかった

 

 

「へ~感じいい人だね
 見た目と違って(笑)」

「でしょう(笑)」

彼くんが褒められてうれしくなった私

それに

 

以前の黒歴史の相手に
幸せな自分を見せつけている

 


そんな状況に
私は舞い上がってしまった

 

 

テンションが上がった私は大騒ぎ

そして私は


記憶を失ってしまった…

 

 

 

 

気が付くと私は

男の部屋にいた

 

 

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