全国大会が終わり
前期試験までの間

 

つかの間のオフを迎えた

一応勉強はするんだけど
1年なので危機感もそれほどなく

 

同室の彼女と遊んでばかりいた


多少ガタイはいいけど女の子2人
自然とナンパが寄ってくる

ナンパ男たちは

私たちをとにかく褒めるから
 

だんだん声を掛けられるのが楽しくなり

 

 

やがて誘いに応じるようになった

 

 

でも

いくら田舎者の私たちでも
ナンパ男の目的は1つだって分かってる

 

だから肝心なとこで逃げるようにしてた

 


そんな中で誘いに応じた2人組

 

一緒にいてとても楽しくって
いつもは食事だけで逃げるんだけど

 

その後のお誘いも警戒することなく
ノコノコとついていった

 


案内されたのはお洒落なバー

 


なんだか「都会の女」になった気がして

 

すごく舞い上がってしまった

 

 

彼女も同じだったみたいで
それぞれの男といい感じになった

ふと気が付くと
隣にいた彼女たちがいない

「俺たちも行こうか」


そのままホテルに行った

 

 

 

初体験は記憶に無い

 

あるのは違和感だけだった私

 


だから初体験のようなもの

 


すごく緊張したけど
正直にまだ2回目って伝えたら

 

ものすごく優しくしてくれた

 

 


とても気持ちよくって

 

夢のような時間だった

 

 

 

駅まで送ってもらい
電車を待ってると彼女もやってきた

お互い顔を見合わせて

 

「やっちゃったね(笑)」

 

って大笑いした

 


電車の中ではしゃぎまくり

 

部屋に戻っても今日の出来事を
2人でずっとしゃべってた

 

 


なんだか大人になった気がした

 

 

 

…そんな訳は無く

ただ口の上手い男に食われただけ

 

でもこの時の私は
本気で自分が大人になったと思っていた

今になって思い返してみるとそれは

無意識に初体験を上書きしたかった

初体験を素敵な思い出にしたかった

ただそれだけのように思う…

 

 

 

その日をきっかけに

私たち2人は「軽い女」になった

 

 

特に嫌な相手じゃなければ
誘われたら断らなかった

時には彼女もいっしょに
4人でやっちゃうこともあったり

 

 

まるで

 

今まで部活一筋だった思春期の
反動が一気に出た感じ

 


練習が再開されても変わらず
私たちは夜遊びに行った

 

 

やがて私は

あのお店にたどり着く


私が取り返しのつかないことをしてしまう
半年前のことだった

 

 

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