この間、ZOZOの前澤さんがテレビに出ているのを見た。

バラエティ番組でいかにも聞かれそうなことを聞かれていた。

女優さんとの別れや1000億の通帳記帳のこと、なぜZOZOを放り出したのか、みたいなこと。

見ていてつまんないなと思ってテレビを消そうと思った時に、その話は始まった。

 

誰かが聞いた。

「なぜ宇宙へ行くんですか?」か「なぜ宇宙へ行きたいんですか?」

どっちか忘れたけどこんな質問だった。

 

前澤さんはこう言った。

「月から地球を見たいんだ」と。

宇宙ステーションくらいに行ったってあの地球の青い真ん丸の姿は見られないのだそうで、

へーっと思った。

そうなのか。宇宙ステーションくらいの距離からだったら地球は丸く見えないのか。

知らなかった。

その時、テレビの画面に月まで行くとみることができる地球の画像が出た。

これは。

正直心が変になりそうだった。

心が震えた。

泣きそうになった。

この画像を初めて見たわけではない。

絶対、以前に見ている。

でも、今回前澤さんが「月から地球を一度でいいから見てみたいんだ」と言った後に、

この画像を見せられるとなんか違った。

その画像に吸い込まれそうになった。

それから何日か、その画像が頭から離れない。

ずーっと考えている。

僕らはあの真ん丸の中にいるのだ。

そのことをずっと考えている。

今上野駅前のロッテリアでこれを書いている。

この喧騒の中にポツリと一人でいることが寂しくない。

誰かがあの真ん丸い青い地球をどこからか見ているかも知れない。

そう考えると、周りの他人も仲間に見える。

今まで他人だった人も他人に見えない。

あったかい布団の中にくるまっているようだ。

地球っていう温かい布団に。

 

これから月旅行が一般的になるだろう。

最初は100億円かかるかも知れない。

そして1億くらいで行けるようになると、相当数の人が月から地球を見る。

そして、修学旅行で月に行く時代がやってきて、

月に住む人も出てくるかも。

みんなが地球を真ん丸いと実感する。

 

その時、みんなの頭の中はどうなるのだろう。

命のすべてが宇宙みたいなものと感じるのだろうか。

 

そのあたりのことをいつも心に置いておきたい。

僕らはみんなで青い地球の布団にくるまっている。

誰一人、その外にはいない。

みんなでくるまっている。