アルコール依存症夫とのイギリス生活 -2ページ目

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11Nov
- 夫から「助けて！」の訴え
  休日で出かけていた夫が19時頃帰宅した。やっぱり酒臭く、どこかで飲んでいた様子。しばらくすると、「Help me・・・」と力なく私に訴えてきた。もうずいぶん前から、彼の自信ややる気といった前向きなものは失われていて、今では見る影もなく人相もすっかり変わり果ててしまっていた。言葉は悪いが廃人に近いような気さえする。そんな彼をなんとかまた以前のように戻したいと思ってはいたものの、日々をやり過ごすことで精一杯。でもとりあえず、また二人で家族会議をした。いつも同じようなことを話し合って、「二人で頑張っていこう」って結論に至るのだが、結果はまたいつも同じってことに薄々私は気づいていたけど、堂々巡りをするしか選択肢が見当たらなかった。という事で今回も、「鬱をきちんと精神科の先生に診てもらう」「お酒の量を少しずつでも減らしていき、行く行くは完全に断つ」この2つの事を約束した。
- 酒の臭い恐怖症
  夫が大量飲酒に起因する膵炎となり入院、その入院中に「アルコール依存症」と診断がついた。退院後も酒が止めれず、入院前と変わらず（むしろ量は増えたのかも）飲み続ける夫。そんな夫と同じ屋根の下で暮らしている私。自分で診断名を勝手につけるなら、この頃の私は「酒の臭い恐怖症」だったと思う。「今日は夫は酒を飲んでいませんように」と心の中で祈りながら、おそるおそる毎日夫に近づいて確認する。毎日が「伸るか反るかの大博打」よろしく、酒臭くなかった時は心から安心して天にも昇るくらい上機嫌になり、その反対に酒臭かった時は地獄に突き落とされたように心が暗くなる。こんな感じで、日々感情の起伏が激しく、ジェットコースターのようにアップダウンしていた私の心は疲弊し限界に達しようとしていた・・・。
06Nov
- 今度はソファーの下から発見
  夫より早く出勤する日の朝。何気なく居間に行き、夫のパソコンデスク周りを見渡してみるが酒はなし。よしっでも、既に疑ってかかっている私は、「何にもないのもなんか変やなぁ」と思ってしまう。そこで、デスクの傍にあったクッションを恐る恐る取ってみると・・・、出たーーーエナジードリンク入りウォッカのボトルのお出まし。いよいよ怪しくなってソファーの下も思い切って覗いてみた。転がっているではないですか、ウォッカの瓶さんが・・・。いやいや、そこまでしますか。仕事に行く前の朝からこんなに精神的にダメージ受けて、仕事から帰ってきても酒臭い夫にまたダメージを受けて、こっちまで鬱になりそーーー。空き瓶をベッドやソファーの下から発見した時の気分って言ったら・・・、本当に気が沈むわ。
05Nov
- 牛乳一本にリュックサックが必要？？
  休日のある日、友人宅へ遊びに行った。そこでは私の監視があったから夫は飲まずにいた。その日の夕方、家に帰るとすぐ、夫が「牛乳を買いに行く」と言う。その背中にはリュックサックがあった。不思議ですよね？　二人暮らしの家庭に必要な牛乳ですよ。友人宅に行くときは手ぶらだったのに・・・不自然なリュック。夫に、「なんでリュックを持つん？」と聞いてみた。答えは、「財布があるから」と。どんだけデカイ財布なんよしかも、どーせ財布の中身は殆ど入ってないくせに、と思いつつも泳がせてみることにした。しばらくして、夫が買い物から戻ってきた。やっぱりですよ、やっぱり。もうお分かりですよね、リュックの中身は。ウォッカですよ、1Lの。何度話し合っても堂々巡り、「もう飲まない」と言う答えは出るが結果が伴わない・・・の繰り返し。それでも、私は黙っていられずまた話し合いに持ち込む。不毛と分かっていても。今回も、「酒をやめないといけない、やめるつもりはある」と夫様は仰る。もうどうでもいいけど、また空瓶をベッドの下に隠さないでね～発見した時気分悪いから。。
04Nov
- 遂に永住権を手に入れる
  「Life in the UKなるもの」と言う記事で、ビザ申請の準備をしていると書きましたが、とうとうその時がやってまいりました。2年の配偶者ビザ期間を終え、永住権の申請。考えれば長かった～。遡ること12年、当時学生として初めてイギリスに来てから何度ビザの申請をしたか。これで最後の最後だと思うと感慨深いものがある。と同時に、金輪際ビザのあれこれから開放されると思ったら、羽がついて飛んでいけそうなくらい心が軽くなる。申請用紙に必要事項を記入し、サポートドキュメントも抜かりなく準備し、いざ申請会場へ向かう。基本的には郵送でも出来るけど、外国でパスポートが手元に無くなるのが不安だったので、追加料金（確か7万くらい）を払って入管のオフィスに出向いての即日審査にした。通常の申請料だけでも15万くらい払ったのに更に7万・・・。私達の経済状況をみると相当な金額・・・、でもこれがほんとうに最後、「え～い、もってけドロボー、ビザのためならなんぼでも払ろたるわい」ってことで自分を納得させた（笑）提出後、1、2時間が経過・・・、ドキドキしながら待っていると名前を呼ばれた！結果は・・・、「ビザの発給を認める」と言うもの。この時の安堵感と言ったら、言葉では表せないほどだった。とにかく安心、ビザさえ手に入ればこっちのモンこれで心置きなく、夫の依存症という大きな問題に集中できるぞ。
- 宝探しならぬ、空き瓶探し
  なんとしても飲むのを止めない夫。「止めない」と言うより「止めれない」と言ったほうが正しいかも知れないが・・・。私にはどっちにしても同じ、酒を飲む夫であることに変わりはない。さてさて、掃除をしていたある日のこと。なんとなんと、ベッドの下に空のボトルが転がっているのを発見右の赤いラベルがウォッカで、真ん中のが例のエナジードリンク飲むと私がうるさいから隠したい気持ちは解らなくもないが、それを見つけた私の気持ちにもなってくれ～！！もう、うんざりやで、ほんま。ウォッカって一本2,000円くらいするのに、どうやって毎日のように飲めるだけの経済力があるのか、本当に不思議。私が一人で生活費の工面に奔走しているのに、「よくもまぁ好き勝手に飲んでくれるなぁ、オラー」と切れる寸前だった。
31Oct
- 膵炎の発作？！それでもまだ飲む・・・？？
  夫がソーセージロール（パイのようなパンのような生地の中にソーセージが挟まっているもの）とチップス（ポテトフライ）を買ってきて一人で食べていた。その数時間後・・・、夫の様子がおかしい。激しい腹痛に悶ているではないかー！「病院に連れて行くか、救急車を呼ぶか・・・」と考えているうちに、幸いにも痛みは収まっていったので事なきを得た。はぁ脂っこいものを食べたことが原因の膵臓の炎症だったのか、食あたりだったのか・・・。でもあの痛みやと膵炎っぽいなぁ、脂っこいものはあかんって聞くし。いずれにせよ、さすがにその日は飲まなかった。そしてその後2、3日も飲まなかった。が、「喉元過ぎれば痛さを忘れる」のか、また飲み始める夫・・・。ダメだこりゃ
30Oct
- とうとう通勤中に飲むっ！
  私の方が帰りが早かったある日、夫が仕事から帰ってきた。「お疲れ様～」と笑顔でねぎらいの言葉をかけようと思い近寄ると・・・。え、えっ、えっっーーーー嘘やろ・・・既に酒臭いではないかーーー。真相を聞いてみると、自転車通勤してる夫が帰宅途中に店に寄り、例の自作の酒（エナジードリンクを半分飲んでそのボトルにウォッカを入れる）を作って飲みながら帰ってきたそうだ。私もたまに仕事帰りの電車でビールを飲むことはあったけど、それとこれとは違うー！！「あなたは依存症と診断されている身です、膵炎を患った身です」もう私の常識というか想像というか、そういった全てのものを彼の行動は超越しすぎていてどう対応して良いのかわからなくなっていた。分かっていたのは、「この人、重度のアル中や」ってことだけ。
28Oct
- 気持ちの変化　～心配から怒りへ～
  これまでは、夫がうつ状態になり、元気を無くしふさぎ込む姿を見たり、膵炎で苦しむ姿を見たりして心配する気持ちの方が勝っていたが、この頃から徐々に怒りの感情へとシフトしていったように思う。その理由として、「夫の度重なる嘘」「就活への意欲のなさ」「家事に対する非協力な態度」「終わりのない飲酒」と言う夫に対する鬱憤に加え、「ビザ申請のストレス」「経済的な不安」「家族や親友から離れ相談出来ない環境」「仕事と家事、夫の心配の両立」と言う自分自身に起因する鬱憤が怒りの感情レベルを押し上げたのだと、今考えるとよく分かる。当時は目の前の事をやり過ごすのに精一杯で、負の感情が大きくなっていくばかりだった。
- 顔が赤いのは日焼けのせい？
  早番で夕方前に家に帰っていた夫。いつものように私が夕方仕事から帰ってくると既に酒臭く、珍しく顔が赤い・・・「顔赤いけど飲んでるん？」って聞くと、「日焼けしただけ」と夫様は仰る。「I beg your pardon??」「Excuse me?」今はまだ3月ですが・・・、しかもここはイギリスですよ、北海道より北にあるイギリスですよ。「日焼けするわけ無いやんかーーーーー」「嘘も休み休み言ってください、夫様」私なんて真夏でも半袖を着ることがないイギリスで、3月に日焼け？そんなに最近天気良かったか？例え多少良かったとしても・・・、「日焼けするわけ無いやんかーーーーー」と何度でも叫ぶ。依存症の人って言い訳のバラエティーが多いことどうやら断酒をするつもりはないらしい・・・。
27Oct
- 「Life in the UK test」なるもの
  イギリスで永住権やパスポートを取るには、書類の提出に加え「英語力の証明」と「Life in the UK testに受かったと言う証明」が必要だ。夫がこんな状況だったが、今持っている婚姻ビザの期限が着々と近づいていて、その次のステップである永住権の申請が必要だった。無情にもビザの更新は待ってくれなーい幸いにも「英語力の証明」は既にクリア。語学学校に通っていた時に、友達につられてCambridge英検という英語のテストを受けていたのだ。これは本当に友だちに感謝。当時、趣味で英語を勉強していた程度だったから、試験なんて全く受けるつもりなんてなかった。ほんの軽い気持ちで受けることになったが、ここに来て大いに助けられた。ラッキーラッキー。だって、今受けても絶対落ちる自信あるもんね次の課題が、「Life in the UK test」だ。これは今後イギリスで長期的に生活していくために必要な、イギリスに関するお勉強といったところ。そもそもこれに受かっていないとビザの申請すら出来ない、いわばスタートラインにも立てないという事。出題は、政治・経済・歴史・文化・宗教・スポーツなど多岐にわたり、その質問自体「それって必要？」「こんな質問イギリス人でも分からんで」って突っ込みたくなる内容満載例えば、「女性が参政権を持ったのはいつか」「Vaisakhiはいつ行われるか（シーク教の祭りのこと）」「イギリスのオリンピックイヤーはいつか（3回もある！）「ヴァイキングからの侵略を防いだのは誰か」「イギリスの奴隷開放制度の正式名称は」などなど。テレビの街頭インタビューで、イギリス人にこれらの質問をしていたけどみんな答えられず、「外国人こんなアホみたいなテストする必要があるの？」って口を揃えていた。←全く同感！実際、夫と夫家族にも模擬テストをやってもらったが、いちばん高得点をマークしたのは勉強を始めていた私だった公式の教科書が出版されていて、私の場合はそれを何度も読んで、ネットで出来る模擬試験をただひたすら繰り返した。その上、試験前の1週間は有給休暇をとって家に缶詰で猛勉強。あまりの熱の入れように本当に熱が出たほどその甲斐あって試験には見事一発合格を果たした！！いやこれ、結構落ちる人もいるみたいで、私の隣で受けていたタイ人の女性は2回目だった今回も落ちて、「自分の会社もあって夫も子供もいるのにビザの期限が迫ってるから、最悪タイに帰らないといけない・・・」って顔面蒼白だったのを覚えている。「失業手当受給を模索、でもそこに立ちはだかるビザの壁」の記事でも書いたように、外国ではビザって本当に重要、「VIP (Very Important Person)」ならぬ「VIVisa」ですよ、ほんと。ただ、大変だったこのテスト。良いこともあって、外国人として暮らしていく中で自分自身に自信がついた。「イギリス人よりイギリスのこと知ってるで」って思えるだけでなんか堂々としていられるようになったと言うか。それともう一点、テスト問題の内容はさておき、外国人が他所の国に住まわせてもらうのだから、その国の言葉を話す努力だったり、その国の事を知っておくと言うのはその国を尊敬するという意味でも重要だと思うので、「この国に住みたければ、最低限これは勉強してね」と義務付けるのはもっともな話であると思う。
- 嘘の次は「隠れ飲酒」の始まり
  前回の記事、「飲んでないという常套句」で、私がベッドに行ってから夫が一人で飲んでいたと書いたが、今回もその話題。飲んでいないという「嘘」の次は「隠れて」飲むようになっていった。前回の記事から約1週間後、遅番の仕事を終え夫が23時頃帰宅。私は入れ替わるように翌日の仕事に備え寝室へ、行かされた。なんか怪しいと思った私は、大人しく寝ると見せかけ・・・、その30分後こっそり夫のいる居間へ潜入した。案の定、飲んでいるではないかっ！！つくづく期待を裏切らない男！ただ、酒と言っても、エナジードリンクにウォッカを混ぜた自作の酒。「手の混んだことしやがってー」「そんなんしても酒臭いからすぐ分かるで」「断酒ハウスのこの家に何で酒があるんやぁ」と問いただすと、仕事帰りにウォッカとエナジードリンクを購入し、道々それを飲んで最後にエナジードリンクのボトル1本分にして持って帰ってきた、と。軟禁生活をしていた実家から帰ってきてから早くも2度目の飲酒。また膵炎にならないか夫の健康がとっても心配、ハラハラ・ドキドキAAにも行くようになって、実家での1ヶ月断酒生活もあって良い方向に向かっていくかと思いきや、逆に徐々に隠れて飲むようになっていった。何たることよ・・・
- 「飲んでない」と言う常套句
  夫が新しい仕事が決まったからと、実家から一ヶ月ぶりに家に帰ってきた。ある日、夕方に仕事を終えた夫は、最近行きだしたAAミーティングへ出かけていた。私が仕事から帰って食事の準備をしていると、夫がそのミーティングから帰ってきた。ミーティングでは、同じような依存症仲間が集って、自分の経験をみんなの前で発表するらしい。夫はこのミーティングであまり手応えは感じていなかったようだが、私は「AAでもBBでも何でもええから、とにかく酒を止めるために毎日でも行ってくれー」って思ってたし良い兆候だとも感じていた。「ミーティングに行く＝酒は飲まない」って言う構図に簡単になるのかと思っていたから。しかし、そんな浅はかな私の思いが、数時間後には見事に打ち砕かれることになるのだった・・・。翌日夫は遅番で昼頃の出勤だったためもう少し起きてると言い、私だけが先に寝室へ行った。そして夜中、ようやく夫もベッドへ。明らかなアルコール臭私「飲んだ？」、夫「飲んでない！」の応酬を4回程繰り返しただろうか、ようやく白状した。コーヒーにウイスキーを入れて飲んだだと・・・。夫の言い分は、仕事が決まったセレブレーションだと。意味不明AAに行った意味まったくないやん
26Oct
- 夫が一ヶ月ぶりに帰ってきた！
  「義理家族の救援」の騒動後、実家での一ヶ月の軟禁生活を終えて夫が我が家へ帰ってきた、凱旋帰宅だ帰宅の理由は、半年の契約ではあるがフルタイムの仕事が見つかったからそもそも、仕事が見つからなかったことが大きなきっかけで時間を持て余し、心を病みお酒の量が増えていったから、仕事が見つかる＝根本解決になるはず！と思った。という淡い期待とは裏腹に、「さて、この仕事いつまで続くかな・・・」と言う少し冷めた目線からも見ていた。そして同時に、また私の肩の荷が重くなった気もしていた・・・。両親の保護下にあるから夫の安全は確保されているっていう安心感もあって、この一か月本当に一人で気が楽になってたのにな。兎にも角にもまた二人の生活が始まることになった。もちろん、夫が仕事を始めてから生活費は折半する事に決めた　ここは純粋にうれしー。大黒柱って本当に大変ですからっ！そしてそして、AAデビューすることも約束した。
24Oct
- 元同僚の来訪に癒やされる
  渡英するまでの約1年間働いていた職場の同僚がイギリスへ旅行すると言うので再会することになった。勤務していたのはたった1年弱だったが、同僚に助けられ、様々なことを勉強でき、経験させていただいて本当に感謝しかない職場。本当は日本に留まってもっと長期で働きたかったなぁと言うのが本音のところ。でもまぁ、イギリスにこのタイミングで来たことには全く後悔はないのだけれど。それはさておき、ロンドン市内での再会。エリザベスタワー（旧称はビッグベン）、ロンドン塔、バッキンガム宮殿の衛兵交代などロンドン観光の王道を網羅。最後はやっぱり、イギリスと言えばPubですよね。Pubでビールを飲んでゆっくり話して。本当に楽しかったなぁ。夫がこうなってから、お酒に対してネガティブなイメージに変わりつつあったけど、久しぶりにお酒を楽しむことが出来た。しばしの現実逃避私、こっちにはほとんど友達と呼べる友達がいない、人種にかかわらず。昔留学していた時の仲間はごく少数いるにはいるが、みんな結婚したり様々な事情で郊外へ移って疎遠になっていたし。今回渡英してからは友人らしい友人は殆どできていない・・・。やっぱり学生の時と社会人になってからでは時間的にも精神的にも友達は作りにくい、と実感。という事で、今回は久ーしぶりに母国語で気兼ねなく話せる同僚の来訪に本当に感謝をするのでした。
- 二度と一緒にお酒を楽しめないと言う現実
  一人になって思うこと、「まさか自分が・・・」の記事の続き。一人になってこんな事も頭をよぎり、心が沈む。「もうこの先、一生夫とは一緒にお酒を楽しむことができへんのや」こんな現実皆さん受け入れられますか？？　無理無理、ムリですわ。だって、人生の良いときも悪いときも、私の側に常に一緒にいてくれたのは、お酒夫と出会ってから楽しいく過ごした時間のほとんどにもお酒がいてくれた。そんなお酒をもう二度と夫とともに飲むことができないなんて・・・、一緒にパブに行くことができないなんて・・・、ワイナリーに行くことができないなんて・・・、晩酌ができないなんて・・・。絶望・・・結婚生活を続けていく限り、この呪縛から逃れられなくなってしまった。十字架を背負うってこういう事？この頃は本当に絶望していた。。
23Oct
- 一人になって思うこと、「まさか自分が・・・」
  夫が実家に引き取られてから一人の時間ができ、いろいろ考える。引き取られた経緯はこの記事ご参照。「アルコール依存症」というものに関わりを持っている自分がまず信じられない。なぜこうなったのか、論理的な考察はできず、「なんで、なんで」「この先どうなるの？」と言う思いだけが巡る。と、父から事ある毎に言われていた言葉をふと思い出した。遡ることうん十年、私自身お酒を初めて飲んだのは15歳頃だったと思う（もう時効です）。親戚が集まるたびに面白半分で、成人していたいとこ達が一番年下の私に飲ませていたのがきっかけだったが、ほどなく酒の虜になった。中学生にもかかわらず友達とお酒を持ち寄って飲むようになり、高校生になると友人がアルバイトをしているスナックに出入りするようになり・・・、社会人になった頃には立派な酒飲みになっていた。荒れくれ者のヤンキーって言うわけじゃ全く無かったが、ただお酒とパーティが好きだった。本当に純粋にお酒自体が好きで、更にお酒を飲んで盛り上がることが大好きで、夫がこうなるまでは本当によく飲んだ。週末となれば昼前から、出かければ必ず飲み、仕事が終わればビールをプシューとあける。そんな大酒飲みに育った私を見た父親が度々、「アルコール依存症には気をつけろ、女性は特になりやすいから」と忠告していた。言われるたびに、「へぇ、まぁ自分には関係ないしー」と思っていた。しかしながら、父親の忠告が今こんな形で帰ってくるとは・・・。人生って本当に何が起こるかわからない。
22Oct
- 義家族の救援
  夫の退院後の経過観察受診に付き添うため、その日は予め午後休をとっていた。仕事を終えるとタイミング良く義母から電話が入った。話を聞くと、義母が夫とビデオ電話をしていた時、既に飲んでいた夫がフラついて倒れ、その上非常に落ち込んでいる様子だと。きっと義母は、久しぶりに見た自分のかわいいかわいい息子が見る影もなくなっている事に相当ショックを受けたのだと思う。むしろ、ショックを通り越してパニックになっていたのだとも思う。義実家では、そんな義母を見た義父と義弟がスクランブル出動するべく荷物をまとめていると。義実家から私達の自宅までは車を飛ばして5時間。彼らが到着した頃にはすっかり夜になっていた。今日は義弟が検査官になり、早速いつもの飲み物チェック。そしてそれがウォッカだったことはもはや言うまでもない。翌日、義家族が夫を実家に連れて帰り、しばらくは義家族の監視の下に療養（と言う名の軟禁）させることになった。その夜、再度2人で話し合い、もし夫が変わらなければ今度こそ「私が家を出る＝離婚」する事で合意。その後、依存症を克服して子供を作り月並みな生活を送る努力をする事にも合意した。そして翌日、夫は義家族とともに実家へ戻っていったのだった。正直、私の肩の荷が少し下りて久しぶりに気持ちが軽くなった気がしていた。
- 見えすいた”嘘”
  夕方、仕事から帰ってくると夫が酒臭い・・・。「あれ、あれ、あれ」魔法のオレンジジュースの記事で、「お酒はもう飲まない」と約束して2,3日も経ってないよ。早速、証拠を掴むために夫が飲んでいたオレンジのドリンクを飲んでみる。「またスクリュードライバーやないかーい！」しかもウォッカの割合がやたらと多い。「全然美味しないで・・・、いくら依存症言うてもせめて味覚にはプライドを持ってくれー、美味しいものを飲もうよ」と思う私が野暮なのか。その翌日。夕方、仕事から帰ってくると夫がまた酒臭い・・・。今日も飲んでいるのかと聞くと、「飲んでいない」と言う。そこでいつもの味見チェック。今日は趣向を変えてウォッカレモネードにしたようだ。「御主なかなかやるな」て、ちゃうちゃう、ポイントズレてる。やっぱり酒入ってるやん！！何でこうも見え透いた嘘をつくの？単純にそこが不思議。飲んだなら飲んだで堂々と「飲んでるでー」って言えばええやん。私、嘘は嫌いや。この期に及んで嘘はつくなーっちゅうの。それも「アルコール依存症」と言う病気が為せる技なのだと行く行く知ることとなるのだった。
20Oct
- 断酒後2年間はビタミン剤が必要？!
  退院後、かかりつけ医へFollow-upの診察に行くという夫に同行することにした。かかりつけ医制をとっているイギリスでは、退院後はかかりつけ医へ戻されそこで経過観察をしていくことになっている（病院での治療の経過はすべてかかりつけ医へ送られている）。入院中も退院時も医療者から家族向けに特に何の説明もなかったため、実のところ妻の私は夫の状況をうまく咀嚼できないでいた。そのため、いよいよ今回はかかりつけ医から今後のこと含めて説明があるのだろうと期待満々でクリニックの待合室で名前が呼ばれるのを待っていた。が、しかし・・・。期待していた診察は実にあっさりしたもので、「あー、膵炎で入院してたのね。今後は、完全に酒を断ってから2年間はビタミン剤を飲む必要があるよ。完全に断ってからね・・・。」とそれだけ。その言い方も、どこか「どうせできないでしょうけど、ね」と心の中で思っているような口ぶりで、患者の回復に向けて治療をするという熱心さが全く伝わってこない・・・。そもそもなんで酒を断ってから2年間ビタミン剤を飲むのか、必要性も詳しい説明がなく良く解らない。知ってる方いらっしゃったらご教示くださいませ膵炎の経過観察で定期検査をどうするのと聞いても「特に必要なし」、鬱に対する精神科での受診やセラピー等の話もなし。拍子抜けするくらいあっさり。この瞬間、私は一人大海原に投げ込まれた気分になった。羅針盤もなく、今にも壊れそうなオンボロ船で冷たく波の荒いドーバー海峡真っ只中、そんな気持ちだった。