6月の洋書として Black Box Thinking をご紹介しています。
今回は第6章
Reforming Criminal Justice
刑事裁判の改革
We try to make the memory fit with what we now know
rather than what we once saw.
私たちは、かつて見たことよりも、
今知っていることと合うように記憶を作ろうとする。
目撃者証言は、75%が間違っているという衝撃的な事実。
何人か人が並んでいる中から、容疑者が誰かを目撃者に選ばせる。
こんな場面を、映画でもテレビドラマでも見たことがあると思います。
このやり方で、一度容疑者の顔を見た目撃者は、犯行現場について思い出すたびに、
その容疑者が現場にいたと、もっと確信を持つようになると言います。
著者は、この目撃者証言の間違いを少なくするために、いくつか提案をしています。
まずは現状の問題点として、容疑者を選ぶ際、何人かの人を並べる際に、
人物像の説明に合っているのが1人だけにしていることだと言います。
代わりに、容疑者について何も知らない人に人選させたら良いのではないか。
そして一度に全員を目撃者に見せるよりも、1人ずつ見せるのが良いと言っています。
どのような方法をとるにしても、75%も間違いがあるのなら、
現状のやり方では上手くいっていないことがよく分かります。
他にも、FBIは1985年から2000年までの間、2000以上あるケースの中で、
髪の毛の分析を過大評価しすぎていたと報告したという話。
判事が仮釈放を判断する時、
朝食をとったすぐ後だと65%の確率で仮釈放を判断するのに対して、
お腹がすいてくると、その確率が0に近づいていくという驚きの調査も。
この章は刑事裁判にまつわる問題点と、著者の提案する解決策について詳しく学べる章でした。刑事裁判について詳しくなくても、興味があれば理解しやすく説明されているので、ぜひ読んでみてほしいです。
次回は第7章で
Uniliverのノズル開発の話です。