6月の洋書として Black Box Thinking をご紹介しています。
今回は第3章
The Paradox of Success
成功のパラドックス
It builds upon failure.
成功は失敗の上に築かれる。
これが成功のパラドックスだと言っています。
第2章でユナイテッド航空173便の燃料切れ墜落事故の話がありました。
その時の機長について、著者はこう語っています。
His tragedy, was to fly at a time when the limitations of human attention
and effective communication were not fully understand.
彼の悲劇は、人間の注意の限界と、効果的なコミュニケーションが
完全に理解できていないときに飛んだことだった。
航空業界はこの時から大きく成長しています。
こういった失敗から学び、次に生かしていきました。
後に、タイム誌にその活躍ぶりが英雄として取り上げられた別の機長は、航空業界は、誰かが亡くなったことから学び、次に生かすということをしてきた。知識を次の世代に受け継いでいく.。こういった積み重ねを忘れてはならないとインタビューで述べました。
Beneath the surface of success ―
outside our view, often outside our awarness ―
is a mountain of neccessary failure.
成功の表面下、視点の外側、たいてい意識外に、
必要な失敗の山がある。
アメリカシアトル州の医療システムのCEOが、日本のトヨタを視察した際、トヨタ式の生産システムからヒントを得て、新しい安全システムを構築した話もあります。それは医療ミスや、ニアミスを報告するというもので、始めは少なかった報告も、ある患者の死がきっかけで、1日に1000もの報告がされるようになったそうです。
次回は第4章
Wrond Convictions
間違った有罪判決