5月の洋書として Willpower をご紹介しています。

 

 

 

今回は第9章

Raising strong children: self-esteem versus self-control 

強い子供を育てる 自尊心 対 自制心

 

<みんなに金メダル!?>

娘が保育園に行っている時に不思議に思ったことがありました。運動会でかけっこをしたら、ゴールした順番に1位、2位、3位と順位がつけられると思っていたら、みんな同じ金メダルを首からかけられていました。

 

保育園だけでなく、小学校でも同じように、運動会で順位をつけないということがよくあるそうです。子供の自尊心を育てるために、そのほうが良いと言う考え方が最近では主流のようですが、このやり方では自尊心も競争心も育たなさそうです。この本でもそのやり方は良くないと述べられていました。

 

子供にはもっと挑戦しがいのある基準と、それを達成したときのご褒美が必要だと。それは子供たちがしているテレビゲームを見てもわかります。敵を倒してゲームをクリアすると、コインがもらえたり、新しい場所に行くことができたりします。しかもフィードバックはすぐです。上手くできたら報酬がある、下手だったら何ももらえない、時にはゲームが続けられない。

 

その繰り返しが楽しくて、子供たちはゲームにのめり込んでいます。現実の世界では、多くのことが子供に簡単であるように設定されいていて、「子供に優しい」と謳われていることに私は疑問を感じます。

 

 

<高すぎず低すぎない自尊心>

自尊心は高すぎても低すぎてもダメなようで

プロの殺し屋など、恐ろしいことをする人の自尊心は比較的高いそうです。

 

そしてnarcissism(ナルシシズム、自己中心主義)につながることもあります。

他人からの称賛を切望したり、特別な人として扱われたくて、批判されるとひどい人になります。

このナルシシズムはアメリカの特に若者の間で、多くなっているそうです。

 

feeling of accomplishment 達成感を味わうことで、self-esteem 自尊心が向上していきます。

 

 

<イギリスのテレビ番組 Supernannyと一貫性>

Supernannyというイギリスで有名なテレビ番組で、やんちゃで手に負えなくなった子供たちの家にnanny(子守)が行きます。そして子供の問題行動をなくして、家族が穏やかに暮らせるようにするという番組です。

 

そのnannyが言うには

 

They (parents) have to learn how to get control of themselves to control the children. 

子供をコントロールするために、親が自分自身をコントロールする方法を学ばないといけない。

 

親は問題行動をする子供を何とかしてほしいとnannyに解決を頼みます。しかし多くの場合、親の子供に対する接し方や子育ての仕方に問題があります。

 

大事なのは、子供の言動をしっかりと見て、ご褒美か罰かを適切に与えられるようにすること。そして何より、そのご褒美や罰は、すぐに与えるというスピードが重要です。

 

親が、今は疲れているから、みんなで過ごす楽しい時間を台無しにしたくないから、と言って子供の悪い行動を見逃すことがあったら、それでは一貫性がなくなってしまいます。一貫性はとても重要で、いつも同じことが良いこと、悪いことだと子供が分かると問題行動は減ります。

 

一方で、同じ行動が許される時と、許されない時があると子供が感じてしまうと、子供の問題行動を減らすことは難しくなります。こうなってしまうと子供は親に見られていなければ悪いことをしても良いと考えるようになり、隠れて悪いことをするようになります。

 

Consistent discipline tends to produce well-behaved children. 

一貫性のある躾が、行儀の良い子供に育つ傾向がある。

 

<赤ちゃんが泣いたら>

赤ちゃんの時に眠りのトレーニングをするのも同じことです。

日本では赤ちゃんを同じベッドや同じ部屋で、隣に置いて寝かせたりすることが一般的です。そして夜中に赤ちゃんが泣けば、すぐに抱っこしてあやしたり、母乳をあげたり、なかなか眠らないとドライブに連れ出したりと親は赤ちゃんを眠らせるために様々なことをします。

 

泣き叫ぶ赤ちゃんの声を無視することは、親にとってかなりの自制心が必要となります。泣いている子を抱っこして泣き止ませるほうが、その時は楽に思うことでしょう。しかしこのやり方では、赤ちゃんの泣き声で親が夜中に何度も起きて、子育てが大変で育児ノイローゼになるということも不思議ではありません。

 

Nearly all experts agree that children need and want clear rules. 

ほとんど全員の専門家が同意するのは、

子供は明確なルールが必要で欲しがっているということ。

 

他には一人親の家庭よりも、両方の親がいる家庭のほうが、一般的に子供をしっかりと見ることができ、役割分担もできるため、自制心を持って子供に接することができると言われています。そして自制心を持った子供に育っていく傾向にあるという調査結果が出ています。

 

日本で子供も大人も自尊心が低い人が多いように感じます。

自尊心がある大人に育つために、子育てで親が心がけたいことがよくわかった章でした。

 

次回は第10章

成功するダイエットの秘訣についてです。