2020年3月の洋書2冊目として

 

Made to Stick をご紹介しています。

 

 

今回は第3章 concrete 具体的な をご紹介します。

 

Abstract makes it harder to understand an idea and to remember it. 

抽象的は、アイデアを理解して覚えるのを困難にする。

 

イソップ童話

例としてイソップ童話の The Fox and the Grapes 「すっぱい葡萄」などが挙げられています。イソップ童話がこれほどまでに世界で読み続けられているのは、物語が具体的だからだと言います。物語でも何か伝えたいことは、具体的にするほうが抽象的よりも定着するということです。

 

 

数学の教え方

アジアとアメリカの数学の教え方について書かれています。子供が小さいときは、アジアの子供のほうが、アメリカの子供よりも数学のスキルが高いと言われています。その違いは教え方にあるのではないかと著者は言います。

 

アジアでは、引き算を教える際に、日常のものを使って文章題を出すというようなことをします。例えば、「100円持って駄菓子屋さんに行って、60円のお菓子を買いました。お釣りはいくらでしょう?」

 

こういった問題は日本で算数の教育を受けた人なら、よく見かけた問題かもしれませんが、この具体的な内容で子供がイメージしやすいから、算数のスキルが高くなっているのではないかということです。これはなかなか興味深い内容でした。

 

他には、単語を覚える際も、視覚化しやすい名詞(アボカドなど)のほうが、抽象的な名詞(性格など)よりも覚えやすいとか、差別がダメだと教えるには何が良いか、General Millsの話がありました。

 

ユニバーサル言語

機械に何か不具合があった時に、製造チームがエンジニアに尋ねます。エンジニアは実物ではなく、設計図を見て問題を解決しようとしたり、図でチームに説明しようとすることは良くないと言っています。

 

それは英語が分からない人にもっと大きな声で話したり、ゆっくりと話したりするようなことだと。チームの皆が機械のことをよく知っているのだから、機械で説明するほうが誰にとっても理解しやすい。

 

To find a "universal language", one that everyone speaks fluently. 

誰もが流暢に話す「ユニバーサル言語」を見つけること。

 

そしてユニバーサル言語は、具体的であることが大切です。

 

次回は第4章で、credible 信憑性 です。