2020年3月の洋書として
The Danish Way of Parenting
をご紹介しています。
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The Danish Way of Parenting: What the Happiest ...
1,439円
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3章
A is for Authenticity
信頼性のA
ハリウッド映画とデンマークの映画の違いから、
子育ての仕方の違いが見えてくると言います。
Most Hollywood films are intended to make you feel good.
大半のハリウッド映画は、良い気持ちにさせるように意図されている。
Danish films, on the other hand, very often have dreary, sad or tragic endings.
反対にデンマークの映画は、わびしく、悲しい、悲劇的なエンディングがかなり頻繁にある。
デンマークの映画は観たことがありませんが、「アンデルセンの童話」なら、誰もが子供の頃に読んだことがあると思います。他の言語に翻訳される際に、物語の内容やエンディングが代えられていることがありますが、本当はデンマークの映画と同じように、悲劇的な結末を迎えるものばかりです。
子供にそんな結末を見せるなんて!
という考えから様々な国では「ハッピーエンディング」を子供に読み聞かせ教えています。
このやり方は日本でも同じで、絵本の多くは「大人が思う子供に適した内容」になっていると思います。でも実際は、デンマークのやり方のように、子供にも小さい頃から現実的な内容を見せる、聞かせるというほうが良いという研究結果があります。
Acknowledging and accepting all emotions even the hard ones,
early on makes it easier to maneuver in the world.
早い段階でつらいものでも、全ての感情を認めて受け入れることは、
世界でうまく立ち回ることを容易にする。
映画や物語の中では、いつもハッピーエンディングなのに、自分の人生はこんなにも厳しくつらいものだと比較してしまったとしたら、その環境を作ってしまうことは子供にとって良くないことだと思います。以前、何かの記事で、ラブコメディを見る女性は、男性に多くを期待しすぎてしまい、関係が上手くいかない傾向があるというのを見たことがあります。それも「ハッピーエンディング」を重視するメディアの影響なのでしょうか。
もう1つこの章で大きな話題は、
growth mind-set (成長思考)と
fixed mind-set(固定思考)
簡単にいうと、固定思考というのは、「自分の能力は一定で、変わらないという」という考え方。
成長思考は、「自分の能力は練習や経験を通じて向上していく」という考え方です。
スタフォード大学の心理学者、キャロル・ドウェック教授によると
If they are constantly praised for being naturally smart, talented, or gifted,
they develop what is called a "fixed" mind-set.
子供がもともと賢い、才能があると常に褒められていたら、
「固定された」思考を発達させる。
成長思考を持っている人は、難しい問題にも立ち向かい解決しようとするのに比べて、固定思考の人は、難しい問題は自分にはできないと諦めてしまいます。
成長思考を持つ子供に育てるには、子供を褒める時に重要なことがあります。
それは「○○ちゃん、かしこいね」という褒め方をしないこと。
「賢い」と言われて育った子は、「自分は賢い」という状態を保つために、難しい問題を避けて、容易な問題を選ぶようになります。そうしないともし難しい問題に取り組んで、それができなかったら「賢い」というラベルがなくなってしまうことを恐れるからです。つまり、挑戦を避けるようになり、無難な道を選んでいくようになります。
代わりに、その子の言動を褒めることが必要です。
テストで100点とれたら、「○○ちゃん、賢いね」ではなくて、それまでに一生懸命勉強したことを褒めます。そうすることで、子供はまた別の目標に向かって練習したり、努力をして、何かを達成しようとするでしょう。
その積み重ねが成長思考につながり、大人になってからも、どんな困難なことにもくじけずに、取り組んでいきます。そしてそれが様々な分野での成功につながります。
この章はこれまでの中でも最も興味深く、考えさせられることが多かったです。
次回は4章
R Is for Reframing
Rは捉え直す
次回もお楽しみに。