10月の洋書The Culture Mapでまだご紹介が終わっていない第6章です。
The Head of the Heart
この章はまずtrust(信頼)には2種類あるというところから始まります。
cognitive trust (認知的信頼)
affective trust (感情的信頼)
ビジネスでアメリカ人は、認知的信頼と感情的信頼の間の線引きがハッキリしています。
一方で中国人は個人的なつながりや感情的信頼を発達させていき、それがビジネスにもつながっていきます。
これはrelationship-based societies (関係がベースの社会)と
task-based societies(作業ベースの社会)の区切りにも関わってきます。
task-based societies はアメリカ、イギリス、オーストラリアなどです。
このタイプの社会では、機能性や実践的かどうかによって関係が定義されます。
一方で、relationshiop-based societiesはブラジル、ロシア、インド、中国、そして日本などです。
このタイプの社会では、関係はゆっくりと築かれていき、ビジネスも同時に進んでいきます。
一度築かれた関係は強いものとなり、簡単には崩れません。
この種類の社会の例として日本の「一緒にお酒を飲む」ことが紹介されていました。
プロでない一面も見せることで、何も隠すことはないと示すことができ、信頼につながると説明されていました。
task-based societiesから見ると、relationship-based societiesの信頼構築は時間がかかりすぎると感じるようです。しかし、著者が指摘していたのは、
In many cultures, the relationship is your contract.
多くの文化で、関係が契約だ。
日本でも知り合いの知り合いなら信頼しやすいとか、契約に結び付きやすいと言ったことがあると思います。他国ではそれがもっと顕著な国もあり、全く知らない人とはビジネスの話もできないという場合も聞いたことがあります。
こういったように、relationship-based societiesで信頼を構築する、ビジネスを成功させるためには、一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりすることが良いと言われています。
peach cultures (ピーチ文化)とcoconut culture(ココナッツ文化)の分類。
peach cultureはアメリカやブラジルといった国があてはまります。
会ったばかりの人にもフレンドリーに接する傾向がある文化です。
coconut cultureはココナッツの殻が固いことからも分かるように、会ったばかりか、
長い間知り合いか、友人関係かなどによって、接し方が変わってくる文化のことです。
フランス、ドイツ、ロシアなどがあてはまります。
When you work internationally, no matter who you are working with,
investing more time in buiding affective trust is a good idea.
国際的に働く際に、誰と働いているかに関わらず、
感情的な信頼を構築することにもっと時間を投資することは良い考えだ。
著者は、この信頼関係を築いていく方法としてお勧めなのが、共通の興味や関心を使うことだと言っています。これはビジネス間でも、ホテルなど接客する側とお客様という関係でも、また個人間でも言えることだと思います。
私はホテルでの勤務時代に、このことを肌で感じました。
フロントでチェックインをする際も、お客様をお部屋まで案内する際でも、様々な場面で、そのお客様の興味や関心を服装や言動から感じ取って話題にしていました。
最後にこの言葉で締めくくられていたのが印象的でした。
Trust is like an insurance- it's an ivestment you need to make up front, before the need arises.
信頼は保険のようなもの。必要になる前に、事前にしておくべき投資だ。