9月の洋書、The Art of Thinking Clearlyの71番目から80番目までをご紹介します。
71:Alternative Blindness
We systematically forget to compare an existing offer with the next-best alternative.
私たちは一貫して、既存のオファーと、次に一番良い代替とを比べるのを忘れる。
例えば、都市計画で空き地にスポーツアリーナを建設するか考える時に、空き地のままにしておくよりも、スポーツアリーナの建設をした方が良いという議論が出ることがあります。でもこれは比較の対象が間違っていて、本当は、スポーツアリーナ以外にも建設できる可能性のある施設などとも比較して考える必要があるということでした。
手術にしても、「手術を受ける」または「手術を受けない」という2つの選択肢だけでなく、選択肢はもっと幅広くあるということを考慮する必要があると著者が述べていました。
72:Social Comparison Bias 社会的比較バイアス
自分を追い越してしまうかもしれない人に対する援助を差し控えてしまう傾向のこと。
Guy Kawasaki氏は
A-players hire people even better than themselves.
B-players hire C-players so they can feel superior to them.
A選手は自分よりもできる人を雇う。
B選手は自分が優れていると感じられるようにC選手を雇う。
彼のこの言葉はとても理解できます。
一時の感情としては、自分が人より優れていると感じることは気分が良いでしょう。でも長期的に見れば、その中でいても自分は成長しないし、むしろまわりに合わせようとすることで、下がってしまう能力があるかもしれません。
他にも、その場で一番賢い人であってはならない。というような言葉を聞いたことがありますが、これも同じで、常に自分の周りに尊敬できる人、何かの分野で秀でた人など、自分より何かができる人がいることは良いことだと思います。
73:Primacy and Receny Effects 優位性と最新性の効果
これは本を読んでいて特に興味深いなと思いました。
私の実際にこの効果を実感したからです。
Alan is smart, hard-working, impulsive, critical, stubborn and jealous.
Ben is jealous, stubborn, critical, impulsive, hard-working and smart.
この2文を読むと、アランのほうが良い人そうに感じませんか?
でも実際は2人の説明は全く同じで語順が変わっているだけなんです。
脳は、最初のリストにある最初の形容詞に注意を向けるので、2人が異なる性格であるかのように感じさせられるのです。なんとも興味深い。
それから、
The more recent the information, the better we remember it.
情報が新しければ新しいほど、それをよく覚えている。
つまり、最初の印象と最後の印象が強くなるということです。
74:Not-Invented-Here Syndrome ここで開発されていない症候群
自分で作ったものは何にも負けないと思うこと。
確かに自分や子供が作ったものや、描いた絵などは他の誰が作ったり描いたりしたものよりも優れていると感じるものですね。
75:The Black Swan ブラックスワン
wikipediaの説明が分かりやすかったのですが、
ブラックスワンとは、マーケットにおいて事前にほとんど予想できず、
起きたときの衝撃が大きい事象のことです。
76:Doman Dependence 依存領域
眼識は1つの分野から別の分野に渡らないということ。営業スキルも製品を売るものと、サービスを売るものでは全く違うスキルが必要とされます。
例であげられていたのは、カップルのセラピストはよく、クライアントよりも繊細であったりします。
そして、頭では分かっていたり理解できていたりしても、実際にやってみると全然違うということもよくあります。
77:False-consensus Effect フォールスコンセンサス効果
Believing that everyone else thinks and feels exactly like we do.
みんなが私たちと全く同じように思ったり感じたりすると信じること。
もし自分の意見を共有していないと、その人達をアブノーマルだと決めつけたりしてしまいます。人間の本質というか、こんなふうに感じることはよくあると思います。
78:Falsification of History 偽史
自分が覚えていることの半分は間違いだと思っていたほうが良いぐらい、人はよく忘れるものだということです。意図的にそうするつもりはなくても、実際に起こったことと、自分が覚えていることが違っていることも多いということを知っておくだけでも、捉え方が変わってくるかもしれません。
79:In-Group, Out-Gropus Bias 内集団、外集団バイアス
80:Ambiguity Aversion 曖昧さ回避
The term risk and uncertainty are as frequentyl mixed up as cappuccino and latte macchiato.
リスクと不確実性は、カプチーノとラテマキアートと同じぐらい頻繁に混同される。
この表現がなかなか面白いなと思いました。
リスクは可能性が分かっている。
不確実性は可能性が分かっていない。
いよいよ9月の洋書も終わりに近づいてきました。
この本を読み進めながら、来月の洋書を選ぶのも楽しんでいます。