なぜ飛行機が墜落するのかについて書かれた第7章。

 

7月の洋書としてOutliersを読んでいます。

今日で7月が終わり。

あと1章あるので、8月にも紹介します。

その後で8月の洋書を読んでいきます。

 

さて、第7章は、

The Ethnic Theory of Plane Crashes

飛行機墜落の民族理論

 

1997年8月5日、大韓航空の801が墜落し、乗客254人中228人が亡くなりました。

その頃、大韓航空は飛行機墜落事故が他の航空会社と比べて何十倍も多かった。

 

大韓航空を例に、なぜ飛行機が墜落するのかの仕組みについて説明されていて、とても興味深い章です。

 

The typical accident involves seven consecutive human errors.

典型的な飛行機事故は、人間のエラーが7つ続いた時に起こる。

 

墜落の52%は、事故時のパイロットが12時間以上起きていた時に起こる。

49%は2人のパイロットが以前に一緒に仕事をしたことがない。

 

飛行機が墜落した際に、コックピットでの会話を録音したものを後で心理学者が聞いて分析します。

その結果、チームワークやコミュニケーションのエラーが多いとのこと。

例えば、経験が長いパイロットや役職が上のパイロットなどが操縦しているときに、何か間違いやおかしいと思うことがあっても、若いパイロットは言えないことがあります。

 

または、言うことができたとしても、なんだか自信なさげに、申し訳なさそうに言うので、そういった発言を無視して、たとえ間違った判断だったとしても経験の長いパイロットが自分のやり方を貫き、事故につながってしまうこともあるそうです。

 

こういった問題を解決するために、パイロットがお互いをファーストネームで呼び合って発言しやすいような環境作りをしている航空会社もあります。

 

他にも、Hofstede's Dimensions ホフステッドの指数が紹介されています。

Power Distance Index (PDI)上下関係の強さが高い国や文化ほど、上記の問題で飛行機事故につながりやすい。

 

アメリカはこのPDIが最も低く、グアテマラが最も高い国です。

 

先ほどの大韓航空の飛行機事故も、このPDIが高く、上下関係を気にして若いパイロットがしっかりと的確な発言ができていたら、防げていたかもしれないと言われています。

 

飛行機の中で、パイロットが発言する際に、的確に相手にメッセージを伝えられるようにaviation Englishというものを学ぶことで、文化や国が違っても、的確なコミュニケーションができるような対策もされています。

 

飛行機事故のニュースを聞いても、ここまで深い情報や理由を知ったことはなかったのですが、この本の7章を読んでとてもよく分かりました。