光の海に 悠々漂うボトルの中の
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もうひとつのまどろみ、私

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「うん」
 彼女が昨夜の騒音についてあれこれ話をしている。私にはどんな返事も思い浮かばず、ただただ咀嚼を続ける。どうも彼女には隣人が壁が叩いている様に聞こえていたらしい。美味しさを飲み、乗っかって一言告げる。
「嫌なことでもあったのかもな」
 逃げている。どんな風に伝えればいいのか。判らない、長らく探してけれども。また、本当に伝えなければいけないほどのことなのか、どうか。何が。

 ふと彼女が伏し目になる。咲く睫毛が麗しく、心乱される。その意識は流れる音楽と同様に、この部屋をふわり漂っているらしい。物思いに耽るそれに見惚れつつ、私は山のようなキャベツを胃に落とし込んでいき


 灰が溢れて、皿が滲んだ。


「凄く、気持ちよかった」
 何を言っているのか。楕円の瞳が私を詰ろうと領域を広げる。猫は好きだ。
「実は、やっちゃってさ、あいつ、寝込んでしまって、妹と母親が看病してて、見舞いに行っ」
「ふぅん」
 桶売りは儲からず、肌は汗を纏う。不器用に面を歪めてみた。歪める面が無かった。


 風に吹かれるように、灰がうねりを見せつけて去っていく。


 ナルコレプシ。ナルコレプシ。私が応答した。彼女は応答せず、まだ考え事をしているらしい。眠くなったなら寝ていいよ、食器洗っておくから。と、言う。マネキンが動くのをメンチカツと待つ。なぁ、メンチカツ。近頃たびたび奇妙で不可思議、背徳的な夢を見るんだが、これは何を表している? メンチカツ? 答えられる訳無いよな……
 と、傀儡が微動した。思考が袋小路に入っていて呼吸まで不自由するほどだったらしい、今、息をしている彼女。
「大丈夫? 眠くなったなら寝ていいよ、食器洗っておくから」

 大丈夫。私は言い聞かせた。もう終わり。




(log=10_1216)

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というお話でした。

暑くなってきました。

アイス食べたい



スイカバーか、アイスの実か

練乳たっぷりみぞれ(*´﹃`*)

食べたいよねー