日本が直面する課題はいくつかある。一人あたりGDPがもはやアジアのトップではなく、今後もさらに低下が予想されること。少子高齢化を原因とする人口減、人口構成の高齢化(4人に一人が75歳以上となる日も近い)。こういった社会の変化をうけてさらに豊かな未来を創っていくにはどうすべきか。過去に歩んできた工業国としての発展は難しい。すでに就業人口は第三次産業に流れているし、今後の人口構成をみても高齢者が増える一方の中で工業従事者が増えるとは考えにくい。このような背景だからこそ、サービス業従事者の給与レベルを向上し、サービス業立国として豊かになっていくことが必要なのではないか。
観光を誘致するには、その地域地域で何を核にするのかを明確にする必要がある。歴史、医療、産業、農業など地域ごとの強みがある。そこを核にとして、ではどのようなクラスターがあれば観光が「産業」として発展していくのかを考えていくこと。観光産業はすそ野が広い。運輸、観光、宿泊など一般的に想像する産業だけでなく、飲食、農水産業なども目指す観光のスタイルによっては関連産業となりうる。だからこそ、しっかり観光の核となるものを考え、そこから必要な産業を接着し大きなクラスターに発展させていくことが必要となる。
