僕らは
ただぼんやりと水の中を漂っている


居心地の良い水の中を


水の中だから当然苦しくなる

だからたまに顔を出す

すると


空気が澱んで

周りがよく見えなくて

水の中より苦しくて

また水の中を漂う


「いつまで起きてるの」


その声で上から引っ張り上げられるけど


どうしても
どうしても


水の中の方が気持ち良くて

痛いことも

辛いこともなくて



それじゃ生きられないと知りながら





手に持ってるものでは

助けられない


知ってる知識では

呼吸すらさせられない


どうしたら

どうしたら

どうしたら


考えても


考えても


考えても



夕日の為に

生まれたような

ひぐらし



瞬く間に

命を歌う

ひぐらし



哀しくそれでいて切ない

まだ夏はこれからなのに