歯科助手だったあの頃のクセが抜けません
前歯用の鉗子で奥歯に挑む先日、半分に割れてしまった奥歯の片方を近所でもう三、四年定期検診で通っている歯科医院で抜いてもらった。そしてひと月ほど開けて、もう半分を今日抜いてもらったんだが元々歯科医院で勤めていたことがあるためじっとその処置について観察してしまう。前回の欠けてしまった歯の抜歯については歯根がない歯茎から露出している欠けた一部を除去するので、先生が使用していた鉗子が上顎前歯用であることに『あれ?』とは思ったがまあ、そこまで力がいらないからそれで間に合うのかなぁなんて思いながら見ていた。しかし、今回は臼歯の歯茎下の根っこを抜く。当然、上顎大臼歯用の鉗子が出てくるのを私は期待するのだがなんと前回と同じ上顎前歯用。歯科医院に17年勤めていた私は受付であったけども最初の3年は助手もやらされていたので歯科医師の器具の準備には目を光らせてパブロフの犬のごとき反応をしてしまう癖が抜けていないことを退職からもう7年経っているのに気づく。うのふ心の声:『鉗子、前歯用だよ!奥歯にアプローチするときやりづらいよ?』画像はお借りしました思った通り、先生は私の奥歯に鉗子を突っ込む前に2、3度前歯に鉗子をぶち当てる。うのふ心の声:『上顎前歯の鉗子でやると物理的にそうなるから…元勤めていたところの院長が間違えた鉗子だすと激おこぷんぷん😡になってた意味が今わかるわ』そういえば神経質な院長が良く言ってた。『治療中の歯科医師は、F-1ドライバーが運転中なくらい視界が狭くなってるから助手がしっかりしててもらわないと困るんだ!』いや、歯科医と視界をかけてるって話?大体F-1ドライバーのメンタル状態なんて今の今まで考えたこともないからよく言ってる意味がわかりませんけど…とあの頃は怒り狂う院長を冷ややかに見ていた罰が今ここで己にあたる。まあ、それでも麻酔もよく効いているし我慢できるぐらいの不快。鉗子が無事に大臼歯に届きひねったり引き抜く先生の力にびくともしないしぶとき私の左上6番。うのふ心の声:『あがあがあが…まずさ歯槽骨から根幹剥離させんと?なんだっけ、あのドライバーみたいな器具の名前。ヘーベル、ヘーベルだして!』前歯用の鉗子の可動域を最大限にするため私は馬鹿みたいに大口を開けながらテレパシーを必死に歯科医師に送る。歯科医師ははたと気づいたかヘーベルをかざすじゃーん一番極細ストレートのヘーベルがお出ましや!うのふ心の声:『いや、それ細すぎんくないかい?大臼歯の時それ持ってくると元院長ブチ切れてたよ、F-1ドライバー並みに?もうこれ以上大きな口は開けられないわよ、わたし』もじもじ、いじいじ、それで遠慮がちに患部を探る歯科医師。彼の鼻息だけを薄目をあけて聞き入る私。どうだろう、ちっとも根幹が剥がれる兆しがなくすぎる時間は5分ほど。先生の鼻息がこの五分間どんどん荒くなる。そりゃそうだだって道具が貧弱すぎるもん。もうその極細ヘーベルを選んだときからこの歯を抜くために一番必要となるのは君の腕力年頃同じくらいの先生の眉間の皺が深くなっていくのを薄目で見つめるきみの悪い私。もう諦めかけたその時にスナップ音がするYes!歯抜けクリニック!そんなどうでもいい掛け声をあげたくなった。会計の時に領収金額が大体3,000円から4,000円かなと思い財布を開いて一万円札を準備する。受付嬢:『今回のお会計、19✖️✖️円になります。次回の予約は、8月…』うのふ心の声:『やっす!おっそ!』機材が最低限なのも驚いたが痛み止めも院内処方なし抜歯後の予約って翌日に取っていた私の元職場のことを思うとびっくりする対応だったふと会計を済まして振り返った先には優秀卒業生に贈られるたてがデスクに飾られていた。西の国立大の歯学部の名前優秀な成績で卒業されたようなことがわかる記念品だがそれを見てふと思う。無駄なことは省いてくれるが元上司を上回る倹約家なのだなあと。元上司の歯科医師さんは私学大卒です。よく長年勤める衛生士さんに元職場の院長は新しいモノが出るとすぐに購入する癖やめた方がいいよ?と叱られてたことを思い出す。←太い魂だ笑まあ、何がいいか悪いのかって最終的に患者と医師の相性なのかなと思って19才以降の初めての抜歯を問題なく終えた私は帰ってきたのである。本日もお読みいただきありがとうございますうのふ