辛口なのは太陽のせい​

昨日朝5時出発で

おっかなびっくり車を運転して

中部国際空港へ一人で向かう。


7時25分の羽田行きの飛行機に乗ると

たったの40分で着いてしまう。


飛行中に考えていたことは以下のとおり。


こりゃあいい!

マイル消化に一番効率的だし

(まあ、

そうとは知ってたけど

夫がどうも

気圧変動に弱くなってしまったので

商品券にしてたのよ

ここ数年は。)

なんなら着工し始めた地元と東京を結ぶ

リニアよりも便利じゃんか。


とのちのち

このいつものあたしの短絡思考を

覆すような

エンディングが待っている

そんな旅でした。




今回私が東京に行った理由は

現代アート作品のオークション見学@代官山と

横浜パシフィコで開催されてるイベント

東京現代

https://tokyogendai.com/ja/


あと朝早くに東京に着いてしまうため

久しぶりに森美術館にも行きました。


こんなんやっておりました↓




で、

アフロ繋がりといえば

かねてより食べたい欲にかられてる

エチオピア料理のインジェラを出してるお店が

東京にはないのかなあと思いまして。


調べてみると

目黒区に老舗アフリカ料理店、

四つ木にもカフェバースタイルのところがあるみたい。


ただ夜営業のみで

注文は3名さまからとか

発酵に時間がかかるから

1週間前に予約しろとか

なんだか日本で食べるにはいろいろ難しいw



しかし一軒、

⚪︎⚪︎駅(敢えて伏せます)に

ランチで予約できるところを発見💡

早速予約しました(嬉)!


遡ること数年前、

私とインジェラの出会いは

以前の仕事でドイツ・フランクフルトに

出張した時でした。


会社がフランクフルトで毎年行われる

アンビエンテという

商品見本市に出展しておりまして

現地ドイツ語通訳の日本人の方(あたしと一つ違い)

がいてアフリカンフードが

西洋人美食家たちの間でキテる!

とか何とか言って連れて行ってくれました。


なのでそれが

本格式なのかどうかは分からないですけど

なんか一口食べたときに

わー何て懐かしい味…

よく原材料わからんけど

身体が喜んでる感じがする!

と思いまして。

(どこまでザクッとした食レポなんだw)


フランクフルトの町はずれにあったんですが

まあまあ、店内黒人さんばかりで

二回目からは同伴していた社長が非常に嫌がる

っていう悲しい反応でした。


見た目雑巾、

味はゲロなんて言われる

このインジェラですが、

社長もそう思っていたんでしょう

それを喜んで食べているわたしを

気持ち悪そうに見ていました。


で、ちょっとWikipediaから

この食べ物の説明を引用してみましょう。


インジェラアムハラ語እንጀራ)は、

エチオピア主食として食べられている食品である[1]

起源は古く、

史料の中には紀元前100年には、

すでに存在していたと記す物もある。



ほらね?

紀元前100年から食べてたんだよ?

身体が喜ばないわけがないじゃないですか(力説)

人類はアフリカ大陸から始まったのですから

(太古すぎやしないか)

だから社長は間違ってる

(私の器ちっちゃすぎやしないか)


まあ、

そんなことはどうでも良い余談なのですが

余談ばかりなのが当ブログでありまして。




さて、

⚪︎⚪︎駅をおりて徒歩10分くらいにある

そのレストランにわたしは

この灼熱の中歩いて行った。


もう暑くて暑くて

ここはエチオピアじゃないか

ってな幻覚が見え始めたところでお店に到着。


インジェラをご注文のかたには

サービスでドリンクを一杯おつけします

なんて可愛らしい色白の店員さんが言うので

喉の渇きを潤したいばかりで

メニューの一番上の白ワインを指差します。


これを飲んでいるうちに

あ、ちょっと

アルコールの回りが早いな私

とか思うんですけど

日帰りの夜のこと

運転して帰るまでに

まだ9時間あるのでよしとしようとか思う。


そんな酔った頭で

窓辺の観葉植物を見ていると

青々とした笹の葉がガッツリ光合成!

とか言ってそうとか想像しちゃうんですよね。

それくらい

その席は日差しがキツいとも言い換えられる。


暑いな

この席…

と考え始めて

ピッチャーの水も飲み始めるんですが

15分くらい経った頃に

先ほどの色白ウェイトレスさんがやってきまして


そろそろインジェラが

出来上がって参ります


とか言いにきた。


いや、

こっちはもう出来上がってるんだけどね?

と答えたいのをグッと我慢する。


だって初対面の東京人にそんなこと言ったら

ダサいわね田舎者!

と思われるかもしれないじゃないですか。


さてしばらくするとでできたものはこれ




いや、さすが3000円代のボリューム感ですよ。


わたしの席の後ろにいたアラフィフ女性の二人が

なにあれー!!!

なんかすごーい!!

とか言ってるくらいですからね…

見た目のインパクト大。


ちょっとフランクフルトで食べたインジェラと

比較してみましょう。



なんか…

全然違う。


before after な感じっていうの?


インジェラin Japanはよそいきな感じに対して

インジェラin Frankfurt は普段着な感じ。


インジャパンは動物タンパク質多めで

インフランクフルトは菜食主義者の極み。


ちょっと見た目のあまりの違いに

フリーズしていると

ウェイトレスさんが


あの、

こちらは食べられたことはございますか?

と聞いてくる。


ええ、数回ですけど…

と答えるとそれでは説明しなくてもいいですね

なんて言いながら去って行く。


食べ始めはやっぱりインジェラからです。


うん、これよ!

このちょっと酸っぱい生地に

気泡のたくさん浮いてることで

スポンジみたいで美味しいのさ。


ドイツのサワードウの黒パンのような風味と質感がクレープみたいになっててほかほかしてる。


満足げにその味と食感を頬張っていると

後ろの席の女性らが

あの食べ物なんですか

あんなに大量に食べられるものなんですか

とウェイトレスさんに質問している。


ウェイトレスさんが

女性お一人でペロリと召し上がりますよ

栄養価が高いグルテンフリーの発酵食なので

美容にもいいんで女性に人気なんです。

調理に時間がかかるので

ご予約を取られる方がいいかと思いますが

とか言っているのが聞こえる。


女性客らは

なにが何でもあれを食べたいモードになり

どれだけでも待つので

私たちも注文しますと仰ってるじゃない。


こんなことを横聞きしながら

今度はよそいきトッピング部分を食べ始める。


あ、

これは辛い。


これはアフリカ料理というより

インド料理とメキシコ料理の中間みたいな。


窓から燦々と降り注ぐ日光の中で

そんなスパイシーなトッピングを食べていると

だくだく汗が出てくる。


すると後ろの席の女性たちのテーブルに

お待ちかねのインジェラin デリー、

もしくは

インジェラin メキシコ・シティー

が運ばれてきた様子。


わー、

今日来て良かった!

こんな珍しいものが食べられるなんて


と女性客らは盛り上がっておられたが

それに付け足すようにウェイトレスさんが言う。


うちのシェフは

元エチオピア大使の料理人をやってた方なんです



私は思った。

元大使の料理人とは…


インジェラの上に

カレーやタコスがのってることが許せなかった

のではないかと。


そんなことを考えながら

二杯目ピッチャーの水を飲み干して

店を出ようとしたら

店の奥にいたかと思われる小学生が

初めてのアフリカ料理の感想を聞かれてこう答えた。


ちょっと辛かった!


たぶん

大使

日本人小学生

わたし

皆同じコメントをしたような気がする。



本日は少し辛口ブログとなりました。


全く関係ない話ですが、

カミュの小説『異邦人』のなかで

ムルソーさんが殺人動機を太陽のせい

と言ってしまった

あの気持ちをここで体験した

七夕前日の私を

どうぞお許しくださいませ。


皆様はくれぐれも熱中症に気をつけて

お過ごしください


うのふ