部屋で一息ついた後,チェックイン時にフロントからもらった小倉駅周辺の飲み屋マップを見ながら夕食をどこで取るか決める。「こんな豪華な部屋で少しでも長く過ごしたいからコンビニ弁当もいいかな,ドでかいテレビを観ながら人の目も気にせず食べれるし・・」と一瞬思ったけど,小倉まで来てそれはないだろうと。

 

 小倉駅1階に一人でもゆっくりと食べれる居酒屋があるらしいが,久々に2次会の女の子と話せる場所が近くにある居酒屋に行こうと決めたバカな俺(笑)。小倉駅から歩いて行ける距離だったけどモノレールが通っていたので,記念にあえてモノレールに乗る。小倉駅内はもう何度も往復しているし,わかりやすい案内板だったからモノレールの切符もすぐ買えたけど,切符に印刷されたQRコードを読み取り機とは違うところにセットしたので少し自動改札口に戸惑う。小倉駅から1か所目の「平和通り」停留所で降りて,まずはトイレへ。モノレールのトイレはJR小倉駅よりも非常にキレイだった。

 

 

 

フロントでもらった飲み屋マップを記憶しながらお目当ての居酒屋を探す。その店に決めた理由は「カウンター席もあって気さくな亭主だから1人で来ても安心」というのがあったから。ところがいくら歩いてもそのお店が見つからない。マップを見ながら歩いていると明らかによそ者だとわかるから,時折見るんだけどどうもわからない。目印になるようなでっかい居酒屋や銀行が何故かこのマップに載っていなくて,自分が今どこにいるのかさえもわからない。大通りに出てはモノレールが通っている方向を確認しながら歩くんだけど,それでもわからない。結局,モノレール降りた平和通まで戻ってきた。「わかんねぇ,何処だよ~」と思いながら歩いているとふと,「平和通り5」というバス停を見つける。実は平和通りというバス停は1~5まであって,それをマップで確認すると,どうやら俺はお目当ての居酒屋とは道路を挟んだ反対側をずっと歩いていたことがわかる。

 

 

 「なぁんだよ,時間と体力の無駄だったじゃん」と,慌ててモノレールの歩道橋を渡って反対側の街並みを歩く。やっと正しい方向がわかったものの,それでも迷ってしまう。マップで「平和通りバス停2と3の間の路地を歩く」を確認するも,似たような店の名前もあってわからない。それでもようやく見つけて店に入るとなんか,ビックリしたような顔をされる。

 その居酒屋を結果論から言うと,マップに書いてあるほど亭主はあまり気さくじゃなかった。注文した料理は手作り感あって美味しかったし,そこそこ話はしたけど,そんなに話かけてくれなかったし,むしろ常連さん?的な人とよく話をしていた。記憶にあるのは,コロナで自粛していたから居酒屋の生ビールを何年ぶりかに飲んだことと,店内で放送していたサッカーの親善試合?で日本があっという間に4点も取り,店内と同様「一方的で盛り上がれねぇなぁ」と。

 

 居酒屋を出て,マップに書いてある「若い女性スタッフが丁寧に接するから1人でも気軽に飲める」というフレーズが気に入って「A」というお店へ行ってみる。21時オープンとのことで,居酒屋出たのがまだ20時過ぎだったから,とりあえず場所だけでも確認しようと歩き出す。この時間帯になるとスーツ着た客引き野郎たちや無料案内所とかオープンし始めるので,そいつらに捕まると面倒くさくなるから尚更マップ見ながら歩けなくなる。だからホント,チラッとマップを観ては記憶で歩いていく。

 

 

 

ところがまたこの「A」店が見つからない。大通りには客引きがいないから一旦大通りに出てはマップを確認するが,また自分がいる場所がわからず,「あそこに信号があるから,今いる場所は多分ここで,ここから3つ目の交差点を右に曲がって,そこから右側お店」と記憶して歩くものの,歩くたびに「あれ?俺,今何本目の交差点を歩いたんだっけ?」と。俺ってこんなに記憶悪かったか?と思うくらい,何度もマップ見て記憶したはずのことを忘れてしまう(数日後に気づいたことだが,居酒屋で生ビール4杯飲んだ後に歩いているから酔っぱらって記憶できなかったのだろう)。

 

モノレールで降りた平和通り停留所まで一旦戻ってトイレを済ませ,モノレールの終電時間を確認。また「A」を探して歩き出すが,それでもまだ探し出せない。それこそ40分ぐらいその付近を彷徨い,客引きらしき男から,(俺1人だからロイヤリティも少ないだろうから)明らかにやる気のない小声で「どぉっすか,綺麗な女の子がいっぱいいますよ」という声をかけられるも無視してひたすら探す。「A」店は地下1階にあるらしが,殆どのビルの看板は地下のお店を書いていなから探し出せない。「もういいや」と何度も思ったけど,もう小倉に来ることないだろうから,ここで諦めると,後で一生後悔しそうだから意地で探した。