思い返せば彼女から最後のメールが届いたのが一年前の十五夜。やはりあいにくの天気で月が見られないことをブログで嘆いたら「こっちでは見れるよ」と綺麗な月の写真を添えてメールを送ってくれた。
オレが死にそこなって大阪を離れてからも彼女は心配してくれていて、ブログをチェックしてくれたり、こうして時折メールもくれた。
「ありがとう。綺麗だぬ」と返信した。
「だぬ」というのはずっと前、彼女がメールで「~だね」というところを打ち間違えて「~だぬ」と送ってきた。
そのメールの返信にオレもわざと「~だぬ」と返したら彼女にバカ受け。それ以来、オレたちのメールは「~だね」というのを「~だぬ」と言ってきた。
「だぬって久しぶりに見た。懐かしくて涙が出てきたよ」
この返信を読んで、「あぁ、本当にオレたちは終わったんだな」と気がついた。
「懐かしい」と思うのは、それが過去のことだからだ。
そのメールに返事は送らなかった。
きっと彼女も気がついたんだろう、それ以来メールは届かない…