それは学校宛にある女性から手紙が届いたという事でした。その内容は、高校受験の模擬テストで我が高校で行われました。その際、たまたま机の中にあった自分の書いた小説を見た方から「ぜひ続きが読みたい。その後の展開が楽しみです。」との内容でもありました。その女性は大胆にも学校宛に手紙を出した事に当事者の私としては驚きでもあった。


そして「ぜひお会いしたい!」とのコメントが添えられていた。


担任から「お前どうする?」と聞かれたときには、とっさに「ハイ」と応えたように思います。

彼女は浦和一女に入学した才女でもあり、彼女の招きで一女の文化祭に伺ったことがありました。しかし男ばかりの家族と男ばかりのクラブ活動中で育った自分には、女子高の雰囲気に圧倒され、すごすごと帰って来てしまったことは今でも後悔している話です。

結局、彼女とはその後連絡もなく途切れましたが、小説は自分なりに完成をしました。石坂洋次郎とまでは行きませんが、誰にも発表することもなく、いつの間にやらどこに行ったのか、今ではまったく判りません。


私が文学の道で大成をしていたら「未発表作品」として大変な存在になったはずです。残念ですが、高校を卒業して今の仕事についてからは、自ら小説を書くまでには至りませんでした。いつかはペンを取りたい!と考えていた事が今回の自伝を書く要因にもなってきました。