私が両親から教わったことが今でも自分の信念の中に息づいています。
父は曲がったことが大嫌いな一つ筋の入った男気のある人でした。
その反面、母は人付き合いが上手く、常にいろいろな人が我が家に訪れていました。そんな中に呉服屋のお兄ちゃんが良く我が家に来ていました。面倒見の良い母に相談することが色々有ったようで、私にとっても兄貴のような存在になりとても可愛がってくれました。
今考えると、決して豊かで無かった我が家に呉服屋の御用聞きが出入りしているのも不思議でしたが、母の笑顔や面倒見の良さに救われた一人だったのかもしれません。
その彼の故郷が御殿場の近くに有りました。2年生の夏休みに、彼と共に里帰りをすることになりました。その家庭には私と同じ年齢の子供がいて、川遊びを一緒に付き合ってくれました。今でもその川の流れは新鮮で最高の思い出として残っています。 ヤスで魚を突くことを教えていただき懸命にチャレンジするのですがなかなか上手く出来ません。悪戦苦闘すること数時間あまり、やっと一匹の魚をゲットすることが出来たとき、その喜びを鮮明に思い出されます。私が釣りの世界にはまるきっかけとなる栄えある一匹目のゲットになった訳です。
その夜は、長い間その話しで持ちきりとなり、遅くまで友達と大騒ぎ!やっと寝床につきました。
翌日目が覚めると、なんと大事件「おねしょ!」です。
冷たい水の中で長い間遊んでいたのがたたったのでしょう。サー大変です!
どうしてよいかわからず、そっと布団をたたんで抜け出してきました。
朝食を食べ終わり、帰る支度をし、お兄さんと門まで出ると、なんとその布団が干されていました。その家族の方からは何も聞かれることも有りませんでしたが、だからいっそう恥ずかしさと惨めさでお兄さんに告げることも出来ず、情けない気持ちで一杯でした。
帰ってきて、母からそのことについてお兄さんから報告があったらしく、こっぴどく叱られました。
自分が犯したことについてなぜ素直に謝らなかった!と激しく叱られた。