古い物にはパワーがある、と思う。
持ち主が「これ、捨てようかな、置いておこうかな」
と迷う場面がある。
古い物は幾度も捨てられてしまう危機を乗り越えている。
それが今もそこにあるのは
手元に置きたい、と思わせる魅力があるから。
魅力がある物は時代を超える。
それを愛用していた人の思い出も魅力に加わる。
八十年前、私の祖母が婚礼の日に締めた帯。
きもの好きの私の母が姑から譲り受けた。
帯は私をコントロールするかのように
私の家で居場所を作った。
私の次の世代は、あてはないが・・
帯は行き先を自分で探すような気がする。