著者: 宇野 千代
タイトル: 幸福を知る才能


OLしていた時は
自分のことは、なるべく自分でしようと、思っていた。

リハビリ病院に入院したら、自分で自分のことはできなくてもよかった。
トイレも入浴も、「手伝いましょうか?」と言ってくれる。
結局全部自分で出来たけど
「そうか、出来なくてもいいのか!」と思った。
そのかわり、なにかできることはあるのか?
と思ったけど、なかった。

失語症だったので、言葉の発音を確認するのに
「しゃべったもの勝ち」でしゃべりだした。
自然に、自分から話しかける人になっていた。

以前は気分で人から声をかけてもらうまで

だまっていた時もあった。

忙しかったし、考えることがいっぱいあったから
人と出会うたびに、いちいち話してられなかった。
かしこいOLが、図々しいおばちゃんに変身したが・・・

今はこのほうがラクなの!

よく考えたら、私にできることは今も人の話を聞いてしゃべることだけ。
知らない間に、そういう人たちから助けとパワーをもらう。
私も人にパワーをあげているらしい。

このキャラ、手放せないぃ♪