1.つめのお手入れ

犬のつめは放っておくと、足の裏に向かって曲がって伸び続けます。最後には肉球に達するまで伸びてしまって、皮膚に爪が食い込んで破れ、化膿してしまうことがよく起こります。

室内で飼われている場合、自然につめがすり減っていくことはなく、運動量が少ない犬ほど爪は長く伸びます。つめが伸びれば、つめの中の血管もいっしょに伸びていくので、定期的につめ切りをしなければなりません。
専用のつめ切り(ギロチンタイプ、ニッパータイプ)を使います。

つめが黒い色の場合、どこまで血管が通っているのかがわかりにくく、深づめしてしまうこともあるので、一度に切らずに少しづつ切っていきます。

切ったつめの角は、ヤスリで滑らかにして、カーペットなどにひっかかったりしないようにします。
前足の爪を切られるのをいやがる犬が多いので、うまく切れない場合には、トリマーに頼むようにしましょう。

2.パッド(肉球)のお手入れ

足の裏の毛が伸びて、パッド(肉球)をおおうようになると、床などで滑って転んで、股関節脱臼や骨折の原因になってしまいます。

また、パッドの間の毛が汚れたり、濡れたりして不潔になっていると皮膚病やダニの寄生の原因にもなります。
定期的に足の裏の毛をカットして、パッドが露出するようにします。

パッドは、乾燥するとガサガサになり、ひどくなるとひび割れします。そんな時には、ラノリン油かオリーブ油、あるいはパッド専用のクリームを塗ってあげます。

3.耳のお手入れ

しきりに首を振ったり、うしろ足で耳をかいている時、耳をのぞくと黒い耳あかがあるようだと、外耳炎や耳かいせんの寄生かもしれません。たれ耳の犬の場合には、耳の中の汚れがひどくなっていても気づかないことがありますので、注意して下さい。

専用の洗浄液を耳の中にたらして、耳のつけ根をもんであげます。犬が頭を振ることで、耳の奥の汚れは自然に排出されます。

綿棒でゴリゴリすると耳を傷つけてしまいます。耳の中は奥に入るほど粘膜に近い状態なので、手加減が強すぎると炎症を招くことがあります。

シャンプーする時に、お湯が耳の中に入らないようにしましょうと言われてきましたが、打ち落とされた水鳥などを泳いで獲ってくる使役犬もいるぐらいですから、耳に水が入っても問題はない、逆に耳の中をジャブジャブ洗ってしまいましょうという考え方もあります。


耳の中を洗った場合には、よくすすいで、シャンプー剤が耳の中に残らないようにしましょう。

また、耳の中の毛を抜くことも耳のお手入れのひとつです。耳の中の毛は抜けやすく、犬はそれほど痛がりませんが、一度にたくさん抜かず、少量ずつ何回かに分けて抜きます。