しつけは子犬がやってきたその時から始まります。
よいことをほめ、だめなことは叱るといった一貫したしつけを、家族みんなで実行して下さい。
「犬のしつけ方教室」に家族全員で参加してもらいたいのはそのためです。

1.アルファシンドローム(権勢症候群)にしないために。

かわいいからと甘やかして、好き勝手させると子犬は飼い主の言うことをきかなくなります。
子犬が初めて家にやって来た時に甘やかすと、「自分は家族より上位だ」と理解して、家族を下に見て、従わなくなるのです。

2.あなたが上位だと理解させるトレーニング

(1)アイコンタクト(子犬と目を合わせる)

あなたと目を合わせるとよいことがあると子犬に感じさせます。あなたと子犬の間に強いきずなを作る第一歩です。食べものの小さな粒を子犬の鼻先に持っていって、匂いをかがせ、それをあなたと子犬の視線上に置いて、目が合ったら、名前を呼んでそれを与えます。

(2)だっこ

子犬をだっこして、あなたの腕の中でリラックスするようにします。
子犬を背中向きにあなたのひざの間に座らせ、うしろからやさしくだっこします。
暴れたら、少し強く抱きしめて、おとなしくなったら力をゆるめます。
身をまかせるようなら、安心してリラックスしているということです。

(3)マズルコントロール

マズル(口吻)を片方の手でやさしく包みます。やさしく声をかけながら、マズルをやさしく上下左右に動かします。「いじめられている」と思わせないようにしますが、「嫌がれば自由になる」ということにならないように、嫌がっても止めてはいけません。

(4)タッチ

子犬を体のどこを触られても平気なようにします。
最初は、気持ちのよい胸や首筋から始めます。横向けに寝かせたり、耳、口、しっぽを触り、仰向けにしておなかをさすります。体を触られても、安心して身をまかせてもいいんだということを覚えさせます。

(5)悪いことをしている最中か、直後の1秒以内に罰しないと効果はない。

犬には人が持っている時間の概念はありません。何か悪いことをしても、すぐに罰しないとなぜ叱られたかを理解できません。「罰として食餌を与えない」、「散歩に連れていかない」などの罰は意味がありません。