大晦日。
もう2016年も終わろうとしています。
年間を通じて色んな音楽を聴くことになるのですが、当然ながら、今年一番心に響いた音楽というのがあるわけで。
何が心に響いたのかというと、日本の「afro parker」という生音のヒップホップバンドの音楽が心に響いたわけで。
メンバーは全員、現役サラリーマン。
僕より10歳ほど?年下の人たち。
サラリーマンとミュージシャンの二足のわらじ。リアルな二足のわらじ。
なんで心に響いたのか?
簡単に言ってしまうと、リリックに共感できたというのか、違和感なくスッと入ってきたということがあるのだと思う。
一方的に、リリックの一部を紹介させてもらいます。
(了承を得ています)
やあ毎度元気?なんて緩い態度で始める乾杯の合図を
さっき福太郎で買ったお徳用のカイロが
冷める頃にゃ尽きてしまう話題も
酔いも抜けんまま赤身のさす肌色
歩くのが速いよなんて笑いながら帰ろう
ただいまって戻ってくる所さえあれば
下り坂も上り坂も数は一緒だから
明日のこの時間この場所に俺はいねぇんだ
魔法みたいな速さでスクロールするカレンダー
めくったページ振り返って何なんだ
なんて強がるのも青臭ぇな
だからせめてremember
家に帰るまでが遠足って教わったでしょ
土に還るまでが人生ってそう捉えよう
20やそこらで出るはずの無い答えを
求める大人にバルスって唱えろ
afro parker「Life Is Good」より
夜ヘロヘロで帰っている時に、この曲を聴いてまた明日も頑張ろうって、ふいに心のスイッチが入ってしまった。
なので、この説得力が一体何から生まれてくるのかってことを、少し考えてみることにした。
このバンドが、先ほども書いたように、メンバー全員がサラリーマンであることが影響しているのかもしれない。
サラリーマン風ではなく、本気でサラリーマンということが大事な気がする。
少し変な例を出してみる。
僕がまだ中学生で、大人の社会のことは全くわからなかった頃、Mr.Childrenが「everybody goes」という曲を発表した。
桜井さんがサラリーマンに扮装して、舞台で歌うというしつらえだったように記憶している。
当時は、こういうのがサラリーマンの音楽なのかと思っていたが、今、聞き返してみるとそうではない気がしている。
決して、ミスチルを批判しているのではないねんけど...
そして、さらにわかりにくい引用をします。
最近、読み返していた「思考の整理学」の中で、 著者の外山滋比古さんは、現実には2種類あると謳う。第一時的現実と第二次的現実の2種類である。
第一次的現実は、普段われわれが接している物質的世界のことで、第二次的現実は、情報や知識によって作られた観念的な世界を指すらしい。
外山さんは、これまでは見るもの、読むものの思想が尊重されたから、働くもの、感じるものの思想は価値がないと決めつけられてきたという。
額に汗して働くものものも、独自の思想を生み出すことを見逃してはいけないともいう。
人間の考えることには、ナマの生活が影を落としているのであると。
何が言いたいかというと、働くことと音楽活動とはきっとそんなに遠いものではないのではないか。
ということ。
みずみずしい言葉とナマの現場感の創出をもって、そのことを再確認させてくれた「afro parker」に感謝。
結局、何が言いたいのか?
なんてことは聞かないでね。
皆さま来年もよろしくお願いします。
ドラム すぎた
来年もどうぞよろしく!