もし優しい心を持った魂があったとしたら?
とふと考えてみた。
主人公である、魂はあるときからそこにいた。
けれど魂自身はいつから自分が魂だったのか、
それを忘れてしまっていた。
自分はどこから来てどこへ行くのだろう?
自分の魂に体はなく、他人の体を必要とし人から人へ移りわたっていく。
人へ移りわたるときの条件は、その人が瀕死ということ。
そしてその人が思い半ばで死にゆくということ。
魂はその思い半ばで死にゆく人の願いを叶える為に、
その人の許可のもと、その体に入り込む。
そしてその人が思いを遂げられなかったことを、
その人のかわりに遂げてあげる。
・結婚式に向かう途中の不慮の事故で息絶える新郎
・母に最後のメッセージを伝えられないまま山で遭難して息絶える息子
・ストーカーに刺されて夢の舞台に立つ前に死にゆく歌手
しかし思いを遂げたあと、幸せは長くは続かない。
魂は、次の息絶える人に導かれる習性を持っていて、
次の死の現場まで自然と導かれていく。
そういった人から人へ移り変わっている魂は自分だけではなかった。
『エグザイルス・ソウル(放浪する魂)※以下ES』と呼ばれる
自分以下にそんな存在があることをあるとき主人公は知る。
目の前にあらわれた人間には自分と同じようなESが入っていた。
しかしESにも性格というものがあり、
そのESは人から人へ人を殺すために移りゆくESだった。
自分とは全く正反対の凶悪な性格のESもいる。
優しい心を持ったESもいる。
女性のESもいる。
だけれど僕たちは何ものにもなれるが、何ものにもなれない。
僕たちは何のためにこの世界にあって、
どこへ向かっているのか?
人の死と成就を移りながら、ESという存在の確信に迫っていくおはなし。
