ユーザー数9億人を誇る世界最大規模のSNS企業であるフェイスブック。
このフェイスブックのナスダックにおけるIPO(新規株式上場)が間近に迫って大きな話題を呼んでいます。
フェイスブックは、株式上場によって最大1兆5000億円(184億ドル)の資金調達をする見込みであり、
投資家の期待が大きく高まっていることから、史上最高額のIPOとなることが予想されています。
内容は、
1.株式上場の目的
2.上場に当たっての懸念材料
についてです。
1.株式上場の目的
一般的にベンチャー企業の株式上場には、4つの目的があります。
1つ目は、新たな事業拡大の資金集めで、フェイスブックが今後事業を拡大していくための資金を集めていきます。
フェイスブックの場合は、先日画像SNSのインスタグラムを買収したりと、画像とSNSを組み合わせた事業を少なくとも拡大していくのだと思います。また、データ通信量が多くなあっていくにあたって、データセンターの構築等への出資もしていくと思います。
フェイスブックは、主にフェイスブック上の広告収入で、収益を得ています。昨年の収入37億ドルのうち32億ドルが広告収入でした。
広告収入については、グーグルが年間365億ドルほど稼いでいるのを見ると、あまり多くはないようです。
現在では、ネット決済のサービスでも収益を得るようになってきたようです。
上場の噂は、4年ほど前から少しずつでてきたようですが、企業の規模が大きくなるに当たり、企業活動やベンチャーキャピタルの出資だけでは資金が足りなくなっていしまったので、株式上場を決めたようです。
そうはいっても、1兆円規模の資金を集めて何をしていくのかについては、想像がつかないですね。
2つ目は、ベンチャーキャピタル等の出資者へのキャピタルゲインの提供です。
facebookは収益性よりも事業の拡大に注力して活動しています。
収益を生むための基礎である、トラフィックエンジンを確固としたうえで、実際に収益を生むベネフィットエンジンに繋げていくのが、創設者であるザッカーバーグCEOの考えです。
サービス開始当初は、フェイスブックのページに広告等は全くなく、ユーザーの使いやすいデザインをとにかく考えていたようです。
今では、ユーザー数が近いうちに10億人に届く勢いでありますが、サービスを開始してすぐに広告収入のために広告スペースをサイト内に入れていたりしていたら、こんなには広がらなかったのではないでしょうか。
その支えとなったのが、アクセルパートナーズといったベンチャーキャピタル等の出資です。
ベンチャーキャピタルは、企業の将来性を見込んで、資金を提供していくのですが、その見返りとして株式上場の際に公開株式を受け取ることができます。フェイスブックは、2004年のサービス開始から今までに相当額の出資を受けてきたはずであり、この株式上場で出資者はその恩返しを受けるわけです。
3つ目は、企業の信頼感を上げ、ブランド力をつけることです。
上場するには、いくつもの厳しい条件を満たさなければならないのですが、それを満たした場合、企業の信頼感、ブランドが上がり、上場してからの企業取引がしやすくなるといわれています。
4つ目は、ストックオプションによる、創設者利益です。
株式上場前に会社の創設者は安く株式を保有できるので、上場後にそれを売ると大きな利益を得ることができます。
2.上場に当たっての懸念材料
歴史に名を残す大イベントとなるであろうフェイスブックの株式上場。
この株式上場にはいくつもの懸念材料があります。
・根拠の無き過大評価
・ネット業界の不安定さ
・収益モデルが確立していない
という点です。
私は、身近にあっていつも使っているからという理由で、親近感(ラポール)を抱く熱狂的な人々が多すぎるように感じています。
私は、このフェイスブックバブルはいつ崩壊してもおかしくないと考えている人のほうが正しいと思います。
どういった理由で、フェイスブックが今後伸びていくのか、SNSのはこれからどうなっていくのかをしっかりと分析して投資を検討している人はほとんどいないのではないでしょうか。
そういったところには、大きなリスクが潜んでいることが多々あるので、絶対に気をつけなければなりません。上場後に株価が急落する可能性は十分にあります。
また、近年のインターネットの普及に伴う生活の変化はとても大きなものがあります。
10年ほど前には、携帯を持っている小学生はほとんどいなかったし、パソコンの通信速度や起動速度はかなり遅かったし、携帯でインターネットをする人はほとんどいませんでした。
10年後にネットの世界がこんなになることを予測した人は、どれくらいいたでしょうか。
また、これからの10年で、ネットの世界がどうなるかを予測できる人はどれほどいるのでしょうか。
因みに、AP通信の調査結果によると、フェイスブックは今後も成長し続けるかという質問に対して、
成長し続ける43%
廃れる46%
分からない11%
という結果になったようです。
SNSのサービスが多様化しているなかで、これからもフェイスブックが生き残れるかは不安です。
フェイスブックの収益モデルについては、今メインの広告収入では、あまり大きな収益を得れていないので、今後の可能性は大きいとは思いますが、未知な部分が大きいのです。
分かっている情報の割に熱狂的な投資家があまりにも多すぎるようなので、注意深く見ていくことが必要だと思います。
子供の教育費でフェイスブックの株を購入する予定の方がアメリカにはいるようなので、そういった方は考え直してほしいと思います。
投資は、余裕のある分の資金で行わないと失敗したときのリスクが大きすぎます。