祈り~涙の軌道 



悴んだ君の手を握りしめると

「このまま時間が止まれば…」って思う

覗き込むような目が嘘を探してる

馬鹿だな 何も出てきやしないと笑って答える



遠い未来を夢見たり 憂いたり

今日も頭の中で行ったり来たり

触らないで なるだけ手を加えぬように

心の軌道を見届けたい



さようなら さようなら さようなら

夢に泥を塗りつける自分の醜さに

無防備な無想家だって 誰かが揶揄しても

揺るがぬ想いを 願いを 持ち続けたい



見慣れた場所が違う顔して見えるのも

本当は僕の目線が変わってきたから

「純粋」や「素直」って言葉に

悪意を感じてしまうのは

きっと僕に もう邪気があるんだね


忘れようとして でも思い起こしたり

いくつになっても皆 似たり寄ったり

失くしたくないものが ひとつまたひとつ

心の軌道に色を添えて



迷ったら その胸の河口から

聞こえてくる流れに耳を澄ませばいい

ざわめいた きらめいた 透き通る流れに

笹舟のような 祈りを 浮かべればいい


君が泣いて笑って

その度心を揺らす

もっと強くありたいって想いで

胸は震えている


忘れないで 君に宿った光

いつまでも消えぬように 見守りたい



さようなら さようなら さようなら

憧れを踏みつける自分の弱さに

悲しみが 寂しさが 時々こぼれても

涙の軌道は綺麗な川に変わる

そこに

笹船のような 祈りを 浮かばればいい





※映画「僕等がいた」の主題歌

こちらで聴けます↓

http://youtu.be/p8h6wdyP20U





いつもそばにいた人が  もうそばにいない

その現実を僕等はどうやって受け止めればいいのだろう


悲しみという言葉に括られるマイナスの感情たち

誰かとわかちあうなんて簡単じゃなくて、自分の中に抱えこんでしまう


抱えこんだ感情は歪なカタチで外へ出てって人を傷つけてしまったりする

そんな自分に嫌気がさして、自分の世界に引きこもる


きっと一番いいのは泣くことなんじゃないかって思う

悲しみを泣けるのは、現実を受け止め、立ち直る力を持てているからな気がする

絶望の中で現実を受け止めきれないとき、人は泣けない

それでも生きていれば少しずつでもプラスの感情は生まれてくる


僕等の遺伝子には悲しみを優しさへと変えていくための軌道が刻まれているんじゃないかって思う事がある

それは先人たちが悲しみに負けずに乗り越えて歩んできた道


きっといつしか悲しみを優しさに変えていける

人と人との繋がり、関係の中に生まれてくる力が人に前を向かせる


日常の中に潜む幸せに気付いたとき、悲しみから優しさへの軌道は雨上がりの空に架かる虹みたいに心の中に現れて、僕等を優しさへと運んでくれる


さあ、歩き出そう