「くるみ」のPV観れます。
「くるみ」 作詞・作曲:桜井和寿
ねぇ くるみ
この街の景色は 君の目にどう見えるの?
今の僕はどう見えるの?
ねぇ くるみ
誰かの優しさも 皮肉に聞こえてしまうんだ
そんな時はどうしたらいい?
良かった事だけ思い出して
やけに年老いた気持ちになる
とはいえ暮らしの中で
今 動き出そうとしている
歯車のひとつにならなくてはなぁ
希望の数だけ 失望は増える
それでも明日に胸は震える
「どんな事が起こるんだろう?」
想像してみるんだよ
ねぇ くるみ
時間が何もかも洗い連れ去ってくれれば
生きる事は実に容易い
ねぇ くるみ
あれからは一度も涙は流してないよ
でも 本気で笑う事も少ない
どこかで掛け違えてきて
気が付けば一つ余ったボタン
同じようにして誰かが 持て余したボタンホールに
出会う事で意味が出来たならいい
出会いの数だけ 別れは増える
それでも希望に胸は震える
十字路に出くわすたび
迷いもするだろうけど
今以上をいつも欲しがるくせに
変わらない愛を求め歌う
そうして歯車は回る
この必要以上の負担に
ギシギシ鈍い音をたてながら
希望の数だけ 失望は増える
それでも明日に胸は震える
「どんな事が起こるんだろう?」
想像してみよう
出会いの数だけ 別れは増える
それでも希望に胸は震える
引き返しちゃいけないよね
進もう 君のいない道の上へ
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「くるみに込められた意味」
「ねぇ くるみ」と呼んでいるのは、好きだった女性の名前(くるみ)。
今はそばにいない女性を思い出しながら、現在の自分が語りかけている。
それ以外にも「くるみ」には意味が込められている。
くるみ=来(る)未=来未=未来の逆=過去
過去の自分に向けて、現在の自分が語りかけているという意味です。
そして、もうひとつの意味が、くるみ=これから来る未来という意味です。
まとめてみると、
これから来る未来に希望を持ち、夢を見ていた過去の自分(大切な人がそばにいた)に向けて、夢見ていた未来を実現出来ずに想像したものとは違う現在を生きている自分(大切な人はもうそばにいない)が語りかけながら、過去と決別し、今を見つめなおし、再びこれから来る未来に胸を膨らませ、一歩踏み出していこうとするという内容になります。
PVは、若い頃にミュージシャンになる夢を抱いていたものの、夢はかなわず、妻・子どもにも捨てられた中年男が、伝えたい想いを託した「くるみ」という曲をつくり、同じく冴えない中年になった元バンド仲間を集めて、もう一度今の自分たちで演奏をするなかで、夢に踏ん切りがつき、過去に決別し、今を見つめ、未来へ歩いていくというストーリーです。
未来へと歩き出した彼らは、自分たちのバンド名の書かれた紙きれを道に捨てる。
その紙きれを、たまたまそこを通りかかった、まだミスチルが結成される前の桜井さんが拾う。
人に一生懸命伝えようとした想いは、自分の思った通りにはいかなくても、何らかの形でめぐりめぐって、どこかで誰かの想いと繋がり、新しい意味を生んでいく。そんなことを考えさせられるPVです。
是非、ご覧ください。
「くるみ」という言葉に込められた意味が、この曲に深みを与え、優しくて切なくて悲しくてあったかくて、一歩踏み出そうとする強さを僕にくれます。
前を向いていこうとする自分の背中を、そっと押してくれる。そんな、「くるみ」が誰の心にも居るはずです。
映画『幸福な食卓』の主題歌になっています。
まだ始めたばかりですが、ミスチルのグルっぽをやってますので、ご参加ください。