「蒼の時」 | アンダーグラフ OFFICIAL BLOG「Member's Diary」Powered by アメブロ

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お久しぶり、真戸原です。


いよいよ来週「蒼の時」がリリースとなります。


今回は、春のツアーが終わってから、1ヵ月半で全てを作り上げました。


Acorn Recordsのホームページでもコメントに書いたけど、今回のアルバムは、


前回の「花天月地」とはまったく違うものに出来上がりました。


「花天月地」を作っていたときは、日本が今のような状態になるなんて、思ってもいなくて、


日本人の心の強さや、人を想う美しい心をテーマに作っていました。




そんな中での東日本大震災。



ツアーをする事や、リリースする事さえどうするべきかを考えなければならない状態の中で、


アンダーグラフとAcorn Recordsが出した答えは、自粛はせず、通常通りの動き。


プレスの工場が止まり、リリースに間に合うかどうかという問題もありました。




そんな中、ツアーを終え、リリースをし終わり5月の頭。


溢れてくる言葉やメロディーを録音し、メンバーに聞いてもらいアレンジ。


そしてまた言葉やメロディーが溢れる。


アレンジが仕上がったらすぐにレコーディング。


そして6月の中旬には全てが出来上がっていました。


「2011」は今年にしかかけなかったことを、


「夢を乗せて」は故郷に思いを


「かごめ」では、せめて一人で一人を救えたらと


「時薬」では、みんなの心が少しでも軽くなるように


「衣食住と君だけ」では、本当に大切なものは?と考え


「人」は、全ては人が、、、。


と歌い、奏で、


タイトルは夏には少しでも悲しみが癒え夜明けの色、蒼色が心に広がるようにと。


本当に、溢れ出るものを、詰め込みました。




そして、昨日、

震災後初めての仙台でのライブ。


「Love For Nippon」として、4人で仙台へ。


仙台市内は僕が想像していたより、活気があり、力を感じた。


マンションやホテルの外壁ははがれているところはあったけど、沢山の人が溢れていて少しホッとした。


ライブでは、身の全てをかけて歌った。


夜には、仙台の友人と会い、当日のことや、ここまでの話を聞いたが、会えたことがとてもうれしかった。




そして今日、

山元町へ足を運んだ。


津波で流された街も見てきた。


全て流された街には、瓦礫の山には、緑の草が一面に生えていてた。


倒れたままの電柱や標識、家の基礎の部分だけが残ってる地域、流されずに残った家を見た。


津波の恐ろしさに胸が詰まった。




避難所に戻り未だ避難生活を続けている、約100人の中の一人


「三島さん」というおじいさんに話しかけ、2時間ぐらい話した。


「ここに来て4ヶ月だよ」「当日の写真があるから、あげるよ」「仮設住宅に今月末には入れそうかな。」


「カップ麺は結局ここには届かなかったよ」「冬は寒かった、今は毛布が邪魔になるけどね、、、」


「この先どうなることやら」


それ以外にも色んな深刻な話を僕にしてくれた。


道は綺麗に整備されているが、脇に山積みになっている瓦礫のように、これからどうしていくのか、、、


そんな様々な問題があることを教えてくれた。



流された写真を自衛隊の人達が集めてきてくれていて、その写真を洗ったりした。


本当にそっと洗わないと、大切な大切な写真の印刷が禿げてしまうので、とても慎重に根気のいる作業だった。


一組の家族が写真を探しにやってきて、みつかったとうれしそうに帰っていった。



今日は自衛隊の人達が撤収する日だったみたいで


「お別れ会」が開かれ、僕もその場所にいさせてもらった。


笑顔と涙が入り混じっていた。



子供達は楽しそうに走り回っていた。


そこには避難所といえども暮らしがあったということを改めて感じた。





少しでも、少しでも、なるべく早く、みんなに笑顔が沢山戻って欲しいと思い、帰路についた。



今回が全てのリアルではないだろうが、「蒼の時」という作品を作った自分なりの答えが、


少しわかったような気がした。




被災された方も、被災しなかったけど心が苦しかった方も、


一緒に上を前を向いて行こうな。



真戸原 直人