東日本大震災から1カ月が経ちました。
3月11日、私は一人でスタジオに入ってドラムを叩いてました。
そしたら、ゆらゆらしだして2段重ねになってる目の前のベースアンプがガタンゴトンと音を立てて、上に乗ってるのが転げ落ちそうになってきて…これはヤバイと思ってスタジオを飛び出しそのまま外まで駆け出しました。
結局その日は恐怖と不安で練習にならず、お家に帰りテレビを付けたら震源は宮城県沖。
津波警報も出てる。
まだその時はアナウンサーが50cmと言って船が揺れているぐらいでした。
それから時間が経つにつれ日にちが経つにつれ、映し出される悲惨な現実にテレビの前で泣いてばっかりいました。
この現実をなかなか受け入れられずに、持ち上がらない心を必死に身体の隅に追いやって、せめてドラムを叩いてる間は…メンバーと音楽してる時間だけは…と心をコントロールしながら過ごしました。
初めは、こんな時に音楽…みたいな感覚もあったし、第一自分の心がついて来なかった。
毎日、友達や家族やメンバーと話す中で考え方がコロコロ変わって心がすんごいしんどかった。
でも、じゃあ何もせんとただテレビの前で泣いてるのが私の今する事なん?って思いがだんだん強くなって、それからはなるべく普段通りにいつも通りに過ごそうって考えに落ち着いて楽になったし、やっと笑えるようにもなった。
私はもぅ大丈夫。
ツアーも始まったし、前を向いて目の前にいるみんなを必ず笑顔にしてみせるよ!
そこから笑顔が広められたらそれでいい。
そしてまだ心が持ち上がらないみんなへ。
私な、心が持ち上がらない時にいつも浮かぶ言葉があるねん。
それは
『僕らは前を見て歩くように出来てるんだ』
まっとんが書いた言葉。
この言葉のお陰でいつかは必ず前を向く事が出来るから、立ち止まる事は悪い事じゃない、落ち込んでもムリして前を向く必要はないって言われてる気がしていて。
周りが前を向いてて自分だけ取り残されてる気分になる時もあるけど、自分のペースでゆっくりでいい。
だって人は『前を見て歩くように出来てる』から。
みんなで一緒に頑張ろうな。
被災地の皆さまに一日も早く安心と安全と笑顔が戻ってくる事を祈ってます。
谷口奈穂子