大学に入って、以前ほどテレビアニメを見なくなってしまいました。
高校生の頃は週最大で20本を視聴したりもいていたんですが、大学に入り①部屋にテレビと録画環境が無くなった、②所属した吹奏楽団が忙しくまともに視聴する時間・余力を残せなかった、③感性が老化し以前ほど深夜アニメを楽しめなくなったなどの理由から、今期は実は辛うじてGRIDMANを見ている程度で他は全く見ていません。
ただその分映画やアートアニメーションといったより広義のアニメーション・映像文化に興味を持つようになりました。
特に今関心があるのは演出論と作品の製作された文脈を読み解くコンテクスト論です。
演出論は映像作品における演出が作品にもたらしている意味を解釈すること、コンテクスト論はその作品がどういった経緯・製作環境の中で制作されたのかを読み解く試みです。
演出論なんかはどういった意図でアニメーターが画面を作っているのかを探る話、つまりいわゆる「作者の意図」を読み解いていくというものです。出来上がった画面自体が視聴者にどのような感情をもたらすかなどを心理学的に考えるのも面白いですが、私個人ではそれは無理ですし、そのことに大きな関心はありません。それよりも、アニメーターや監督がどのような意図でその画面を作ったのかということについての方に関心があります。
もちろんこんなのはただの深読みでそんなこと作者は全く考えていない、浅はかなこじつけだという批判も十分あり得ることだと思います。実際様々解釈していく中で、実はそれを作った人には全くそういう意図の無い、ただのこじつけになってしまっている場面もあると思います。
しかし私はそれでも構わないと思っています。なぜなら私の演出論の目的は、作品に関する事実を探ることではなく、作品をより面白く鑑賞することだからです。私の演出論はアカデミックな研究では無く、あくまで評論・批評の俎上に載せられるものだろうと思います(もちろんそうした「作者の意図」や演出の目的を探ることを生業として研究している方もいらっしゃいますしそうした成果を否定するつもりは毛頭ありません、むしろ憧れるものですらあります)。こうした読み解き方をするとより作品を楽しめる、面白く捉えられる、そういった視点を確保するためにあります。(もちろんそう解釈するに至った根拠は提示しますし、その根拠に妥当性があると認められれば(そしてそれは面白いと感じてられるかどうかと密接に関わっている)そもそもこじつけであるという反論は来ないものです。)そして自分の思いついたそうした面白いと思う視点を公開してみたい、あわよくば評価されたいという欲望から、こうしてブログの記事としてまとめてみようと思うのです。
もちろんこんなブログもう見に来る人もいないでしょうが、例え誰も見なくとも少なくともアクセス出来る環境へアウトプットしておくことは意味がありますし、具体化することによる自分の脳内の整理や長い文章を書く練習といった個人的な目的もあります。
題材にするのは今年冬クールに公開された、いしづかあつこ監督『宇宙よりも遠い場所』です。
この題材を選んだ理由については、①私が好きだから②題材として扱いやすい「分かりやすい」演出が多い③作品制作のコンテクストと作品内容自体に関連性があるように捉えられコンテクスト論が提示しやすいの3点が挙げられます。
1点目の私が好きだからというのは、やはり自分が見て面白いと思った作品でなければこういった解釈ゲームは気が乗らないということです。
2点目3点目は、要は演出論・コンテクスト論共に比較的同意を得られやすいだろう論が提示できると踏んでいるということです。
次回以降の記事でこれらの論を順番に掲載していきたいです。拙い文章ではありますが、どうかお付き合いいただければ幸いです。