酷言より詠わずの心動せし
非ず昏き扉開きゆく
己が拒みし心
己が望し心
己が冷やし心
詠わずの心へ
雫垂れし波紋の如く
更なる破門を詠いに熨せ
知らずなぞ非ず
知る事なぞ非ず
己が心に潜みし謳いなぞ這入らず
還ること非ず
孵りし根裏心
雪の如く滲みゆく静へ
汝に非ず
繰り返し非ず
理に為し
謳いに為し
潜みし鬼
這い上がりし夜叉
望まずに生まれし心
拒むことなく生まれゆく
其の心にて血に染まり
其の根にて紅に染まり
其の言にて朱に染まり
諍うことなく昏き底にて待ち渡り
己が心で無く
言放つ者とし鍵
言放つ者とし斧
言放つ者とし業
業を放つ者
業により獄の路
失いし言に渡し賃為し
潜みし鬼にて夜叉
潜みし夜叉にて鬼
己が放つ言に鍵へ斧へ
鍵より斧より放
静にその根より心
獄より葉脈が如く
蝕み壊し
鬼より謳い
夜叉より謳い
謳われし祝詞
謳われし呪詞
心静に朱血に染まり
心より謳いへ傾き
鬼夜叉へ謳い
根より縛り
血に朱に紅
謳いに沈みゆく
その路より更なる獄へ沈みゆく