原因3   織の向き


こればっかりは本当に不思議でしゃーない現象です。

七五三の男児用着物
上がってきたプリントを見て
店舗が慌てて電話をかけてきました。
着物の色が全然違います!と。
カメラのモニター、本部のモニター、
プリント全てに紺色の着物が写っていましたが
実際の着物は茶色。
どう見ても渋い茶色!

カメラマン曰く
「カメラモニターにはこう写っているけど、
    プリントしたら正しい色が出ると思っていました...」
画像処理班曰く
「当然、紺色の着物だと思っていました...」


実際に店舗から実物の着物取り寄せ
織をよーく見ると
紺色の糸1、茶色の糸3くらいの割合で
織られている事が分かりました。
人間の目には茶色の織物に見えますが、
カメラの目を通すと
紺色の織物になってしまうようです。



このように不可抗力で
誰が悪いわけじゃないのに色が変わってしまう、
そんなこともあります。
写真館では、まぁ会社にもよりますが
色補正をする部門のモニターは
定期的にキャリブレーション(色合わせ)をします。
補正画像の横に色見本を置き、
相対的に色が狂っていかないように
細心の注意を払います。
室内の照明は色評価用蛍光灯(5000k)で統一
外光に左右されないようにカーテンは閉めっぱなしです。

もちろん現場カメラマンも
背景や衣装が変わるごとに
カメラのホワイトバランスをとり(すごく面倒)
顔色と着物の色が正しく綺麗に出るように
最大限の努力をしています。


それだけやっていても「正しい色」というものは
いとも簡単に私たちの手をすり抜けて
不明瞭な「ちょっと違う色」に変化してしまいます。
あの日見たあの色を再現する事は非常に困難で
そこには不可抗力な要因が色々と重なって
立ちふさがっているのです。


でも、写真館の着物の色が比較的
比較的正しく出ているのは
ひとえにカメラマンと現場スタッフの
記憶力の賜物に他なりません。
お客様にお渡しする前、
スタッフは出来上がったプリントを必ずチェックします。
自分の撮影した着物、着付けた着物と
同じ色が出ているかどうかの確認です。
色が違った場合、プリントを本部に差し戻し
記憶にある色をなるくわ(なるべく詳しく)で
説明するのです。

「もっと...ローソンみたいな色でした!」


前述の着物の色変化が起きて以来、
カメラのモニターに映った着物の色が
ちょっとでも変だと思ったら
本当はどういう色なのか
カラーカードで指定して貰ったりしました。
このように、正しい色を出すために
写真館は弛まぬ努力を続けています、

ということが言いたいのではなく
正しい色には実体がなく、絶対も無い
表現するのはとても難しいものだということを
言いたかったのでした。


撮影って本当に難しいですね。
がんばりましょう...!

原因2

鮮やかさの表現に限度がある


「モニターで選んだ時には気付かなかったけど
    実際プリントされて来たものを見たら
    全然違う色だった...」

モニターは光で色を表現しているので
限度はありますが、彩度の表現が出来ます。
彩度とは色の鮮やかさ、
生地が光を反射した時の色や
内側から光るような蛍光色の表現もお手の物です。
光ってますからね!


ところがプリント(現像)では
色は色で表現しなければならないので
光の三原色ではなく、色の三原色が適用されます。
光の三原色は三色を混ぜれば混ぜるほど
白(255)に近付いていき
彩度もアップします。
が、色の三原色は色を混ぜれば混ぜるほど
グレーに近づいていき、彩度は落ちる一方です。


なのでモニターで表現出来た色が
プリントでは表現出来ない、という事が起こります。
見た目の色に近づけるには
「それっぽい色」にするしかなく、
例えば鮮やかな黄色を表現するのに
彩度を上げてもプリントでは再現されないので
ちょっと明るめの黄色にしたり
色相を変えて「そう見えるようにする」しか
方法が無いのです。


ここで辛いのが
「家庭用プリンターで出した写真の方が
    着物の色が綺麗に出た!」
と言って来られる時。
写真は印刷よりも表現できる色の範囲が
広いことは広いのですが、
ある特定の色だけは家庭用の
インクジェットプリンターの方が強いという事も
あるのです。
彩度の高いピンク・黄緑・水色などは
家庭用プリンターの方が一見綺麗に見えます。

そこには「その代わり表現出来ていない色」が
多々あっての事なのですが
結局色が出ない事は変わらないので
そこら辺の説明はせずに
申し訳ありません、と言うしかありませんでした。

(つづく)

 正しい色、なんて表題を付けていますが

正しい色の定義はなにか、という所に行っちゃうと

話の本筋がぐっとそれてしまいますのでここは

「目で見た通りの色」とします。

 

現像した写真の着物の色が違うことは珍しくないです。

周囲を見渡しても、姪っ子の成人式の写真が違っていましたし

幼馴染の成人式の写真も違っていました。

ただ、ググってみてもそれほど「着物の色が違う!」で

ヒットしてこないのは、着物はその期間だけのレンタルで

手元に持たない人がほとんどだからじゃないかなあ、と思います。

それくらい着物の色を正確に出すのは難しいです。

 

【原因その1 色の暴走】

 

こちらの写真は

現在販売中の定規を撮影したときのものです。

レベルは多少いじっていますが、彩度はいじっていません。

彩度をいじっていないにも関わらず

赤い矢印の定規だけやけにビカビカと主張しています。

このように、撮影時にホワイトバランスを取っていても

ある特定の色だけ変な色になる事はよくあります。

そういう時はどうするか。

 

その色だけ選び出して、色相・彩度を調整します。

今回はシアンが輝いていたので

シアンの彩度を落とし、明度も少し下げました。

これで見た通りの色に近づきました。

 

 

今回はシアンでしたが、これがマゼンタの時もありますし

レッドの時もイエローの時もグリーンの時もあります。

全体的におかしい時もあります。

そういう時は実物と見比べながら、根気よく色を調整して

全体的に許容範囲かなという所まで持っていくのです。

 

ただ、様々な色が入り乱れる「着物」は

この方法も非常に難しいです。

 

 

(つづく)

 

とある結婚式場(ホテル)が炎上している中、
気になるリプライを見つけました。

そのホテルで成人式の写真を撮ったが
出来上がりがひどくて台無しになった、というもの。
載せられた画像を見てみると納得、

ああ、濃いピンクの着物だ......。


私は過去十数年間
写真館で画像処理をやっていたのですが
この画像を見て胃の辺りが
じわっと熱くなる感覚を覚えました。
お客さんが着物を持って抗議に来られたこと、
もう数知れずあります。
プロだから、アマだからの話ではなく
正しい色を出すのって本当に本当に本当〜〜に
難しい話なのです。


衣装は画面上で綺麗に見えていても
プリントすると全然違う色になります。
濃いピンクは沈んだ赤に、
蛍光黄緑は深緑に、
茶色の縮が紺色になる事もしょっちゅうです。

ハンドメイドでも
出来上がったものと撮影した物が
全然違う色になっている、という事もありますよね。
プリントをするとあれが更にこじれて
別物になってしまうこと、
実は写真業界ではよくあるのです。



長くなりそうなので続きます。

某100円ショップキャンdでとうとう
「厚み測定定規」が販売開始されたようです。
TLで知りました。

厚み測定定規の販売を始めた頃
「これは秒で100均から出るな...」と思っていたので
こんなに販売が続いたことには
驚きと感謝しかありません。
見つけて購入して下さる皆様
本当にありがとうございます。

さて気持ちとしてはもう少し
焦らなくてはいけないのかもしれませんが
不思議とほとんど関係ない気がしています。
開発当初、穴を一つあけただけの四角い板を
商品として想定していました。
そのままだったら今頃完全に
「100均と被った...!」と焦っていたと思います。
途中から制作意図が変わり、
どうせ使うなら見栄えがする物にしたいと思って
今の形と色に落ち着きました。

制作にかける手間を考えると
とても100円では販売出来ません。
今の値段でギリとんとんくらいです(笑)
なので厚みを測定したいだけなのであれば
Cドゥの定規が良いと思いますし
その定規を出しっ放しにしたいのであれば
当店の厚み測定定規がお勧めです。

さりげなくCMを挟んで寝ます。
今日も一日お疲れ様でした!




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