12週に入って、初めてつわりのためだけに病院へ。彼が午前半休をとって連れてってくれた。検診を受けている実家近くの病院にまで行く体力はなくて、近所のクリニックへ行く。

特に検査などせず、わたしの顔色が悪いのを見たらあとは問診で済ませてくれた。仕事をかなり休んでしまっていることを相談したら、「母性健康管理指導事項連絡カード」を書いてくれた。母子手帳に付いていて、拡大コピーして使える、診断書と同じようなものだ。これで、妊娠悪阻で2週間休業の指示をもらう。そして、漢方薬を処方された。つわりを軽くしてくれるらしい。漢方のイメージとは違い、わりと飲みやすい薬で助かった。

「1日中気持ちが悪い」という症状はだいぶおさまってきて、自宅でじっとしていればだいぶ平気になってきた。しかし、立って何か作業をしたり外出するとてんでダメで、すぐに具合が悪くなってしまう(次の日まで引きずったりする)。あと、どうも午後以降に調子が悪くなるようで、昼まではけっこう普通だったのに午後からだんだん下り坂になり、夜ちょうど彼が帰ってくる頃に吐くorベッドで死んでいる→いらぬ心配をかける、というあまりよろしくないリズムになった。食欲もまだ戻らないので、体重も4~5キロ減のまま。そろそろ、食べれるものを食べればいいという時期を過ぎて、栄養を考えなきゃいけないんだけどな…。

12週の終わりには妊婦健診があった。前回は婦人科での検査だったが、今回からは産科になる。さらに、前回まではプローブを膣から入れて胎児の様子を見ていたが、今回からお腹にジェルみたいなのを塗ってその上からプローブを当てて見るようになった。こういうのすると妊婦っぽい。楽だし(笑)。

そして初めて彼にも超音波を見てもらう。(そういえば、経膣プローブのときも見てもらうチャンスはあったけど、彼、いやがって見なかった。お医者さんとはいえあまりいい気持ちじゃないみたい)

赤んぼは前回の倍以上の大きさになり、心臓も元気に動いていた。背骨も確認できた。手足もしっかりしてきた。彼と二人で「お~」「すごいね~」「育ってるね~」などと言いながら眺める。わたしがつわりでへばってても、お腹の子は勝手に育つんだなあ(笑)。

抗生物質のおかげか、前回引っかかった尿検査も今回は無事にパス。でもちょっとカビが出てたらしい。抗生物質を飲むと良い菌も死んでしまうので膣炎などになりやすいと聞いた。

検診費用、高い。市から補助券をもらって、利用したけど、それでもけっこうかかった。

病院の帰りにちょっと買い物に寄った。つわりが始まってから腰ばきのスカートがはけなくなった(締め付けで気持ち悪くなるのだ)ので、ワンピースをいくらか買い足す。下着も欲しかったが、いいのがなかったのでまた通販で探すことにした。

買い物の途中でまた具合が悪くなったので車に戻って休んだ。動ける時間が短すぎる…。


次の週に入ると、少しずつ料理することができるようになった。とはいっても、途中で何度か休憩しなきゃいけなかったが。

匂いには多少敏感になっているが、匂いで気持ち悪くなるまでいくことはなくて、台所に立ってもその点での心配はない。(いや、1回だけめんつゆの匂い嗅いで吐いたな…)ただ、しばらく立っていると気分が悪くなるのだ。

でもこの週に入ってから目に見えて調子がよくなってきた。どうしても要る物があって、母に付き添ってもらって百貨店へ出かけてみたりしたが、バスに乗っても大丈夫だったし、買い物の最中にしゃがみこむこともなかった。普通に外出できたことがすごく嬉しい。

…と思うと、また吐いたり頭痛があったりで、なかなかすっきりとはいかないし。それに外出が長時間になるとやっぱり具合が悪くなってしまう。

わたしの体調に不安があるため、彼の外出も制限しがちになっているのが心苦しい。

気にしないでいってきていいよともちろんわたしは言うのだが、彼としてはまあ、気にしないわけにはいかないというところだろう(笑)。

もちろんふたり一緒に出かけられるときは出かけるが、他の友達もまじえて外で遊ぶようなのは、途中で具合が悪くなったらいやなので、まだできない。

10週目は調子の良し悪しに激しい波があった。そして相変わらずあまり食べられない。体重が平常時より5キロ近く減った。さすがにぎょっとする。

週末、彼が後輩とのごはんにわたしも誘ってくれたが、出かけようとすると吐き気がしてダメだった。

あまりにも外に出ていないし、立って歩くと気分が悪くなることが多いから、外出に恐怖が伴ってるのかもしれないと思う。まずい傾向。

抗生物質の副作用か、暑くなってきたせいか、手足がかゆくなり、赤いブツブツやしっしんのようなものができた。昔アトピーだったから、それがまた出てるのかなとも思う。

あと、胸、重たくなってきた。引っ張られてる感じでなんとなく痛い。先端はかなり痛い。ブラジャーで締め付けてると余計に気持ち悪くなるので、ほぼノーブラで過ごす。垂れちゃったらやだなあと思うが、仕方ない。一応、通販で楽ちんなマタニティブラを購入した。でも具合が悪い時はそれでさえ苦しい。

一度、仕事中にどうしても苦しくてホックをはずしたことがあったが、ブラジャーが上に浮き上がってきて襟元から見えそうになったので困ってしまった。


11週、彼は3日間の出張に行ってしまった。信州。二晩ひとりぼっちで心細い。

でも出かけるとき、惜しむようにあごのところを優しくなでてくれた。それが、涙が出るくらい優しい触り方で、愛情を感じて本当に胸がきゅんとなった。つわりでぐったりしているわたしを心配しながら彼は出て行った。

吐かない日が数日続いたので、ピークは過ぎたかな?そろそろリハビリをしなければ、と思い、郵便局まで歩いたりしてみたが、気分が悪くなってフラフラになり、帰宅後、ジュースを飲んだら急に吐いてしまった。やはり、長い時間歩くのはまだ無理だったみたいだ。次の日の朝も疲れが残っていたのか、飲み物を飲んだとたんまた吐いた。トイレに行くのが間に合わず、ティッシュで押さえたがあふれてしまった。じゅうたんを汚してしまいショック。午後にもう一度吐いた。治まってきたかと思っていただけにがっかり。

水曜、彼が帰ってくる。やっぱり彼がそばにいると精神的にも穏やか。彼も出張や残業で疲れているのに、ほんとうに優しくしてくれる。

週末には彼に車に乗せてもらって近所に出かけたりしてみたが、車もダメなのか、あっというまに具合が悪くなった。店の中で何度もしゃがみこんでしまうし、帰宅したとたんにまた吐いてしまう。一体いつになったら普通に外出できるようになるんだろう、と悲しくなってしまった。仕事に行ったり難波や大阪に遊びに行ったりしていたことが嘘みたいに思えてくる。

あと、ちょっと動いただけですぐ耳が詰まる。昔から、疲れるとよく耳が詰まったけど。母に話したら、私もあったよと言っていた。

お腹が痛くなったりということもあった。生理痛によく似た痛み。出血はないので、子宮が大きくなるときの痛みだろうと考える。

妊娠7週に入ると、食欲がなくなった。

吐き気も強くなり、立っていることができなくなり、仕事に行けなくなった。1日だけ無理して行ってみたが、朝礼で倒れ、何度もトイレに避難し、同僚たちにも始終気を遣わせて、もちろん仕事はめちゃくちゃ遅くて、どう考えてもいないほうがマシという状態だった。(繁忙期ではなく、人手も足りていたし)

家事も全然できなくなった。ごはんは彼が仕事帰りにスーパーに寄って調達してくれた。洗濯や洗いものなどもやってくれた。

毎日、食べられそうなものを探して少しだけ食べるのだが、食生活はめちゃくちゃだったし、好みもコロコロ変わる。

仕事に行こうとして途中で具合が悪くなった日、帰るついでに区役所に寄って母子手帳をもらった。道中で何度も座り込んだが…。感じの良い保健婦さんからいろいろ説明を受ける。マタニティクラスとかやってるらしい。行くかどうかわからないが…。

8週半ばくらいになると、時々吐くようになった。普段は船酔いのような気分の悪さがずっと続いている感じなのだが、唐突に凄い吐き気が来て(わたしはビッグウエーブと呼んでいる)トイレに駆け込む。吐いても何も出ないことが多いのだが、一応すっきりする。苦しいことに変わりはないが、喉は傷めないのでまだマシだと思う。

お腹を下したりもした。便秘のほうが一般的らしいが、下すタイプの人もいるみたい。

実家の母が数回来て、掃除をしたり果物をむいたりごはんを作っておいたりしてくれた。それに、母親と会話していると気持ちが楽になる(しんどい、とかも言えるし)。とても助かった。


9週に入って吐く回数が増えた。しかし若干吐くことに慣れてきた自分がいた(笑)。途中、2日ほど続けて比較的調子の良い日があったので、「治まってきたかな?」と思ってその次の日に会社に行ってみたのだが、会社までの通勤の道のりが本当につらかった(徒歩とバス)。相変わらず同僚に気をつかわせてしまう(既に部署内ではわたしの妊娠が知らされていたので余計に)。時間に余裕のある提案物の仕事をまわしてもらうが、その説明を受けている最中にもトイレに駆け込んで吐く始末。1日出勤しただけなのに疲れてしまったらしく、夜から妙にお腹が張り、翌日からまた調子が最悪になった。

頭痛もあり、頭に冷えピタを貼って過ごす。体重、妊娠前より3.5キロ減。


9週の終わりに病院へ行く。里帰り出産するので、前日から実家に泊まり、朝から地元の病院へ出かけた。自宅から実家へは、たまたま休みだった妹が車で迎えに来てくれた。1時間弱の道のりだったが、出発前に一度吐いておいて(しばらくは楽になるため)、飴を口に含んで後部座席で横になり、どうにか無事に着いた。

病院へは、車で朝からやってきた彼とうちの母と3人で行く。

エコーを見るともう頭や足がわかるくらいになっていた。心臓も、動いているのがはっきりとわかった。前に見た時とは全然違う。ちゃんと人間らしい形をしていて……なんともいえない気持ち。「すごーい…」としか言えなかった。

診察室にて、「尿検査の結果を見ると、膀胱炎です」と言われる。自覚症状はないし、わたしは子どものころから尿検査をするとだいたいひっかかるので自分ではあまり問題だとは思わなかったが、膀胱と子宮は位置が近いので、細菌が移ったりすると良くない・・・というようなことを言われ、ちょっと怖くなった。

「水分ちゃんと摂ってる?」ときかれ、「はい」と答えたのだが、後ろに控えていた彼に「いいえ、俺の半分くらいしか飲みません」と言われてしまった(笑)。彼にはよく「水分とらなさすぎ」と言われるのだった。

とりあえず水分摂取を命じられ、抗生物質を処方されることになった。

妊娠が分かった週の週末、ちょうど彼のお父さんたちに会いに名古屋へ行くことになっていた。

奥さんの誕生日で、彼の弟や義妹たちも集まることになっていたのだ。

妊娠のことを言おうかどうか、現地についてからもまだ迷っていたが、食事の途中で、結局彼の口から言った。

みんなにおめでとうと言われて、くすぐったかった。

乾杯の時にシャンパンを注いでもらっていたが、わたしはその1杯でストップとなった(笑)。

義妹夫婦には2歳の男の子がいて、その子がもう全然じっとしていなくて、「子どもを持つとこんなにたいへんなんだ」としみじみ思った。覚悟もした。

奥さんはわたしたちがプレゼントしたエプロンを着けてくれていた。ちょっと大きかったみたいで、肩紐のところをクリップで止めてあったけど(笑)。

奥さんは今でこそ元気だが、若いころからずっと体が悪くて妊娠・出産は大変だったらしい。こわい話をいっぱい聞いてしまった。この人は犬や子どもの扱いがものすごくうまい。犬も孫もこの人の言うことだけは聞く(笑)。世話が好きなんだろう。好きだから、欲しくて、根性で産んだんだなあと思う。


次の週になるとなんだか疲れやすくなり、特につらいというわけではないが、ちょっとした合間にすぐ腰を下ろしてしまうようになった。眠気も強くて、土日はほとんど眠って過ごした。

病院に行ってみると、胎嚢(赤ちゃんの袋)が確認できた。写真で見てもただの黒い丸でしかないのだが、お腹の中で確かに変化が起きているのだと思った。心拍がまだ確認できないので、来週もう一度診てもらうことになった。


その次の週になると吐き気が起こるようになり、しかもだんだんひどくなってきた。月曜などは昼ご飯を食べたら吐き気が引いたりしたのだが、金曜にもなると1日中気持ちが悪く、会社の飲み会もパスして帰らなくてはならなかった。火曜には父と彼と3人でごはんを食べた。いつもは大阪まで出ていくのだが、父が気遣ってくれて、わたしの職場の近くでお店を探すことになった。父から、わたしや妹・弟たちの子育てについての話を聞く。

会社の上司には心拍が確認できてから報告するつもりだったのだが、1週間ずっと吐き気と闘いながら仕事をして疲れてしまい、いつ会社に行けなくなるかわからないと思ったので早めに報告することにした。

妊娠とともに退職の意思も伝える。もともと、妊娠しなくても秋までには辞めるつもりだったが、余計なことは言わず妊娠のための退職ということにした。しかし退職時期については「早すぎる。もちろん体調次第だけどもうちょっと協力してほしいなあ」と難色を示される。人手の問題もあるが、うちの会社は妊娠してもギリギリまで働いて産休をとる女性が多いからだろう。本社の土地柄みたいなのも関係しているのだが。

土曜日、病院で心拍を確認する。エコーを映して「心臓動いてるね」と先生が言うが、画像がちらついてるのと見分けがつかない程度の、チラチラした動きで、よくわからなかった。

でも心拍が確認できると流産の確率がぐっと減ると聞いていたのでほっとした。妊娠6週6日目のことだった。

来年1月、わたしたちの子が生まれる。

とりあえず、これまでの経過を。


5月半ばのある日、なんでもないときにふと「あれ?そろそろ生理じゃなかったっけ」と思った。

カレンダーを見て確かめてみると、生理予定日の3日くらい前だった。

特に根拠はなく、「もしかしたら妊娠してるかなあ」と考えた。

ピルをやめて1回生理を見て、それからは完全に自然に任せていた。

排卵日を気にすることもなければ、避妊もしなかった。セックスは不定期だった。


そのうち、下腹がひきつるようにちくちく痛むようになった。

これは生理前にいつも起こることなので、「ああ、生理、そろそろ来るんだ」と思った。

ほっとする気持ちと、少しがっかりする気持ちが、半々だった。

しかし生理予定日を過ぎてもいっこうに始まらない。下腹のちくちくもはっきりした生理痛に変わらない。

胸が張って先端が痛かった。でもこれは前から時々あることだった。

ピルを飲む前から生理周期はわりと決まっているほうだったので、予定日を過ぎても薄い血も出ないということのほうが、「怪しい」と思う大きな材料になった。


「できたかもしれないよ」

彼に言った。

彼はどんな反応だったか・・・覚えていない。「そうなの?」みたいな軽い感じだったかな。

「遅れてるのかもしれないし、まだわからないけど。もやもやするから、早くはっきりさせたいなあ」とわたしは言った。

市販の普通の妊娠検査薬は生理予定日から1週間過ぎてから使用可能になるのだが、それまで待てなかった。それで、生理予定日から使えるという検査薬を使うことにした。取り扱っている薬局が限られているので、2回くらいスカをひいて、結局仕事帰りに調剤薬局まで行って買った。

そして帰ってすぐに使ってみた。

あっというまに判定窓に陽性を示す紫色のラインが現れた。

それを見た瞬間、「あららら」と声に出し、笑ってしまった。

トイレから出て彼に見せ、「ねえこれ陽性みたいなんだけど」と言うと、

彼も「陽性やな」と言った。

そしてお互いの腕をつかんで顔を見合わせ、二人でわあわあ言って笑った。

そのうちへたりこんでしまった(笑)。

ただドキドキして、うれしいとか不安だとかそんなのなかった。


テンションが上がりすぎて変な緊張状態になり、それから2~3日ずっと胸がドキドキしていた。

とりあえず自分の母親にすぐ伝えた。後々がっかりさせる可能性も考えないでもなかったが、彼を除いて一番喜んでくれるであろう人には、やっぱり早く言いたかった。

これから何かと手伝ってもらうだろうことも予測できたし。

思った通りとても喜んでくれて、ハイテンションが母にもうつってしまった。

「どうしよう、誰かに言っちゃいそう」と言っていた。

わたしの父親には、なぜか彼が伝えた(笑)。「ご報告があるので電話したいです」とメールしたら、「子どもできたんか。おめでとう」とあっさりバレたそうだ。そりゃそうか。


昨日の晩ごはんは、

ハンバーグと、新玉ねぎのローストと、ほうれん草と鮭フレークのミルクスープ、

だった。

ほうれん草は、彼のおばあちゃんの畑のもの。他にねぎと小松菜ももらってある。助かる。

彼、ハンバーグをとても喜んでくれた。


わたしはゴールデンウィークが3日間しかなかったが、

そのうちの二日間で、鳥取に行った。

わたしの父の勤めている会社の保養所兼研修所があって、GWやお盆には社員に開放されるので、

わたしの両親・妹・弟・わたし・彼、の6人で泊まってきた。

会社の施設だから安い。料理とかもホテルみたいにごちそうが出るし、建物の中もめちゃくちゃきれいなのに。

とても得した気分。

ついでに島根・鳥取を少し観光する。

花回廊や足立美術館。

鳥取砂丘にも初めて行った。靴を脱いで、裸足で砂丘をのぼった。のぼりきると日本海を見わたせるが、けっこう傾斜がきついし、砂に足を取られて、わりとハード。

すぐにへばってしまうわたしを振り返り、彼が楽しげに笑っていた。

夜にはみんなで花札や麻雀をした。

彼も楽しそうでよかった。

結婚する少し前から、父が、彼にけっこうかまってくれる。

仕事が終わってから飲みに連れて行ってくれたり。

自分と同じサラリーマンだから、いろいろ教えたいのかもしれない。自分の息子(わたしの弟)はそういうタイプじゃないから。

彼も素直に喜んでついていくし、委縮しないでしゃべるし(笑)、「お父さんすごいですね」「これおいしいですね」と何度でも言うので(本心らしい)、父としても「じゃあまたいい店に連れて行ってやろうか」という気持ちになるみたいだ。


一方、彼のお父さんは名古屋に転勤になった。

奥さんもついていき、2匹いる犬さんも連れて行った。

今までは、高速を使って1時間くらいだったのに、離れてしまって残念。

なので、母の日のプレゼントをヤマトで送っておいた。ローラ・アシュレイのエプロン(+鳥取のお土産)。

気に入ってくれるといいな。

先月の生理を最後に、ピルをやめた。

気がつけば6年も飲み続けていたのだった。

もちろん避妊が目的だが、生理が軽くなる効用もあって、それにはだいぶ助けられたなと思う。

先日、ピルをやめて初めての生理が来たが、血の量が全然違って、驚いた。始末が大変。もちろん貧血にもなる。不思議に、痛みは今回あまりなかったけど。

でも妊娠を望むならいつかはやめなくちゃいけないわけで。


ピルをやめはしたけれど、今すぐ子どもが欲しいというわけでもない。

わたしの仕事のこととか、お金のこと、住まいのこと、すべてにおいてまだ迷いがある。

さあいつでも来い!という状態では、正直、ない。

でも「できたらいいな」と思っている。親たちの喜ぶ顔も見れるし。


彼のほうも、なんとなく覚悟というのか、そろそろだと思っているみたい。

ピルをやめてから、セックスの時、「俺の子ども産んでくれる?」とにっこり笑って言う。

まだできてもいないのに「名前、何がいいかなあ」なんて言ったりもする。

「英会話習わせたい」とか(笑)。


ちなみに、ピルをやめて排卵が復活すると、「はねかえり」とかいって、妊娠しやすくなると聞いた。

今まで抑えていた反動ってことか。

クリニックの先生は「2回生理を見たら子作りしていい」って言ってたけど、わたしが思うにそれはピルの影響があるとかじゃなくて、妊娠機能が戻ってるのを確認してから期待しなさいってことじゃないだろうか。

もしそうなら、すぐ妊娠したっていいはずだけれど、まあまだ焦る必要もないし、自然にまかせようと思う。


でも、彼と二人の生活がとても楽しいので、もうしばらくふたりきりでいたいなーという気持ちもあったり(笑)。

仕事から帰るときは彼にメールをする。

わたしはバス通勤だが、1時間に2本しかないので、

「○分のバスで帰るよ」と言っておく。

すると、着く時間がだいたいわかるので、時間がちょうどいいときは彼がバス停で待っててくれていることがある

(彼は駅から自転車)。

初めてそれをしてもらったときには、まさか彼だとは思わなくて、

夜で暗かったせいもあり、ナチュラルに不審な人が立っていると思ってしまった(笑)。

でもとてもうれしい。

バス停から6~7分の距離を、ごきげんでふたり歩いていく(笑)。


このあいだは、そうして一緒に帰ってきて、ハイツの階段を上がる時に、

わたしは彼にささやいた。

「ねえ、最後にしたのいつだったかな?」

彼は照れる様子もなく、「3日前かな」という。

「3日か。けっこう経ってるね」とわたし。

「うん」と彼。

「……3日で、『けっこう経ってる』っていうのも、凄いかも」わたしは笑った。

「ああ、そうかもね」彼は真顔だ。

誘っているの、わかっただろうか?


家に入る。衣裳部屋と化している和室でコートを脱ぎ、

なんだかとても幸せな気分で、畳に座って「ぎゅっ」としあった。


いつもはこうして仲良くしてるけど、時々はケンカもする。

このあいだ彼が疲れて帰ってきたとき、わたしは先に帰っていたにもかかわらずなんだか動く気になれなくてぼうっとしていて、ごはんの用意も何もできていなかったので、いらだった彼とケンカになった。

ケンカするとすごく泣いてしまう。それはつきあっていたときからそうだけど、結婚してからは、どれだけ泣いても暮らしは続くから、結局問題と向き合わないといけないと思うし、とりあえずごはん作らなきゃ、とか思う。

恋人だったころは、ただおさまらない気持ちを全部彼にぶつけていただけだったのだ。きっと。


時を戻そう。

一緒に帰宅して和室で抱き合って、そうして、自然にいちゃいちゃしてしまった。

たぶん彼にはちゃんと伝わっていたのだと思う。

心地よくふわふわしはじめたところで、「ベッドにいこうか」となった。

なんとなく気恥ずかしくて、明かりを少なくした。

捨て去るように服を脱いで、ベッドに入った。

わたしは照れてくすくす笑っていた。こんなにきちんとセックスを始めるっていうのは、わたしたちには珍しいことなのだ。結婚する前からそうだが、だいたいいつも突発的(?)に始まって、服とかちゃんと脱がないし、リビングのソファだろうがお風呂だろうがその場でしてしまう。


薄暗い中だったが、彼が笑顔でいるのがわかった。

わたしが上でつながると、彼が優しい声で、

「サキと結婚してよかった。帰ってきてサキがいるだけですごく幸せで、癒される」

みたいなことを言った。

わたしはきゅーんとして、涙が出そうになった。

すると「あ、なんかすごく締まってきたよ」と彼が笑った。

「うれしいから、かな」とわたしも笑った。嬉しくなると締まるのだろうか?不思議だ。

でも結局このときは、彼がいく前に終わった。

「長くしたい」と思って我慢しすぎるといけなくなっちゃうんだという。

別にいいけど、区切りがなくてなんだか変な感じ。

そうしてどちらからともなく眠ってしまった。



ふと目が覚める。時間はわからない。

ケータイすらベッドに持ってこずに始めてしまったのだと気付いた。

ごはんも食べていない。

彼は眠っていたが、わたしはそっと自分の背中をくっつけて、手を伸ばし、彼のものを自分の中に入れた。

彼、どの時点で起きたのかわからないが、わりとすぐに動き始めた。

なんでだろうと思うぐらい気持ち良かった。

「目が覚めたら入ってた…」と彼がとろとろした声で言う。

次第に激しくなって、たくさん名前を呼んだ。

彼がいって、体を離して、そして眠り込んだのだと思うが、このあたりは記憶にない。

「ごはん、たべる?」とわたしが言い、「いや、もう、いいわー」と彼が答え、「えー。わたしは食べる」「んー、じゃあ、たべるよー」とか会話したと思うが、これもどの時点なんだかよくわからない。


ふたたび目が覚めた。もう真夜中だろう…と思いながら起き出し、リビングの時計を見たら、まさかの5時だった。

笑ってしまった。

わたしたち、きのう帰宅してからごはんも食べないでセックスだけして寝てしまったのだ。

むちゃくちゃだ。寝すぎだし。

もうベッドには戻らず、朝ごはんの用意をして、6時に彼を起こした。

彼も夜中だと思っていたらしい。

「6時だよ」と言うと「は!? マジで!?」と言った(笑)。


今後は気をつけよう(笑)。

今日は彼が仕事、わたしが休みの土曜日。

来週は逆になる。

一人の休日は、わたしはだいたい家事をしたりこうしてネットをしたりして過ごす。

友達と会ったり。

彼がどうやって過ごしているのかは知らない。ゲームとかしてるんだと思うが。


今週は彼が風邪をひいていた。

この寒いのに、コートも着ずに京都まで行ったからだと思う(友達の結婚式)。

そもそも毎朝、コートなしでスーツ姿で自転車をこいで駅までいってるし。

そりゃ風邪もひくだろう。インフルでないだけまだよかった。


わたしは、冷えピタを買ってきてあげたり、食べやすいものを作ってあげるぐらいのことはしたけど、

風邪をひいた彼に対して基本的にはドライだった。

いつもの元気な彼がいないことが寂しかったから。

それに仕事が忙しくて心の余裕もなかった。


彼の風邪は会社を二日休んで治った。


ちなみにわたしが作った風邪ひき用メニューは、

1日目→水餃子のスープ

2日目→チーズクリームリゾット(チーズ控えめ)

水餃子の具は鶏ミンチと長ねぎ。ヘルシー(笑)。


うつったら困るので、風邪をひいている間はキスしないようにした(笑)。


2月3日には、ふたりで豆まきをした。

わたしは社内販売で恵方巻きを買ってかえり、まあ節分らしいことはこんなもんでいいだろうと思っていたのだが、

彼が「豆どうする?」というのだ。豆まきなんて子どもの時以来だ。

「え、するの?まくの?」

「まくよ。いや?」

「いやじゃないけど」

というわけで、仕事帰りに待ち合わせて二人でスーパーに寄り、豆を買った。

そして家の中で豆まきした。

本気でまくと掃除がたいへんなので、控えめに。

豆をぶつけ合った(笑)。当たると結構痛い。

彼は外にも少しまいた。


ごはんは、恵方巻きと、かきたま汁と、にんじんのケチャップあんかけ。

わたしが方位磁石を持っているので、それで方角を見て、食べた。

ふたりとも恵方巻きからきゅうりを抜き取った。野菜の中でもかなり苦手な部類。

わたしはあとでちゃんとドレッシングで食べたけど、彼はそのまま残した。

よく見たらごぼうも抜き取ってあった…。

やっとベッドを購入した。

フレームは布製。

マットレスは、ちょっといいものにした。彼が腰痛持ちなので。

腰に負担が少なくてスポーツ選手も使うという、外国製のものだ。

サイズは、ダブルになった。

わたしはセミダブルぐらいでいいと思っていたのだが、彼の実家に遊びにいったとき、

お父さんの奥さんに「ダブルがいいって!」と強く勧められたのだ。

ダブルぐらいの幅がないと寝返りが打ちづらくてしんどいからということらしい。

次に遊びに行ったときには、奥さんはわたしたちにと羽毛布団を買ってくれていた。

それなりの値段するはずだ。ほんとうに、ありがたい。

そんなわけで、睡眠環境はちょっと贅沢なぐらい良いものになった。

たぶん新居のための大きな買い物はこれが最後だと思う。

やっと整ったなあと思う。

とはいうものの、和室がいまだにポールハンガーとかドレッサーとかわたしのバッグ(やたら多い)とかでカオス状態で、LDK部分が生活の「舞台」としたら和室はまさに「楽屋」「舞台裏」みたいな感じ。

まだもう少し片づけないといけない。


結婚して初めてのクリスマスは、

仕事が終わった後、イブだけを一緒に過ごした。

彼がちゃんとお店に予約をしてくれて、贅沢なごはんを食べた。

今までクリスマスが6回あったはずだが、どこにいって何を食べたか、ふたりで思い出そうとしてみたけど、

いくつか記憶から抜けていた。


南港いったよな。

うん。ATC。

お好み焼き食べたな。

違うよ、それは天保山にいったときだよ。

そうだっけ?

そうだよ。

くじらのイルミネーション?

そうそう。

じゃあ南港のときは何食べたっけ?

えー?うーん・・・


もうなんか記憶がごっちゃでわからない(笑)。

このまま10年とか20年とか一緒にいたら、もっとわからなくなるだろうなあ。


プレゼントもお互いにちゃんと用意していた。

わたしは彼にサマンサキングスのバッグを。大人っぽくてシンプルなのにした。プライベートのお出かけ用って感じ。あと、おまけで定期入れ。彼が使っている財布とよく似たデザインの物を見つけたので、お揃いみたいになった。

彼はわたしにリーボックのシューズをくれた。はいて歩くだけでシェイプアップできるとかいう、今流行っているやつ。「そのスタイルをキープしてほしいから」だそうだ(笑)。


25日は、クリスマスでもあり彼のバースデイでもあるのに、一緒に過ごせなかった。

彼が泊りがけで会社の忘年会(@温泉)だったから。

わたしは自分の実家で過ごした。こんな日に新居で一人ぼっちはさすがに寂しい。