人工内耳体験記
はじめに 人工内耳の両耳装用者です。左耳の手術から10年目、右耳の手術から11年目です。私の体験が同じような難聴で困っている方の一助になれば幸いです。使用プロセッサはバイオニクスのナイーダCIです。 なお、記載内容は、あくまで個人の感想で全員にあてはまるわけではないことをご了承ください。 1.人工内耳の手術に至った経緯 健聴者として生まれましたが、6歳の時にストレプトマイシンによる副作用(いわゆるストマイ難聴)になり、感音性難聴と診断。両親に連れられて全国各地の病院を周りましたが内耳の有毛細胞が摩耗しているため、現代医学では治療方法はないと言われました。 6歳〜55歳まで聞き取りができる右耳に補聴器を使用していました。左耳は補聴器の音は入るものの雑音しか聞こえず効果なしでした。50歳過ぎて補聴器をつけている右耳の聴力がどんどん低下し仕事に支障が出るようになったため、少しでも聞き取りを改善すべく聞き取りのできない左耳にも補聴器をつけるようになりました。平行していろいろなメーカーの補聴器を試してみたものの100DB超まで聴力が低下した重度難聴に効果のある補聴器はありませんでした。 2010年頃、初期の人工内耳装着者であるマイケル・コロスト著の「サイボーグとして生きる」を読みましたが、感音性難聴は人工内耳適応の対象外の認識があったため、自分ごととはとらえられませんでした。 2015年に親族が参加した人工内耳の説明会資料が送られてきて感音性難聴であっても内耳奥の聴神経が無事であれば人工内耳が適応とわかったため、人工内耳装着者のいろいろなブログや加藤敬子著の「水の音が聞こえる 人工内耳装用記」を読みました。また、人工内耳のメーカーや人工内耳の手術を行っている病院のいろいろな動画を視聴したことで人工内耳手術後の聞こえのイメージが想像できたことから人工内耳手術の手術を決断しました。 2015年に聞き取りができない方の左耳を手術。補聴器では雑音しか聞こえなかった左耳で右耳並の聞きとりができるようになったため、2016年に聞き取りができる方の右耳も手術しました。両耳が人工内耳になったことで聞こえが劇的に改善しました。2.人工内耳のメーカー選択 ※2015年7月当時 人工内耳の機種にはコクレア、メドエル、バイオニクスの3社があります。コクレアはスマホ市場におけるiphoneのような知名度があるものの、3社のカタログやホームページや人工内耳のブログを見て比較検討した結果、以下の理由によりバイオニクスを選択しました。・音楽をなるべくきれいに聴きたい⇨バイオニクスは音を入れる電極と音を受ける電極が各16極ありハイレゾ(音の解像度が高い)と書いてあったこと・言葉をなるべく明瞭に聞き取りたい⇨バイオニクス独自のTマイク(集音マイクロホンの位置が耳穴にある)により集音マイクロホンが本体背面のみの場合より聞き取り改善の効果があると書いてあったこと・耳掛け式補聴器と同じくらいの大きさがよい⇨バイオニクスのナイーダはスリムで小さく見えたこと3.人工内耳のメリット・補聴器のボリュームをあげすぎた時に生じるピー音やハウリングがないです。・レンジのあたため完了や冷蔵庫の閉め忘れ時のピー音が聞こえるようになりました。・蝉時雨や鳥の声も聞こえるようになりました。・信号が青になった流れるピロピロ音も聞こえるようになりました。・エレキギターの高音やドラムのシンバル音が聞こえるようになりました。4.人工内耳のデメリット・補聴器の時は気にならなかった車の走行音、掃除機の音、ドライヤーの音、食器洗いの音、ポリ袋のカサカサ音がうるさく感じます。・内耳に電極を埋め込む手術は残存聴力があっても全聾になるため、手術後は補聴器を使用することはできません。・MRI検査や電気メスの使用にも制限があるようです。・イヤモールドを使わない場合、プロセッサを耳にひっかける形になるため、あおむけになる場面(ストレッチや歯医者等)ではプロセッサが落ちやすくなります。・スーパー銭湯にある電気風呂も使わない方がよいようです。5.両耳装用の効果・脳に入る音が単純に倍になるため、聞こえの大きさも倍になり、各段に聞き取りがしやすくなります。・補聴器では聞こえなかった高音がきれいに聞こえるようになり、音楽はアナログテレビの映像がハイビジョンになったくらいの解像度が得られます。・店頭でのやりとりが楽になりました。(片耳装用の時は適当にうなずいていました)・マスクをつけた方との会話もできるようになりました。(片耳装用の時はマスクをはずしてもらっていました)・病院の受付や会計時に名前を呼ばれる際の不安がなくなりました。(片耳装用時は呼ばれてもわかりませんでした)・カーナビの音声の聞き取りができるようになりました。(補聴器の時はまったくわからずカーナビの画面を見ながらの危ない運転でした)・ナイーダCIのTマイクは耳穴の位置に集音マイクがありヘッドホンの装用ができるため、電車内で音楽を聞いたり、スマホで電話ができるようになりました。・ヘッドホン装用によりオンライン会議の聞き取りができるようになりました。(補聴器であればオンライン会議はまったく聞き取りはできません)・テレビのアナウンサーの音声が片耳装用時より明瞭に聞こえるようになりました。・補聴器の時は自分の発音の濁りがわからなかったため、自分の発音の矯正にも役に立ちました。・口元の動きがわかりづらい方は、何を言っているのかわかりませんでしたが、口の動きがなくてもだいたいわかるようになりました。・ナイーダCIのスターターキットには予備の部品が入っていますので、両耳とも同じ機種を選択したことにより予備の部品が倍になり、故障時の心配が軽減されました。・救急車やパトカーの音が遠くからでも聞こえるようになり、運転時の不安が軽減されました。(片耳装用では音の来る方向がわかりませんでした)・居酒屋のような騒がしい場所でも1対1や2対1であれば会話ができるようになりました。・悩みとしては、補聴器の時はまったく気にならなかった掃除機やドライヤーの音が、両耳装用でうるさく感じるようになりました。・両耳装用であれば、万一、片方が故障しても、もう片方の聞こえはできているというメリットがあります。片耳が補聴器の場合は音の大きさが格段に小さく感じられるため片側のみ人工内耳の場合は故障した際の不安が大きいです。・片方のプロセッサに不具合が発生した場合、もう片方の側のプロセッサに不具合が発生した側のヘッドピースやケーブルやTマイクを装着してみることで不具合の原因となった部品の特定ができます。・両方のプロセッサに右用と左耳用のプログラムが登録されていますので、片方のプロセッサが故障した場合も聞き取りやすい方の耳に使用可能です。6.人工内耳の限界 ※2025年現在・人工内耳の音の大きさに制限はありませんが、私の場合、右耳の音量を上げすぎると目の下がピクピク痙攣するため限度があります。なお、ピクピク痙攣の手前でも十分な音量が確保できています。・1対1の会話はほぼ100%聞き取りできるようになりましたが、電車内や喫茶店の別席の他人の会話は何を言っているかわかりません。・家族や知人との雑談であれば話題の想像ができるため問題ありませんが、どのような話が出るのか不明な他人との雑談は苦手なままです。・会議室における聞き取りは、定員が6名以内の小会議室であればほぼ100%聞き取りできますが、定員が30名から50名以上になる大会議室では近くにいる人以外の発言は聞き取りにくいです。オンライン会議は参加人数にかかわらず参加者の発言がヘッドホンを通じて直接耳に入ってくるため、聞き取りやすいです。・電車の通過時や車で高速道路走行時などで聞き取りが困難な場面もあります。・音楽の高低は補聴器よりも格段にわかるようになりましたが、ドレミファの音程はわかりません。ドレミファの音程はわからないものの歌は譜面を見ながらであれば譜面通りに聞こえます。・日本語の歌詞はところどころわかるものの全体は歌詞カードを見ないとわかりません。譜面を見ながらであれば英語の歌も聞き取りが可能です。・固定電話はスマホ通話より明瞭度が落ちるため固定電話は苦手なままです。7.手術費用 ※2015年当時 入院費用(手術代・人工内耳スターターキット含む)は手術1回につき120万ほどの請求でした。私の住んでいる自治体には障がい者手帳を持っている人用の医療費助成がありましたので、自己負担は入院中の食事代の1万5千円程度と加圧ストッキング代800円程度で済みました。 なお、民間の医療保険に加入の場合、人工内耳埋込手術は手術給付金に該当とされる場合もあるようです。私の場合、手術1回につき約22万円の給付金がおりました。8.維持費用 ※2024年現在 補聴器の時はボタン電池を使用していましたが、人工内耳は充電バッテリを使用します。充電バッテリは1個23800円で毎晩充電する必要があります。充電バッテリの寿命は1年〜1年半くらいです。残念ながら自治体の助成はありませんので自己負担になります。 このほか、3ヶ月ごとに交換が必要なマイクロホンカバー8個入1100円と3〜4ヶ月ごとに交換必要なTマイクカバー8個入1100円も自己負担になります。 ヘッドピース59190円、USPケーブル4400円とTマイク38700円はいずれも健康保険適用部品となりますので、病院経由で発注することになります。 バイオニクスのスターターキットは996,670円と高額ですが、本体故障時は調整品であれば31,900円(うち自治体から30,000円の助成あり)で済むようです。 本体が故障した際の流れは、病院に故障連絡⇨代替機貸出⇨自治体に申請⇨自己負担分を支払い⇨交換機出荷⇨代替機返却となるようです。9.リハビリ リハビリというと外科手術後の負荷をかけた運動をイメージしますが、人工内耳のリハビリは、いろいろな音を能動的に聞くことです。そのため、人工内耳のリハビリは中途失聴者にとってはつらい訓練ではありません。 私の場合は、テレビのニュースや字幕付きのドラマを視聴したり、スマホに入れておいた中高生時代の音楽を積極的に聞きました。また、耳で聴く文学シリーズのCDも図書館で借りて聞きました。10.メンテナンス・就寝時には乾燥剤の入ったケースに本体を保管しています。・3ヶ月毎にマイクロホンカバーとTマイクカバーを交換しています。・半年毎に病院でプロセッサの点検をしてもらっています。11.故障 ケーブルの断線やヘッドピースの故障はスターターキットに付属の予備品で対応しました。いずれも健康保険の適合部品のため、病院経由で無料で新品を入手できました。 本体スイッチの不具合では保証期間内であったため本体を無償交換してもらいました。私の病院では代替機の用意がありますので、万一の際は、代替機の貸出が受けられると聞いています。 ここ1,2年は故障らしいは故障は発生していません。12.電池 ナイーダCIは高出力のため専用の充電式のバッテリを使いますが、ナイーダCIには空気亜鉛電池パックもあります。空気亜鉛電池パックに使用する電池は補聴器に使用するPR44やP675と形状は同じものの、人工内耳は消費電気が多いため音がおかしかったり、30-40分ですぐ電池が切れたりするため、補聴器の電池は使用できないようです。 ナイーダCIの充電バッテリは一番大きい230の場合、16時間程度使用可能です。一番小さい110は8時間程度使用可能です。ちなみに230と110の値段は同じです。 ナイーダCIのバッテリの充電器は同時に4個充電できます。両耳使用の場合は、毎日2個使用することになりますので、毎日2個ずつ充電しています。バッテリを購入して1年経過すると徐々に使用可能時間が下がりますので新しく購入することになります。 災害時の停電で充電器が使えない場合に備えて空気亜鉛電池(6個入1,140円)が使える空気亜鉛電池パック23,800円を購入しました。空気亜鉛電池パックは空気亜鉛電池を2個使用し、30時間持つそうです。13.イヤモールド Tマイクを使用しない場合は、補聴器のイヤモールドと同様のものが使用できます。Tマイクの場合は、さいたま市にある日本光電の提携店でTマイク適合のイヤモールドを購入することになります。 イヤモールドを試作してもらったところ、ナイーダCIを耳にかけた際の安定感が増すメリットがありましたが、おすすめのソフトタイプのイヤモールドは体質的にあわないこととイヤモールドをつけた際の見栄えもややよくなかったため購入はしませんでした。 子ども用にはスナッギーという輪っかがあるようです。14.旅行 旅行にあたっては充電器の持参が必須になります。充電器のコンセントにはUSBケーブルがついていますので、コンセントがなくてもUSB差込口があれば充電可能です。 空港の金属探知機ゲートの通過は問題ありませんでした。金属探知機ゲートにひっかかった時用に日本光電発行の人工内耳装着者カード(日本語と英語で人工内耳装着者であることが記載)を携帯しています。15.左耳手術の経過詳細<左耳手術まで>2015年1月 親族が参加した人工内耳説明会の資料が送られてくる。感音性難聴にも人工内耳が適用される旨の記載があっため、ネットで人工内耳のことについて調べ始める。病院は人工内耳の手術を行っている病院のうち、自宅から近く「日本の名医百選」でも紹介されていた茅ヶ崎中央病院に決定。 4月 診察、聴力検査、聞き取り検査 5月 レントゲン等各種検査 人工内耳適応を確認 6月 ST(言語聴覚士)と面談7月 人工内耳の機種と9月手術を決定7月 日本光電(バイオニクス代理店)と面談8月 手術前各種検査、手術日程の説明 人工内耳の手術にあたっては、左右どちらの耳にするかという問題があったが、補聴器で聞き取りができる右耳に手術して効果がなかった場合のダメージは取り返しがつかないので、聞き取りができない左耳の手術を決断。<左耳手術と経過>2015年9月15日(火)午後入院 手術用病室に入室9月16日(水)午前指定の床屋で左耳後ろを剃毛 13時〜17時半手術9月17日(木)めまいなし、吐気なし、喉がちょっと痛い 4人部屋に引っ越し9月18日(金)新聞を読んだりテレビを見て過ごす 9月19日(土)新聞や本を読む 近辺を散歩 9月20日(日)新聞や本を読む 近辺を散歩9月21日(祝)新聞や本を読む 近辺を散歩9月22日(火)朝診察 点滴とれる 午後シャワー(洗髪はできず) 9月23日(水)朝診察 午後洗髪9月24日(木)朝診察 手術跡の絆創膏とれる 9月25日(金)朝診察 床屋で整髪 夕方風呂9月26日(土)朝診察 10時半音入れ(マッピング1回目) 12時退院 ネットでみたように音入れ直後は宇宙人のような金属声が聞こえるということはなし これまでの補聴器と同じように聞こえるということもなし マッピングでやや小さめの音量に調整してもらったたものの帰りの電車内では走行音も聞こえずかなり焦る 帰宅後、鉛筆で棚をたたいてみるとコンコンと小さく音が聞こえたため、鉛筆でいろいろなものをたたいて聞いてみる コンコン以上の音は聞こえず9月28日(月)仕事復帰 引出の開閉音が聞こえる9月29日(火)テレビの音がちょっと聞こえる お昼のチャイムがちょっと聞こえる9月30日(水)ビルのエレベーターのアナウンスがちょっと聞こえる10月1日(木)小便の音がちょっと聞こえる シュレッダーの音が聞こえる 10月2日(金)靴音がちょっと聞こえる10月3日(土)マッピング2回目 全体を大きくしてもらう10月5日(月)電話の呼出音が小さく聞こえる10月6日(火)電車のアナウンスがはっきり聞こえた10月8日(木)テレビの音声が聞こえるようになった10月10日(土)マッピング3回目10月11日(日)スニーカーの音が聞こえる 信号のピロピロ音が聴こえる10月24日(土)マッピング4回目11月 7日(土)マッピング5回目11月28日(土)マッピング6回目 高音も低音もきれいに聞こえるようになる12月 5日(土)聴力検査、聞き取り検査(単音は60問中14問正解なのでまだまだ)12月26日(土)マッピング7回目 聞こえる音が格段に大きくなる2016年2月20日(土)マッピング8回目 掛け時計の秒針が動くコチコチが聞こえるようなる4月 2日(土)マッピング9回目5月28日(土)マッピング10回目7月 2日(土)聴力検査(左耳は30DBフラットになった)、聞き取り検査 16.右耳手術の経過詳細<右耳手術まで>2016年6月 主治医に右耳手術を相談 9月21日の手術が決定7月 ST(言語聴覚士)と面談8月 術前検査 問題なし <右耳手術と経過>2016年9月20日(火)午後入院 診察9月21日(水)朝診察 午後13時半〜17時半手術9月22日(祝)朝診察 9月23日(金)朝診察9月24日(土)朝診察9月25日(日)午後散歩9月26日(月)朝診察 18時風呂9月27日(火)朝診察 午後散歩9月28日(水)朝診察 午後散歩 夕方風呂9月29日(木)朝床屋で調髪 11時退院(予定より2日早い)9月30日(金)自宅で過ごす10月1日(土)朝通院して音入れ、マッピング1回目 右耳の聞こえ具合は、音入れ直後から左耳と同じくらい聞こえたのでひと安心試しに右耳に補聴器をつけてみたところ、まったく聞こえなくなっていたので残念10月 8日(土)マッピング2回目10月22日(土)マッピング3回目11月26日(土)マッピング4回目右耳は幼少期より聞き取りが可能な耳ではずっと補聴器を使っていたので、聞き取りの程度はあっというまに左耳を追い越した感じがする<両耳装用の経過>・2017年2月(両耳装用5ヶ月後) NHKのニュースは字幕なしでも8割ほど聞き取りができるようになった。 両耳装用は聞き取りの改善速度がめざましい感じがする。・2017年3月(両耳装用6ヶ月後) 会議の場では半分以上聞き取りできるようになった(補聴器では2,3割くらい) 卒業式などのスピーチも半分は聞き取りできるようになった(補聴器でははゼロ) 電車の定例アナウンスも8割方聞き取りできるようになった(補聴器では2割くらい)・2017年4月(両耳装用7ヶ月後) 電車の車内放送の「相模大野で人身事故がありましたのでしばらくお待ちください」が聞き取れた。・2017年6月(両耳装用9ヶ月後) 映画は字幕がついている洋画でないとわからなかったが、日本映画の新作を見てみたところ、会話が半分以上わかるようになったので楽しめた。 音楽についても楽器のいろいろな音がちょっとずつ聞こえてくるようになった。・2017年7月(両耳装用10ヶ月後) 単音と連音の聞き取り検査は少し改善(38点⇒42点)。 か行とた行の聞き取りがイマイチ(音声が混在している)だった。 文章の聞き取り検査は9割方わかるようになった。・2017年12月(両耳装用1年3ヶ月後) 会社で非常放送があった際に「こちらは防災センターです。先ほどの件、確認の結果、エレベーターに異常はありませんでした。どうぞご安心ください」が聞き取れた。・2018年5月(両耳装用1年8ヶ月後) 1年8ヶ月経過も少しずつ聞き取りか改善していることを実感。 朝のニュース番組はテレビ画面を見なくともほぼ完全に聞き取りができる日が出てきた。 スポーツ中継の音声も以前はまったく聞き取りができなかったが、現在は2割くらいは聞き取りができるようになってきた。17.登録プログラム バイオニクスの音声処理方式はHires Fidelity-P/with 120とHires Fidelity-S/with 120の2種類あります。理論上は再現度が高いHires Fidelity-P/with 120のほうが聞こえがよいはずですが、失聴期間が長い場合はHires Fidelity-S/with 120ほ方が聞き取りに有効な場合があるそうです。また、T-マイクの設定をAux-onlyにすると音の方向感や、聴き取りが他の設定に比べやや改善するということもあるそうです。 色々試した結果、失聴期間が長かった私はFidelity-Sの方が聞き取りやすいことがわかりました。Fidelity-Pは音の広がりが感じられるため、私の現状登録プログラムは以下の通りとしています。 1:Fidelity-S AUX_only クリアボイスMedium 【通常用】 2:Fidelity-P AUX_only クリアボイスなし 【音楽用】 3:Fidelity-S AUX_なし クリアボイスMedium 【Tマイク故障時用】 登録プログラムの切替はプロセッサ背面のスイッチを押します。スイッチを押して聞こえるピッ音の回数で何番のプログラムかわかります。登録プログラムは複数登録可能ですが、たくさんあるのも煩雑なので私は3つ登録としています。おわりに 2度に渡る手術をして頂いた茅ヶ崎中央病院の石田先生、リハビリ期間中にお付き合い頂いた言語聴覚士のY先生、度重なる質問に毎回ていねいな回答を頂いた日本光電のNさん、手術にあたり親身に世話をしてくれた妻に心より感謝いたします。また、私が聴覚障害となった責任を感じたまま亡くなった母に人工内耳により聞こえるようになった報告をしたいと思います。 とある休日、ソファで寝っ転がってヘッドホンで1970年代の音楽を聞いていたらキラキラの流星が大量に降ってくるような幸福感に包まれたので、これだけでも両耳人工内耳にして本当によかったと思いました。●資料<補聴器と人工内耳の聞こえの推移><ナイーダCI> 画像提供:アドバンスト・バイオニクス・全体・Tマイク・パワーセル(バッテリ)種類 ※黒もあり・充電器<人工内耳装用者カード><人工内耳メーカー・代理店>・日本光電(アドバンスト・バイオニクス代理店)https://www.nihonkohden.co.jp/know/audio/cochlea.html・コクレアhttps://www.cochlear.com/jp/ja/home/diagnosis-and-treatment/how-cochlear-solutions-work/cochlear-implants・メドエルhttps://www.medel.com/ja<参考書籍>・サイボーグとして生きる マイケル・コロスト著 2006年刊サイボーグとして生きる | マイケル・コロスト, 椿 正晴 |本 | 通販 | Amazon・水の音が聞こえる 人工内耳装用記 加藤敬子著 2010年刊Amazon.co.jp: 水の音が聞こえる 人工内耳装用記 : 加藤 敬子