岡田正彦氏  新潟大学名誉教授(医学博士)

のブログに治療薬に関する記事が更新されてましたので紹介します。

 

 

 

スマホだと見られない事があるようなので、スクリーンショットを貼りました。

 

 

 

 

--------以下転載--------------

(2021.10.7)
実用的な飲み薬は完成したのか?
 ウイルスに感染したとき、時間が経つごとに治療の仕方が替わっていきます。つまり「発熱などの症状が出たばかりのころ」、「軽い肺炎になった時期」、そして「重症になったとき」です。誰もが望むのは、最初の段階で治して重症化しないように、ということでしょう。

最初の段階で大切なのは、ウイルスが増殖しないようにすることです。インフルエンザの薬「タミフル」は、まさに、その要求を満たすために開発されたものでした。ついに新型コロナでも、そんな期待に応える飲み薬が登場しました。名前は「ミョルニル」。変な名前ですが、神話に登場するカミナリ神がもつハンマーのことだそうです。作ったのは巨大製薬企業のメルクで、コロナワクチンの開発に失敗した会社です。

治験は、感染者775人に対して行われ、薬を服用した人たちで重症化したのは7%、プラセボでは14%だったということです。効果はなんと2倍。「あまりに効き目が良く、プラセボ群に投与しないのは倫理的に許されないと判断し、治験を途中で終了した」と会社は発表しています。服用は、発症または検査で陽性となってから24時間以内でなければなりません。ちなみにタミフルは48時間以内です。

申請はこれからですが、迅速承認をえて、年内には供給を開始できる見込みだとか。この薬の利点は、抗体治療薬より安いことと、点滴の必要がないことで、欠点は服用のタイミングを見きわめるのが難しいことです。

ここで、新薬が登場したときの心構えを、もう一度あげておきましょう。
・製薬企業が関わった論文には必ず忖度や不正がある!
・良すぎるデータは疑え!
・新薬にはすぐ飛びつくな!


【参考文献】
1) Robbins R, Merk says it has the first antiviral pill found to be effective against Covid. New York Times, Oct 1, 2021.

2) 岡田正彦, ビジネスジャーナル『歪められたエビデンス:正しい健康法はこれだ!』, on line.
3) Mandavill A, The C.D.C.'s new leader follows the science. Is that enough? Jun 10, 2021.
4) Kaplan S, F.D.A. still lacks a permanent chief, desoite pressing, weighty problems. New York TImes, Jun 12, 2021.

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