UN-Blog (仮)-島の村の先生


思い出したように、また韓ドラの感想を書いてみる。 もう何ヶ月も経ってしまいましたが、BSで 「島の村の先生」 を観ました。 多分、「彼女がラブハンター」 の後だったと思います。

(ネタバレあり、要注意!)


<あらすじ> 番組の公式サイトより。


美しい多島海(タドヘ)にある下苔島(ハルド)を舞台に “証人保護プログラム”という新しい素材をベースに、若い男女の運命と愛を描く。
美術の先生であった母と2人暮らしだったウンスは、母が病気で他界すると叔父の家に引き取られる。 ウンスは母と自分の夢であった画家を目指し、フランス留学を目前にしていた。 そんなある日、ウンスは送別会の駐車場で、偶然殺人現場を目撃し警察に出向くが、そこで犯人のゴァンギと出くわし引き返してしまう。 気にしながらもパリへ飛び立とうとしたとき、突然現れた刑事のホテに飛行機から引きずり降ろされ、強引な説得で証人になることを約束させられたウンス。 ウンスはゴァンギの追跡から逃れるため、裁判の日まで“証人保護プログラム”により、ハル島でホテの監視のもと生活を送ることになる。 ハルド島でウンスはふとしたことから先生を務めることになるが…。


出だしは、ちょっと風変わりだけど、面白そうだなと思ってみましたが、期待とはずいぶん違って、でもある意味とっても楽しんで観たドラマです。 もっとハラハラするのかと思ったのですが、ハラハラ感は全くと言っていい程なく、その代わり、そりゃないだろーと、突っ込むのが面白かった。

韓ドラは、大抵、突っ込みどころ満載ですが、これはずば抜けてました。(笑) もう出てくるのが誰も彼も、そしてする事なす事、ドジばかり。 脚本が薄いから、ダラダラ延ばしてるので、登場人物のドジで時間稼ぎをしてつないだという感じ。 話は散漫だし、テンポも乗り切れない感じでしたがが、ドラマ全体の雰囲気と、登場人物の愛嬌で、呆れつつも付き合える。 演出のうまさで持ったみたい。 監督苦労したろうな。

主役のウンスを演じたハン・ジヘさんは、さっぱり、溌剌としてイイ感じでした。 ただ後半、綺麗に可愛くなったのが不満。 髪染めて、髪形変えて。 可愛いワンピースとか着ちゃって、化粧も明らかに変わって、すごく綺麗になった。 綺麗になって文句言われちゃ堪らないだろうけど、韓ドラのヒロインには珍しく、見た目に構わない、無造作な感じが新鮮だったのに、おしゃれする様になったら平凡になってしまいました。 残念。


チュ・ホテ役のキム・ミンジョン氏は、「ミスターQ」 と 「恋するハイエナ」 の中間のイメージ。 まだカッコイイを目指しつつ、実際はちょっと情けない。 「恋するハイエナ」 より渋くしてるけど、そこがかえって笑える。(笑) ワイルド系は、あまり合わないような。 ぶっきらぼうだけど、人の良いので、ウンスのお守り役には適任でした。 最後の島の駐在さんの雰囲気が一番ぴったりしてました。 いつまでも島で幸せに暮らしました、めでたし、めでたし。 そんな感じがよく出てました。

チュ・ホテの恋敵のチャン・ジェドウには、イ・ドンウク氏。 前髪下ろしてたので、しばらく 「マイ・ガール」 で見たの気がつかなかった。 「マイ・ガール」 の時より、かなり若く、ずっと優しげ。 若いのはともかく、優しいのは良いですね。 爽やかだし。 客観的に見れば、チュ・ホテよりチャン先生を選ぶと思うけど、やっぱり、チュ・ホテの方が情が深そうで、二人とも結構イイ勝負してました。

お楽しみの敵役、まず一人目。 ユン・ジヨン役のパク・ウネ氏。 いかにも意地悪そう。 後で、素の時の写真を見るとすごく優しそうなのに、さすが女優さんだなぁ、と思いました。 ジヨンは、チャン先生に強烈な片思いなんだけど、あまり切ないって感じがしない。 半分財産狙いもあるからかも知れないけど、かと言って、苦労して可哀想って感じもない。 ともかく強いの。 近所の人たちが、病院に土地の買い占めの抗議に来た時も、院長を守るのに、まさに体を張ってたし、地上げ屋かもしれない建設会社の社長も、電話で怒鳴り付けるし。 果ては、見るからにやくざのゴァンギまで、アゴで使う始末。 えらい女傑です。 あの肝の座り方なら、玉の輿なんてつまらないこと考えないでも、自分の力だけでひとかどの人物になれるのに。 あんた、早く目を覚ましなさいよ、って言ってあげたかったわ。(笑)


そして、ドラマの発端の事件の犯人、ゴァンギ。 手下もドジばかり踏むんだけど、あれだけ失敗に失敗が続いたら、そりゃボスに見限られるのも仕方がない。 傍からは間抜けだなとしか見えないのに、本人は目一杯強面で決めてるのが、とっても可笑しかったです。 でも、最後に残った二人の子分が最後までゴァンギを守ろうと、涙ぐましほど頑張ってて、仲間内では案外いい人だったのかな。 ボスに見限られたのを、ある意味素直に怒ってたのも、直情的な怒り方も、どこか可愛げを感じさせる悪役でした。


ともかくいい加減な作りのドラマでしたが、最終回は特にすごい無理矢理。 視聴者を驚かせてエーッと言わせたかったのでしょうが、あそこまでいくと、呆れてエーッです。 ウンスがホテの安否を確めない筈ないし、安否を確かめたらそのご連絡を取らない筈はない。 だから、いくら思わせぶりにしても、あのエンディングは、どうしたってサプライズにはならないんだけど、それでもあのオチを持ってきた、監督の開き直りと言うか、頑張りが微笑ましい。 まぁ、ぐたぐたでもイイや、と思わせるところが魅力のドラマでした。(笑)