今回のWild Side Tokyoセットリストのラストを飾るのは
数年ぶりに演奏をした曲"Further"です。

この曲はScope-Type時代に作られ、アルバム"慈悲の捨て石”にも
収録されている、僕らの音楽のなかでは最もポジティヴな曲です。
Further(ファーサー)とは、『より遠く』『更に先へ』
などの意味があり、距離・空間・時間、全てを含め、
現状に留まらず、遥か先へ進化を続けていこう。
という意味が込められた曲です。
Wild Sideブッキング担当の長岩さんがラストの出勤日であった
事もあり、それに合わせてセットリストに加えてみました。
最後に演奏したのが、いつだか分からないくらいではありましたが、
天から光がそそがれるようなメロディと、前半のミニマルなリズムが
心地よく、メンバー自身、とても好きな楽曲です。
是非、聞いてみて下さい。
farther (ファーサー)
山脈を背にして 陰に包まれるのを待つ
舞う羽をもって 浮かび上がる森林
公然となされてく 摂理無視の進行
止まることはない 繰り返される盲人芸
近世は既に別世 虫は六足歩行
彫刻家が諭してく 待ち望まれる聖哲
許されたリセット 全ての無と隣接
それは未解決 空を描く放物線
いつまで改新などして
増えていく裁かれる身
いつか見えたら焦らずに
時を愛せ 往くままを愛せ
farther
友好に人と接し争いは禁じ
無いものを信じて落ちていく我
いっそ上へ いっそ上へ
全ての説明と破っていく禁断
いつまで改新などして
増えていく裁かれる身
いつか見えたら焦らずに
時を愛せ 往くままを愛せ
farther

今のdormerと大きく異なる点のひとつとして
坂東氏が書き上げる歌詞です。
現在のdormerの歌詞に比べると
多少、何を言っているか分かりやすいですよね。笑
個人的には
”いつか見えたら焦らずに
時を愛せ 往くままを愛せ”
という部分が好きです。
彼の言う愛とは一個人に向けた愛ではなく
恐らく、慈愛の精神に基づく愛なのだと解釈しています。

サウンドに関しては前半、後半と大きく異なる2部構成で
出来た曲です。
前半はボサノヴァテイストのバッキングギターに
ミニマリズムを用いて、緩やかに踊れるようなアレンジ。
そして、後半はエニグマを彷彿とさせる民族テイストを加えた
メロディが特長の構成になっています。
全編からなるオブリガード(裏メロ)のように
奏でられるベースラインが、この曲に深みを出していると思います。

今回のアレンジはミニアルバムに収録されているバージョンとは
異なり、ライヴ用に短くエディットしてあるのですが、フルバージョンに
興味がある方は、Scope-Typeのアルバムも聞いてみて下さいね。
慈悲の捨て石/SCOPE-TYPE

¥1,500
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最後に
今回、Wild Sideのライヴに来て下さった皆様、ありがとうございます!
わざわざ、急遽予定を変更してまで見に来て下さった方もいて、本当に嬉しい限りです!
ライヴ会場でも販売したNew Single "Ether"もおかげさまで好評でした。
共演者のCalm Weather Grass Courtさん、 Gargleさん、
Glaschelimさん the joranさん、
皆様、素晴らしい演奏で感動しました。
以前も共演させて頂いているGlaschelimの皆さんとは、
色々お話も出来て嬉しかったです。
Wild Sideスタッフの皆様、そして最後の出勤日にdormerを呼んで下さった
長岩さん。
本当にありがとうございました。
長岩さんがいなくて寂しくはなりますが
これからもどうぞ宜しくお願いします。
dormerは、再度アルバムのレコーディングに入ります。
皆様に感動してもらえる作品になるように
日々、頑張っていこうと思います。
そして一日もはやく発表出来ればと思っております。
これからもどうぞdormerを宜しくお願いします。

Photograph by Taiki Ogawa
あ、大事な事、忘れてました。
いつも、写真を撮ってくれる小川大樹さん、
今回会場で彼が持っている一眼レフのカメラを、少し手に取る
機会があったのですが、
毎回、こんなに重いカメラや機材を遠くまで持って来ているのに
辛い表情や、嫌な顔ひとつしないで撮影してくれているんだ・・。
と思ったら、なんだかとても感動して涙が出そうになりました。
身近な人ほど、大切にしなさい。
と常に言って下さる方がいるのですが、本当にそう思いました。
もう長い付き合いなので、なんか照れくさいけど・・
彼には心から感謝をしないといけないなぁって感じました。
好きでやっているし、お礼なんて必要ないよ。
と言われそうですが、
いつもどうもありがとう!