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un-callのブログ

やわらかい、あたたかい絵本の中で遊びます。




しゅさいです。

『朝を待つ』本番まであと二週間となったわけですが




役者紹介。






を始める前に。



少し、un-callについて振り返ってみたいと思いました。勝手に。


長くなるから、たぶん記事を分けると思います。


この『朝を待つ』を観る上で、
何か参考になればいいな、なんて。


役者の皆さんも。


まあ、今作にはあまり関係ないかもしれませんが。笑


気が向いたら、気楽に読んでみてください。





【色彩公演-赤- 『引力に落ちる』】

そもそものun-callの誕生は、僕が大学一年生だった時の冬でした。
翌年6月に行われる早稲田演劇週間に、脚本・演出として参加してみよう、と。
書きたい欲があったのは一年生の秋からで、実行に移すタイミングとしてはちょうど良かったのです。


あんこーる。
ゆー、えぬ、はいふん、しーえーえるえる、で、un-call。
誰に呼ばれるでもないけど、やるからには再演を望まれるくらいのことをやりたい。


当時『引力に落ちる』でミント役だった金田梨沙に、なんとも恥ずかしい志を伝えたのが、un-callという名前の始まりだったと思います。


企画が決定してからは、奔走していました。
キャストの決定のために、今までの自分ではやらなかったような意味不明の積極性が発揮されました。
初主宰、わからないことだらけ。
…僕の話はやめておきます。


『引力に落ちる』の主役は、ミツキ役、劇団木霊の手島美紗子でした。

終わることのない三角形のお話。誰かが昇って、誰かが落ちて、誰かが志す、繰り返されるえいえんのループ。
月の引力に引っ張られる。
昇ってから気付く。誰かが落ちたこと。
落ちてから忘れる。昇れば誰かを傷つけること。
月は、嫌い。抗いたい。
三匹のうさぎと、狙うことを余儀無くされた狩人、浮かぶ月。
三角形はやがて、私たち、の引力に落ち、直線になる。


終わらない三角形を、終わらせたいのは僕(の演じていた月)で、実際に終わらせてくれたのはミツキでした。
この話は、誰もがどこかで救われるような理想論ではあったのだけれど、だからこそ「絵本のような芝居」となったのでは、と思います。
僕らでは決して届かない世界に、やわらかな世界を作り出して、読み終えたときに長く息を吐いて、少し口角が上がってしまうような。
ああ、これがun-callの世界なのだと、僕が気づいたのは、この芝居が終わった後でした。
そして、この『引力に落ちる』で誕生し、最も絵本、ファンタジーたる芝居に魅せたのが、ミント、以後un-callの看板となっていく、眠るうさぎでした。



ミント――眠兎。ちょっと頭のおかしな、自由奔放なうさぎ。誰かと共にする時間を、いつも楽しんでいようとする。真っ白な、うさぎ。

「私の幸せはね、えいえん。私と、ギンちゃんと、ミツキが、何も怖がらずに、何も変わらずにいられるえいえん。」



僕は、この公演の引力に引っ張られ、そしてこのun-callを、新しい絵本をあと3回開いて、終わりにしようと決めました。




『引力に落ちる』

出演
金田梨沙/ミント
小池銀河/ギン
手島美紗子/ミツキ
中野雄斗/狩人
平川智陽/月