先日、母におすすめの本を教えてもらいました。

緩和医療についての本らしく、母もまだ働いている身で比較的健康ではあるけれど、仕事柄人生の終え方について普段からよく考えている様子でした。

延命治療や臓器提供の希望の有無など、家族で話し合うべき事だけど、その時を想像すると途端に喉の奥から言葉が出にくくなってしまいました。

もうお風呂に入りに行く、と私が少し強引に言うと母は少し心配そうな声色になりましたが、なんとか電話を切るまで涙がぽろっと流れるのを堪えられました。


そのことが小さなきっかけとなったのか、最近は特に大切な人が生きてくれているだけで嬉しいという気持ちで満たされています。

特定の信仰がある訳でもないけれど、夜は祈るようになりました。

考えてみると、人生はお別ればかり。

最後まで私と一緒に歩んでくれるのはただ私1人しかいないのだと身に染みて感じます。

だけれども、日々人の想いや見えない繋がりを感じて生きている。

簡単には会えない家族、別れた恋人、別々の道を歩む友人達、これから離れ離れになるであろう仲間達。

人生お別ればかり。

だけど貴方が今日も、これからも、どこかで生きていてくれるなら、なんだかそれだけで幸せ。